2012年6月21日木曜日

「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボム 書評141(1)

日本放送出版協会、1998年。全米で100万部を超えるベストセラーとなり、ジャック・レモン主演で映画化もされている。本書もその後普及版と文庫版が出版された位なので、日本でもずいぶん読まれた。

 「ミッチ、私は死にかけているんだよ」
16年ぶりに再会した恩師、モリー・シュワルツ教授はALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていた。忍び寄る死の影。「あと4か月か5か月かな」。だが、その顔には昔と変わらぬ笑顔があった。「この病気のおかげでいちばん教えられていることとは何か、教えてやろうか?」そして、老教授の生涯最後の授業が始まった――。
(アマゾンでの商品説明)

感動的な実話で、それに遭遇した著者は全米NO.1スポーツ・コラムニストに11年連続輝くという手練れだ。多くの読者に迎えられ、「愛と死」を考え直させた。

このような良書が、しかし国を超えて同じように良書でいられるのだろうか。日本で等価値でいられるのだろうか。

(この項 続く)

2012年6月19日火曜日

横浜銀行経営者懇話会 「勝ち残る繁栄の黄金律経営」講演

浜銀総研が正式には主催する、横浜銀行の取引先企業の経営者を対象とした懇話会に招かれ、標題で講演。
他の銀行では、「経営塾」とか「経営者セミナー」などと称しているところを、横浜銀行では会員企業同士のネットワークを特に重視する立場から、「懇話会」としているという。

神奈川県でも、今回は特に金沢区地区にある企業60社程の社長さん達が参加していた。「懇話会」というだけあって、講演が終わっての懇親会(立食パーティ)での皆さんの交流がとても活発で、仲もよろしい様子を拝見して、感心した。気持ちの良い出講となった。

「スティーブ・ジョブズ I・II」 ウォルター・アイザックソン 書評140(2)

W.アイザックソン
それだからこそ、iで始まる幾つかのエポック・メイキングな製品群を世に送り出すことが出来た。そして「世界を変えた」。

手にある基幹技術を、ビル・ゲイツはオープンとし、ジョブスはクローズとして両者とも成功した。どちらの成功が大きかったか、あるいは長続きするか。アップルの場合は、ジョブスという教祖を亡くしたわけで、今までのような偏執的なクローズ政策が持続できるか。

著者は、ジョブスに招かれて晩年の数年間を親しく取材してきた(これも異例だ)。詳細なエピソードから知られることは、IT産業も結局シリコン・バレーの閉じられたジニアスなグループによって展開されている人間くさいゲームだと言うことだ。死期が迫ったジョブスをビル・ゲイツがアポもなく自宅に見舞い、数時間話し込んだシーンなど、時代を争った大ライバル二人に通じていた機微に触れられる。

経営書として得られるところは少ないが(誰がジョブスのようになれるだろうか、なりたいと思うだろうか?)、リアルなジニアス企業家の読み物としては文句なくおもしろい。
(この項 終わり)

2012年6月18日月曜日

りそな総研セミナー「部長の指導力・行動力強化セミナー」

りそな総合研究所の東京本社が5月に移転した。それ以来、ここでは初めての出講。

部長セミナーは「戦略立案」とならんで私の定番メニューとなってきている。今回も、部門戦略の立案ドリルを柱に、「繁栄の黄金律」の四つの要素を解説。
1.成長戦略
2.組織効率
3.モチベーションのアップ
4.コミュニケーション(社内)

始めに、「今日は何を学びたいか」を2枚のカード出しで言語化してもらたた。そうすると、「部下の指導」と「リーダーシップ」に悩んでいる部長さんが多いことが分かった。上記4項目を解説していく中でも、それらの2カードの項目に引きつけて話してあげた。

最後のアンケートの評点がとてもよかった。

2012年6月17日日曜日

「スティーブ・ジョブズ I・II」 ウォルター・アイザックソン 書評140(1)

講談社、2011年刊。 ご存じベストセラー。

長すぎる。これだけのスター経営者についての極め打ち本となると、商業主義が働き、上下本としたくなるのだろう。ジャック・ウェルチ「我が経営」もそうだった。

そして、両者に共通して言えることは、該当企業の経営を始めてからの部分がおもしろく、示唆に富む。出自とか、生い立ちとか、その企業に辿り着くまでの話などは(一応おもしろいが)、本筋ではない。ということで、本書もIIの方だけ読めば必要にして十分だろう。つまり、ジョブスがアップル社に復活してからの時代である。

