2019年5月21日火曜日

ライザップ、営業赤字94億円…大物経営者招聘の裏に、瀬戸社長の“経営家庭教師”の存在(6)

大会社の経営者がRIZAPで直面するチャレンジとは


 住友商事、そしてSCSKで名声をほしいままにした中井戸氏が、瀬戸社長の要請に応えてRIZAPをV字回復させることができるのか。大いに注目されるところだ。

 中井戸氏は、しかしRIZAPで大いに戸惑うことになるのではないか。少なくともその着任当初は。

 ひとつめの理由は、組織規模の違いである。住友商事やSCSKは大手で、業界で先達的な企業だった。一方、RIZAPは創業社長に率いられて上場してきた、まだまだ新興の会社で、中井戸氏が在任した2社と比べて企業成熟度が大きく遅れている。大会社、大組織を率いてきた中井戸氏がその違いにうまく、そして素早く対応できるかということだ。

 2つめの理由は、RIZAPが拡大しきってしまった子会社群をどう統治していくか、ということだ。住友商事のような総合商社には、事業部門も子会社も無数にあり、一見構造的に類似する構成のように見える。しかし、決定的に異なるのは、それらの多数の会社を経営していくための経営者人材のプールだろう。

(この項 続く)

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