日本郵政は大型M&Aから手を引いたほうがいい
野村不動産HDの買収を断念、トール社買収でも失敗、根強い「お役所体質」
2017年3月期の決算発表をする日本郵政の長門正貢社長(左)と市倉昇専務=5月15日
|
西室泰三前社長の負の遺産、トール社買収
オーストラリアの物流会社トール社の買収を決断したのは、日本郵政前社長西室泰三氏である。西室氏は郵政民営化に当たり、13年に初代社長として政府により迎えられた。15年に日本郵政グループ3社を同時上場させる陣頭指揮を執り、実現させたのだが、この巨大グループをさらに成長すべく画策したのが大型M&Aである。
トール社の買収は西室社長(当時)の独断的な決定だった。6,200億円という買収額も、プレミアムが乗せられすぎている、つまり高値つかみだ、という批判が強かった。
トール社買収失敗は、買収後の経営の見通しの無さに要因
私はしかし、トール社買収の失敗は、買収時点での資産評価よりも、買収後の経営の見通しの無さにあったと見ている。トール社買収について西室氏は当時「国際物流戦略の展開」としていたが、本当にそんな見込みがあってのことだったのか。
(この項 続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