ジョブスはある種の性格障害だったわけだ。徹底、執着、攻撃性など通常の経営者では決して獲得できない。また獲得したいと思わない。

(この項 続く)

2012年6月16日土曜日

シャープディスプレイプロダクト社 佐治寛社長 スティーブ・ジョブスとの違い

日経6月16日朝刊で、佐治社長が次のようにコメントしている。

「デバイスを進化させ、そのデバイスで新しい用途を創る。わしらはずっとそうやってきた。今も技術はある。新しい用途をかんがえるだけでワクワクするで」

この期に及んで、無残としか言いようのないプロダクト・アウトの思想であり、技術者発想である。このような、「成功の復讐」に捕らわれて来た技術者上がりの経営者が、シャープの液晶テレビ事業を崩壊に導き、鴻海(ホンハイ)精密工業の軍門に下ってしまったではないか。

ジョブスも新技術や新デバイスに囲まれていた(自分で開発したわけではない)。しかし、それら既存技術などを組み合わせて新しいものを構築した。音楽産業を巻き込んでiPodの世界を構築し、携帯電話とOSを組み合わせてiPhoneに統合して世界に提出した。

それらの技術要素を持っていたソニーは、シャープは坂を転げ落ちていただけではないか。
「ワクワクする」だけではダメなのだ。「どうにか」しなければ。
どうにか出来なかったのでしょう?これから出来るとも期待できない。もう退出した方が良いのではないか。

2012年6月15日金曜日

田原総一朗氏 幻惑の瞬間(とき)

電話がいきなり掛かってきて、「TVに出ませんか」と。「知名度が上がり、自分ブランディングにも」とも。

しかし、いわゆる地上波局では無いらしい。「CATV局番組ですが、特長として放映した映像の2次使用を認める」、つまり私のサイトに貼り付けられるらしい。興味を持って費用など尋ねたら、「出演料は無く、制作料として5.8万円かかる」という。「サイトを見ていただければ、今月のご出演者には田原総一朗さんがいます」。

会うことにした。会合の前にそのAさんから電話が来た。「取材のため、自分がいけなくなったので代わりにBがうかがいます」。
現れたBさんが冒頭言った。
「いや、申し訳ありません、Aが扁桃腺炎で40度近い熱で来れなくなりました」。
どうも申し送りが悪い。

「制作費は35万円で、映像使用料が月5万円で最低1年契約です」
つまり、95万円ということだ。配信しているというCATV局は聞いたこともないし、視聴の大半はこの会社のサイト(つまりWeb)に見に来るものだという。月間アクセス数(ページ・ビュー)など聞いても、「開示できる媒体資料はない」とのこと。

一人8分ほどのこの映像に出演(?)している人は400名近くいるらしい。つまり、年4億円ほどの売上げ(?)があることになる。きっと、違法ではないのだろう。田原総一朗氏はどういうつもりで出演されているのだろうか。

2012年6月13日水曜日

NTN社 高木重義社長 談合部長を憎めるか

ベアリング・カルテルでNTN他2社と役員ら7人が公正取引委員会から検事総長に告発される。談合を申告したジェイテクトは免れる見込み。

NTNでは鈴木泰信前社長(現会長)が「談合はけしからん」としていたので、当初談合会議には出席していなかったと言われる。ところが、他の3社会議の後、1社とNTN担当者が会い合意内容が伝えられ、4社はほぼ同時に値上げしていたと報道された。

いずれ事態が進展していけば、高木社長はこの担当者を処分することになるだろう。その時、この担当者に対してどういう思いを持ち、どんな処遇をするか。会社のためを思ってと言うことだったので、「泣いて馬謖を斬る」ということになるのか。表面上は退職などさせて関連会社にポストを与えるのか。

しかし報道が事実なら、私に言わせればこのような担当者を「獅子身中の虫」という。トップが大方針を打ち出しているのに、足元ではそれをゆるがせにしている。この会社ではトップの方針が社員によって軽んじられているか、トップが心にもないことを口に出しているか、どちらかである。鈴木会長の面子も何も有ったものではない。

