華人型経営ではオーナー会長は独裁者
私は香港に上場している大手企業の日本法人社長も数年勤め、華人企業をも内部から観察、体験している。華人企業のマネジメントスタイルは、アメリカやヨーロッパ型、そして日本型の経営とも大きく異なる。いってみれば「どんなに社員が多くなっても家族経営」というものだ。
企業内家長であるオーナー会長の意向が絶対であって、組織の細部までオーナーの意向が及ぶ。鴻海のように年商15兆円規模の大企業となると、もちろん同族だけで経営するわけにはいかない。その代わり、華人企業のトップ幹部になるには、オーナーと家族同様の価値観や忠誠心を共有する必要がある。いわば経営幹部は擬似家族なのだ。ゴウ氏の弟、郭台強氏もフォックスリンクの董事長として周辺企業を経営している。
(この項 続く)
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