2016年5月5日木曜日

トヨタ、複雑怪奇な組織体制へ異次元改造始動…なぜ機能する?(3)

事業部別組織と地域別組織


 2回の体制変更を経ての今回の新体制は、トヨタという巨大企業におけるいくつかの組織軸に沿って構成されているので、外部からは一見して理解しにくい。

 新設されたカンパニーから解説していく。前述した車のタイプごとの4カンパニーは、「事業部別組織」だ。それぞれのカンパニーという名前の事業部には製造子会社も含まれ、チーフエンジニアが複数いる。これは特定の車種について全権限を持つとされる。つまりパッケージ・グッズの会社におけるプロダクト・マネジャーである。

 短中期の新車種開発はもちろん、人事や調達などの機能も各車種別カンパニーが担う。プレジデントは年間60万台から500万台を販売する車メーカーの経営者の役割を果たしていくことになった。

 一方、技術分野ごとの3カンパニーは機能別組織ということになる。今回の新体制では、さらに以前から存した第1トヨタと第2トヨタという市場別組織がある。この2組織は当該地域・国別でのマーケティング上のアプローチに意を尽くすという役割だ。「地域別組織」としておく。

(この項 続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