2017年5月22日月曜日

ソニー、倒産危機から完全復活…「魅了する家電製品」不在を嘆く人々の時代錯誤(3)

総合電気メーカーではない、タコ足コングロマリット



 吉田氏は続けて「17年度セグメント別業績見通し」を発表した。ソニーが展開しているすべてのビジネスを8つのセグメント(事業部門)に分解して、それぞれの売上と営業利益の見通しを示したのである。総売上が8兆円、営業利益が5000億円となることは前述の通りだ。

 その発表によると、営業利益でもっとも金額が大きいのは「金融」と「ゲーム&ネットワークサービス」の2事業部門で、それぞれが1700億円。後者にはプレイステーションが属する。それに次ぐのが「半導体」の1200億円。これらの3事業で17年度営業利益総額合計の5000億円のうち4600億円となるという。

 これらの利益構造をみると、ソニーを総合電機メーカーと呼ぶわけにはいかない、とますます思う。つまり従来型のコンシューマー(個人)向けハード機器による利益貢献など、この会社にはないに等しいのだ。

 具体的には、携帯電話(「モバイル・コミュニケーション」セグメント)の17年度予想利益はわずか50億円だし、代表的な家電製品であるテレビが含まれる「イメージング・プロダクツ&ソリューション」セグメントのそれは600億円だ。音響機器が属する「ホームエンタテインメント&サウンド」セグメントのそれも580億円にすぎない。

(この項 続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