こんな社員の存在を憎み、放逐することでしか高木社長は経営者としての覚悟や矜持を示すことは出来ない。踏み絵が回ってきた。

2012年6月12日火曜日

三重銀経営者クラブで経営セミナー 「勝ち残る経営戦略はこう立てろ!」

三重銀総研が、三重県の経営者や幹部の皆さんを対象として定期的に開催している経営研修会。6月は「勝ち残る経営戦略」と題して、私が1日セミナーを行った。四日市市でのこのセミナーに登壇するのは2年ぶり。

「戦略カードとシナリオ・ライティング」により、課題解決型の経営戦略立案技法のさわりを展開。とはいえ、5つのステップの内の3ステップを小規模ながら演習して貰い、最後はペア同士でミニ発表もして貰った。

自社に持ち帰って役立てていただければ嬉しい。

2012年6月10日日曜日

『リッツ・カールトン一瞬で心が通う「心がけ」の習慣』 高野登 書評139

リッツ・カールトン高野登さんが、参加者全員にサインして配布してくれた。2011年、日本実業出版社刊。

高野さんを経営者ブートキャンプの特別講師として招聘。本書は参加者に対しての課題図書として指定された。高野さんの演題は「深化するホスピタリティ」。

本書は、リッツカールトンのホスピタリティ経営の中でも、「言葉がけ」にフォーカスしたもの。しかし内容は、ホテルマンやサービス産業のヒト達だけに限らない、素晴らしい話し方教室である。

本書で少し触れられているリッツ・カールトンのクレドのことは、クラスで高野さんは実物を廻してくれて説明してくれた。「言葉の筋トレから心の筋トレへ」など、「至極のホスピタリティ・マネジメント」を主導してきた著者の秘訣の一端に触れられる、好著である。

【実践!戦略立案技術】(22)

派生問題と対処

◆ミニ・シナリオの束が全体のシナリオ・ライティング


「課題の設定」「解決策の策定」「派生問題と対処」は繋がっているステップです。つまり、これまでで「ミニ・シナリオ」がいくつも形成されてきました。これらのカードが並んだものを「シナリオ・ツリー」と呼びます。

 このように、戦略カードの操作によって「シナリオ・ツリー」の形まで到達してくる作業全体が「シナリオ・ライティング」というわけです。

次回は、「作った戦略を発表しよう」に進みます。


「派生問題とその対処」を考えておくことは、新しい経営戦略を導入・実践する場合にとても重要なことです。というの経営は「成功の事前証明」ができないからです。

2012年6月9日土曜日

「ジョン・コッターの企業変革ノート」 書評138(3)

Dan S. Cohen
ダン・S.コーエン達は、序章で既に優れた知見を述べている。まず、「分析の限界」について。
1.大きな真理を発見するのに分析は必要ない。
2.激動する世界では、分析手法は通用しにくい。
3.優れた分析を見たからといって、俄然やる気にはなることはない。やる気とは理性の問題ではなく感情の問題である。

分析手法を重視したマイケル・ポーターを批判したヘンリー・ミンツバーグ(そして私も!)と同じ立場に立つのが、1と2だ。3はコッター達のオリジナルな主張で、その重要性の指摘は正しい。

8っつに分けられた各段階でのセオリー付け、説明にも納得できる。例えば第3段階で、「大きな変革を成功させるための4つの行動指針」として予算、計画、戦略、ビジョンをあげ、それぞれについて解説しているところなどだ。

この章で、大型飛行機の組み立ての効率を上げるために、製造工程が完成しなければ「ポジション」を移動させることを禁じたケースは、私が「極め打ち戦略」として拙著『プロフェッショナルリーダーの教科書』(2011年刊、東洋経済新報社)として説明したものと完全に整合する。

研究手法も、概念の解説も両方優れた良書である。

(この項 終わり)

【実践!戦略立案技術】(21)

