ネスレ日本はレギュラーソリュブルの導入に当たり、果断な姿勢を見せた。国内シェアの7割を持ち、自らが売り上げ最大の会員だった日本インスタントコーヒー協会など業界4団体から脱退したのだ。決断となったのは、全日本コーヒー公正取引協議会が14年6月の総会で、「インスタントコーヒーではないと消費者に誤認される」として表記変更を認めなかっただけでなく、広告上もこの名称を利用できないように自主ルールである公正競争規約を改めたことだった。
以前に本連載記事『米国で日本企業が標的に…日本ガイシ談合で巨額罰金 前社長らに禁錮刑の可能性も』でも述べたが、私は業界団体というのはある時は談合の温床となり、またある時は有力会員を独走させないための圧力醸成の場となっていると見ている。足を引っ張る、と言ってもいい。いずれにせよ公正取引を阻む性格が、日本の業界団体のいくつかに見られるのは残念なことだ。ネスレ日本の脱退決断を支持したい。
(この項 続く)
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