2011年11月6日日曜日

「世界が目を見はる日本の底力 」ロム・インターナショナル 書評101



KAWADE夢新書、河出書房新社、2011年刊。世界における日本経済の相対的な地盤沈下を受けて、日本の未来に対する悲観論が大きい。日本社会内部の沈滞感からも、それが増幅されている。

そのような悲観論に対して、
「日本もまだまだ捨てたものではない」
という、「逆張り論者」による「日本の底力」が冠されている書物も、実は多数出されている。
本書は、東北大震災の後に発刊されたというタイミングから、同震災での被災者の対応にも着目して、日本社会や文化に内在した伝統的な底力から始まり、最先端的な科学技術まで数え上げている。
単独著者ではなく、各著者名を名乗る「共著」でもない。近年はやっているライター集団による「グループ著」。それはそれで多数の資料に目配りして、強みのある章を分担するので、そつなく書かれる。
「ネタ本」としてはこの手の著作法も有効だろう。底は浅いが、事態を概観できる。

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