2019年5月17日金曜日

ライザップ、営業赤字94億円…大物経営者招聘の裏に、瀬戸社長の“経営家庭教師”の存在(2)

創業経営者である瀬戸健社長は報酬の全額返上をすでに表明してその決意を表していたが、今回は中井戸信英(のぶひで)氏を取締役会議長として招聘し、多くを委任したかたちである。中井戸氏は6月の株主総会で正式に着任する。

 瀬戸社長は、昨年は「プロ経営者」としてその名も高い松本晃氏をCOO(最高執行責任者)として招聘した。ところが昨年6月に就任した松本氏は10月には早くもCOOを退任し、6月の株主総会では取締役からも離任するという。いわば助っ人のエース経営者が交代するわけだ。

 期待を集めた松本氏の早期退任と、入れ替わるかたちとなる中井戸氏の登場の背景を分析する。本稿ではまず、中井戸氏着任の事情から検証したい。

またも大物経営者、中井戸氏の登板


 前COOの松本氏がカルビーというよく知られた食品会社を立て直して抜群の知名度を持っていたことに比べると、中井戸氏はそれほど知られていない。しかし、経営者としての「大物感」とその経営実績は赫々たるものがある。中井戸氏は総合商社の住友商事で代表取締役副社長まで勤め上げ、09年からSCSKの代表取締役会長兼社長だった。

(この項 続く)

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