派生問題と対処

戦略を実践する際のリスク・マネジメント


「派生問題とその対処」を考えておくことは、新しい経営戦略を導入・実践する場合にとても重要なことです。というの経営は「成功の事前証明」ができないからです。

どんなにさそうな戦略の妙手を思いついたとしても、それは「成功の可能性」でし化ありません。だとしたら「阻害要因」をしっかり予想して、リスクをできるだけ小さくしておきたい。それがつまり、「戦略のリスク・マネジメント」ということになります。

2012年6月8日金曜日

「ジョン・コッターの企業変革ノート」 書評138(2)

ジョン・コッター
企業変革の現場を何回か仕切った私から、コッターの立論を見るとどうか。

まず彼の「八つのプロセス」を掲げる。
1.危機意識を高める
2.変革推進チームを作る
3.適切なビジョンを作る
4.変革のビジョンを周知徹底する
5.従業員の自発的な行動を促す
6.短期的な成果を生む
7.さらに変革を進める
8.変革を根づかせる

秀逸な着眼点は、6だろう。変革やら戦略の本格的発動の初期に「早くも」というタイミングで成果が是非欲しい。これで疑心暗鬼なメンバーも「いけるんじゃあないか」と前向きになる。

また、変革を実践するためには最長3年くらいの短期で1から8まで一気呵成にやらなければならない。

(この項 続く)

2012年6月7日木曜日

「ジョン・コッターの企業変革ノート」 書評138(1)

ダン.S.コーエンとの共著、2003年刊、日経BP社。
企業変革を幾つか実践してきた私からも、本書はこの分野で推薦できる。本書でのコッターの手法に納得感があり、結論にも賛同できる。

研究手法として、130余の組織、計400名あまりにヒアリングをしてまとめたという。方法の開示だけでなく、各章に渡って象徴的な回答ケースを複数示している。それぞれが興味深いストーリーだし、各章での論旨展開を支持している。

このような研究結果の開示は、実はこの手の書物では例外的と言える。多くのセオリー本では、「広汎な研究により得られた新見は、、、」などとしているのだが、その研究の手法やら示例は示されることの方が少ない。そのような場合、著者は何でも好きなことを言えるわけで、実はそんな主張は無効として読まれるべきなのだ。

本書の構成は驚くべきシンプルさだ。序章で既に「変革のための8段階」というコッターの研究成果と主張を示してしまっている。第1章以下は、8段階のそれぞれの解説だ。

(この項 続く)

2012年6月6日水曜日

【実践!戦略立案技術】(20)

派生問題と対処


◆「派生問題」を予測したら、「対応策」カードを切ろう

「最大障害」を想定したら、次には「対応策」カードを選びます。これもやはり複数のカードを出してから選択しますが、前のステップに比べてあまり難しくありません。何しろ自社のことですから、どんなことが起きたらどう対処すればいいかは、見当がつくわけです。

2012年6月4日月曜日

【実践!戦略立案技術】(19)

派生問題と対処

◆「派生問題」の中で「最大障害」カードはどれ?

何か必ず起こるとしたら、事前にそれを予想しておきましょう。

「課題A」というカードに、「解決策」として3枚のカードを選びました。そのうち、「A1」カードを実施したら、どんなことが起こるでしょうか。ステップ5として、「戦略カード出し」であり得る問題をできるだけ多く予想してください。

「カード出し」をしたら、このステップでの「カード選び」は1枚だけで結構です。「選択マーク」をつけ、裏に「理由書き」をすることは今までのステップと同じです。

ここで1枚選んだカードのことを「最大障害」と呼びます。この定義は、「その障害を克服することができれば、その解決策はほぼ実現することができる」というものです。

(この項続く)

2012年6月2日土曜日

リッツ・カールトン 高野登氏 経営者ブートキャンプに登壇

「究極のホスピタリティ」経営を示現したとして広くリスペクトされているザ・リッツ・カールトン。その日本支社長を務められた高野登氏を、経営者ブートキャンプの特別講師として招聘した。
本講は一般公開ではないが、経営者ブートキャンプのOBには開放とした。OB多数が参加してくれた他、新将命(あたらしまさみ)特別講師も聴講。高野さんと新さんのコメントの交換などは、とても贅沢なパネル・ディスカッションとなった。

懇親会にも高野講師は参加してくれた。OB及び現役受講生達は、その後も2次会と称して夜の街に消えていった。「経営者の梁山泊」は強固に形成され続けている。

【実践!戦略立案技術】(18)


