2011年8月13日土曜日
「独自性の発見」ジャック・トラウトとS.リウキン(1)書評89
海と月社、2011年5月刊。
ユニーク・セリング・ポイント(USP)確立の重要性を説いている。USP確立の重要性を説いているわけには、本書に強いUSPが見当たらない、という皮肉がある。
ブランドを拡散させないこと、フォーカスの重要性など、図書85「フォーカス」(アル・ライズ、海と月社:本日のブログタイトルからリンク)を彷彿とさせる。というか、2書の著者達は北米で共に著名なマーケティングコンサルタントということで、彼の地で受け入れられている主張なのだろう。主張には別に異論はない。
自説を展開していく上での企業事例では、本書の方が勝っている。きっと、このような著者は「著作に使える」と思える事例記事を徹底的にクリップするスタッフを擁しているのだろう。そうでなければこれだけ目が行き渡らない。
ところが、本書では事例が過大に過ぎ、主張のポイントの方が拡散されてしまっている。つまり、「フォーカス」を主張している書がそれを失っているというべきだろう。300ページ余を読み終わっても、骨太なメッセージが立ち上がらないで、「最初の主張は何だったけ?」ということになってしまった。言っていることはよいのだが、著作としての構成と叙述に難があり、かつ新奇な主張が見られない。
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