宮永氏は11年に社長室長に就任すると、同社にSBUの概念を持ち込んだ。そして、その年に64認定したSBUは15年の段階で48に絞り込まれ、14年事業計画では将来的に35~40に絞り込まれるとされている。
それら多数のSBUは、「エネルギー・環境」「交通・輸送」「防衛・宇宙」「機械・設備」という4つのドメインに振り分けられて、経営的な判断が容易にできるようになった。さらに宮永氏は、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/14年7月26日号)で次のように述べている。
「全ての事業について、競争優位性や成長性などで格付けし、『伸長・維持』『変革』『新規』『縮小・撤退』の四つに分類して精査しています。収益性が高く、キャッシュを生み出す事業は『伸長・維持』となり、得られた余剰資金は改善が見込める『変革』、または『新規』に還元します。一方で、収益性が低く、もはや改善が望めないとなれば、『縮小・撤退』となります」(同誌より)
この技法は、まさにPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、実際には事業ポートフォリオ・マネジメント)セオリーの応用である。私には、宮永氏のPPMセオリーへの強い傾倒が読み取れる。
(この項 続く)
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