派生問題と対処

◆戦略には「派生問題」が不可避


「経営戦略」のことをは「や方」と呼んでいます。「新しい戦略」とは「新しい仕事のやり方」なわけですね。

今までと違うやり方を導入しようとすると、その組織には必ず力学的あるいは化学的な反応が生まれます。中には、その戦略に対して阻害要因となるものも当然あるわけです。新しい戦略を自社の中で展開しようとすると、必ず何か問題が起こることを覚悟しておかなければなりません。

2012年6月1日金曜日

【実践!戦略立案技術】(17)


派生問題と対処

「戦略カードとシナリオ・ライティング」による戦略立案を5のステップで展開してきました。今回は最後のステップとなる「派生問題と対処」についてお話しします。


ステップ1       目標の設定       「3年目標」のカード出し、選定、理由の裏書き
  (一人ブレーン
  ストーミング)
ステップ2       目標合意         資本家、役員会など
  (コミュニケータブル)
ステップ3       課題の発見        カード洗い出しから重要課題、理由の裏書き
  (気づき)
ステップ4       解決策の設定      課題それぞれにカード出し、重要カード、理由、
  (思い付き)                     戦術カード
ステップ5       派生問題と対処     重大障害と対処策カード
  (リスク・マネジメント)

2012年5月28日月曜日

部長力強化公開セミナーをSMBCコンサルティングで

5月26日は SMBCコンサルティングで終日公開セミナー。

定番となってきた「部長力強化セミナー」と銘打った1日コースである。いつも、地方から新幹線やら飛行機で参加していただく方がいて有り難い限りだ。SMBCコンサルティングも、そんな参加者達の利便性を図って、今春から東京駅の八重洲口に会場を移してくれた。

午前中の3時間は、「経営戦略の立案と使い方」。「戦略カードとシナリオ・ライティング」技法で、実際に自社・自部門の戦略を模擬的に立てて貰い、ペア発表をして貰う。発表用テンプレートのパワーポイント・ファイルのメール送付希望を取ったら、全員が「欲しい」と。実際に帰社して実用にして貰える部長がたくさん出てくれると嬉しい。

午後は、「効果的なコミュニケーションの取り方」を3時間。部長や部門責任者が、チームメンバーに如何に近づけるか、「現代のリーダーシップはコミュニケーションにあり」という私の持論により、その具体的な技法を解説、演習して貰った。

2012年5月27日日曜日

社長の家庭教師 好評 銀行勉強会(企業再生担当者)で講演(4)

「社長の家庭教師」というべき個人指導型プログラムは、三本の柱で構成されている。

3本目の柱はスライドを使った講義だ。山田流経営成功のエッセンスである「繁栄の黄金律」の、次の4つの構成要素を各回に分けてお話しする。
― コミュニケーション
― 成長戦略
― 組織効率
― モチベーション

これらの講義を通じて、経営最高責任者としての「自覚と責任」を肝に銘じても貰う。

(この項 終わり)

2012年5月26日土曜日

「経営者ブートキャンプ」実録日記第15回 無敵の特別講師陣は今期も健在

経営戦略はこう立ててもらう
5月12日の第1講が始まる前に、参加者に知らせて『雇われ社長のプロの仕事術』(拙著、ぱる出版)
を事前課題図書として読んできて貰った。
ブートキャンプでの課題図書の例として、特定の章だけを指定して読んできて貰う。


続きはこちらから↓
http://bit.ly/KKflvk

2012年5月25日金曜日

社長指導 好評 銀行勉強会(企業再生担当者)で講演(3)

「社長の家庭教師」というべき個人指導型プログラムは、三本の柱で構成されている。

2本目の柱は、「3年企業戦略」を実際に立てて貰う。「戦略カードとシナリオ・ライティング」を各回で走らせ、各ステップを宿題で仕上げて貰う。最後には発表会を行う。今回のケースでは、次期社長が決まっている常務が、現社長である父君(オーナー)に対して行う、という段取りだ。発表のための、テンプレート・ファイル(パワーポイント)にカードを書き写して貰い、私がメール添削する。

