osamusidamasiの本棚 という書評ブログでの掲載。本日のタイトルからリンクを張った。
欧米流の経営手法や考え方が日本のビジネスやアカデミックの分野を席巻して久しい。しかしそれが日本の社会・文化あるいは日本人の性質にどれだけマッチしているのだろうか。例えば“成果主義”が会社の売上や社員のモチベーションに必ずしもプラスの影響を与えていないことは多くのメディアや有識者が指摘しているところである。このような状況を鑑み、私はかねてから欧米流の経営手法を日本にそのまま応用するだけの経営本ではなく、21世紀にふさわしい「日本人の、日本人による、日本人のための経営本」の登場を待っていた。
幸いにも本書はこのような私の思いを十分に満たしてくれる内容であった。5人の講師が自らの経験で培った知見をもとに論を展開しており、その語り口はわかりやすく、説得力がある。こんなに自分の感覚にしっくりあう経営本に巡り合えた幸せを素直に喜びたい。
この5人の論に共通するポイントは、会社の趨勢は真のリーダーシップを有する経営者次第であるということだ。そのことを豊富な実例を通じてまざまざと見せつけられた。
ただし優れた経営者になるための秘訣は十分に記述されているが、自分の後継者をどのように育成するのかについてはあまり触れられていなかったように思う。ぜひ後継者育成に対する講師の方々の知見を披露してほしい。
本書は、これからの様々なビジネスシーンあるいは職位が変わるたびに再読したほうがよい。そうすることで本書から新たな発見や知見を引き出すことができるからである。そういう意味で、本書はまさに“生きた教科書”であるといえる。
(星5つ)
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