拙速果断な招聘とプロ経営者が直面した3つの困難
松本氏はジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長在任9年の間に年間売上を4倍に伸ばし大幅な黒字を達成、続くカルビーでは8期連続で増収増益を続けるなど、「カリスマ経営者」との呼称をほしいままにしていた。
ところが絶好調を続けたカルビーの業績は、2018年第3四半期(17年10月―12月)に久しぶりに対前年比で大幅に悪化してしまった。私はこの時点でカルビーでの松本経営が限界点に来たことを指摘し、「外に出て次の機会を見出したら」と提言した(18年2月16日付記事『カルビー、突然に急成長ストップの異変…圧倒的ナンバーワンゆえの危機』)。
この拙記事が松本氏の目に留まったとも仄聞しているのだが、同氏が唐突にカルビー退任を発表したのがその翌月のことだった。そして松本氏の退任報道に即応したのが、RIZAPの瀬戸社長だった。瀬戸社長は即日、松本氏に直接電話を入れ、RIZAP経営陣への参加を懇請した。
松本氏は瀬戸社長の迅速な要請に打たれるところもあって、RIZAPへの入社を受諾したという。松本氏は昨年6月の株主総会でRIZAPの代表取締役COO(最高執行責任者)に着任した。
(この項 続く)
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