実際に本格的に戦略を立てて貰うので真剣になるし、発表もするのでフォーマルなものだ。だから真剣に取りくみ、その過程を通じて「経営者としての自覚と責任」も高まっていく。

(この項 後1回)

2012年5月24日木曜日

トヨタ インド50万円車 「イノベーションのジレンマ」克服できるか

タタ社ナノ 欧衝突テスト合格
トヨタが別ブランドを作って、インドで50万円台の車を開発・製造・販売するという。

インドでは地場メーカーのタタ社が20万円台のナノで市場を席巻して以来、外資各社もアルトなど30万-50万円台の車種を投入している。トヨタにはそこまで安価なラインが無かった。

問題は、トヨタが自社で工場を立ち上げ、開発するということだ。「安全や環境面への配慮はしつつ」としているが、そう言うからこそ価格優先を貫徹できるのかということだ。結局は「トヨタ品質神話」に絡み取られてしまうのではないか。

こういう場合、トヨタのDNAを持続することは、戦略的な一貫性を阻害する。解決策としては、地場インドの車メーカーを買収して作らせることだ。しかし、インドにはタタ社の他には適した車メーカーは無いのでは。中国には地場の安価自動車メーカーが三桁も存在するという。戦略好適な解決策としては、中国の安価自動車製造メーカーを買収し、そこをインドに進出させるという方が成功の可能性は高い。

社長塾 好評 銀行勉強会(企業再生担当者)で講演(2)

「社長塾」というか、「社長の個人指導」型プログラムは、三本の柱で構成されている。

1回は3セッションで構成され、それぞれが1.5時間。負担感を与えないため、ランチ前に1セッション、ランチ後に2セッション(その間も30分の休憩)。ランチと休憩時間中は、私と社長は同席しない。1日中指導を1対1で受けていると、相当な圧迫感を醸し出しかねない、それを避けようという配慮だ。

1つのクラスでは、事前あるいは前回に与えられた課題図書の感想を発表して貰い、それをきっかけとして経営論を交わす。どんな経営書を読んで貰うかは、その社長さんの状況による。感想文を書いて貰う書式も決まっていて、負担感のないモノとして対象範囲も図書の特定2章が指定され、A4書式1ページ以上「書いてはいけない」という仕組みだ。

本は無限に出版されているわけだが、読書習慣が無かったり、あっても試行錯誤的に読み散らかしていて、「本当にこの社長がこの段階で読むべき本」は見えていない。それを読んで貰う。拙ブログ書評で取り上げた本だけでも140冊ほどあるので、その選択には不自由しない

(この項 続く)

2012年5月23日水曜日

経営塾 好評 銀行勉強会(企業再生担当者)で講演(1)

「経営塾」と銘打って展開しているプログラムがある。同族企業で、常務がご長男。社長承継を前に、経営力をしっかりさせておきたい、とのこと。依頼はご父君。  メインバンクに相談され、銀行から私が依頼を受けた。6回コースを組み、3回を終了したところ、常務の経営に対する取り組み方、社内コミュニケーションなどに顕著な変革があり、私も喜んでいる。何より、目の色が変わった。「責任と自覚」が起動して「自分がやるんだ、今こそやるんだ」と言ってくれ始めた。
銀行の担当者が、「こんなに効果があるプログラムなので、是非他の支店の担当者にも紹介させて欲しい」とのことで、昨日銀行内講演を行った。その銀行には企業再生案件担当部署がありそこの担当者の殆ど、40名ほどが出席してくれた。

このプログラムの三つの特徴を説明したのだが

(この項 続く)




2012年5月22日火曜日

国際経営戦略研究学会 5月の研究会に出席

国際経営戦略研究学会に出席。5月21日(月)の戦略経営・理論・実践研究会では二つの報告があった。司会は丹沢安治氏(中央大学)と歌代豊氏(明治大学)の両教授。
第1報告者 志田崇氏 (株式会社東芝・北海道支社・電力部 火力・水力原子力担当・課長)
報告テーマ「電力業界におけるバリューチェーン革新の研究-クローズドシステムからオープンシステムへの転換」
第2報告者室勝弘氏(リコージャパン株式会社取締役)
報告テーマ「デジタル化時代における地方放送事業とCATV事業の生き残り企業戦略」

お二人とも企業人だが、学会報告ということで博士論文の梗概ほどのご準備を成されてきた。発表スライドもそれぞれ40ほど、しかも詳細なモノである。

第2報告で「CATV事業所が全国に560ほどもある」ということと、「水平統合、垂直統合、法規制要素など諸要素がありこの業界がどのようになっていくのか、不分明である」というポイントについて質問させて貰った。質問と言うよりコメントか。

「560ほどもプレイヤーがいて、フラグメンタルな競争状態である。誰か馬力のある企業家が出現してビジネス・モデルを策定して業界を統合してしまうようなことも有り得るのではないか」

昔、弱小業者が群生していた旅行業界を、業界団体的にまとめ上げたビッグホリデーの岩崎安利社長のことが念頭にあった。

「山田修の経営者ブートキャンプ実録日記」 連載再開

経営者ブートキャンプの第5期が開始した。以前に書いていた連載を再開した。

今回で5回目を迎える経営者ブートキャンプ、GW明けの気持ちいいスタートとなった。
社長が5人、外資3人、コンサル一人
5月12日(土)に第1講がキック・オフ。定員10名に対して1名増員して11名の申し込みを受けていた。寸前にお二人が、海外出張などで2回は欠講となるということで、来期への移行を希望。結局9名での船出となった。

(続きは下記URLで、会員登録は簡単にできる)
http://keieisha.co.jp/club/member/

2012年5月20日日曜日

八甲田山遭難とリーダーシップ


九段クラブ5月19日(土)隔月例会で、I会員が「八甲田山踏破に挑んだ先人に学ぶリーダーシップ」と題して発表してくれた。数十に及ぶスライドと豊富な資料の準備に圧倒された。

「八甲田山死の彷徨」(新田次郎、新潮社)を、実資料とを付き合わせ、小説(創作)化された部分を明示。雪中行軍訓練と調査が実施された背景と経緯をつぶさに報告してくれた。

もちろん、一番の関心はほぼ全滅してしまった青森隊と全員生還した弘前隊の分析と比較だ。準備と、そして何よりリーダーシップの違い。さらにシャクルトン(南極遭難で全員生還)から著名なリーダーシップ論にまで触れて、充実した発表となった。

ちなみに私も、本ブログで上記小説の書評を行っている。次のURL.
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2010/11/blog-post_21.htm

2012年5月19日土曜日

幹部研修・役員研修 誰が教えている?

研修課長の悩みは、幹部研修である。

昨日終了したのは、社長以下役員9名を対象とした4日間の研修(部門別戦略立案を実際に策定する)だった。
懇親会で、皆さんからお話しいただいたこと。

「管理職対象に、リーダーシップ研修を月1頻度で実施中。著名研修会社がやってくれているのだが、この先生が30代後半?一生懸命やってくれるし、教材などは整備されているのだが、いかにも受け売り。自分で実践してきていないことは明白で、私たちレベルでは今更聞くことが、、、」

部長研修以上になると、対象者は能力開発が進んでいるし、経験も積んできている。その意味で、昨晩の懇親会で皆さんから異口同音に
「こんな研修は全く初めてのことだった」
と言ってもらえて大いに面目を施した。

2012年5月18日金曜日

役員への戦略立案指導研修終わる

経営戦略立案指導を年商50億円ほどのとあるメーカーに実施。CEO社長と役員8名への、計4日間(3ヶ月に渡る)指導が本日終了した。

今回は、全社戦略ではなく8名の幹部にそれぞれの部門戦略を立てて貰った。前回終了後、途中までの戦略パッケージをパワー・ポイントのテンプレート・ファイルに書き込み提出して貰っていた。各人へのメールによる添削指導を経て、本日は4名x2の小グループで討議して貰う。つまり、各部の部門戦略3年実践案を他部門の役員3名に批判、助言して貰う。その合間に「組織戦略策提示の注意」「モチベーションとコミュニケーション」の講義セッションを各1時間ずつ。

終わって夕刻からの懇親会に招いて貰う。社長以下、全参加者の満足度は非常に高かった。気持ちのよい仕事が出来て私も大満足。

「ザッポス伝説」 トニー・シェイ 書評137(4)

ザッポスの成長・成功は品揃えとシューズネット通販で先行した要素の方が大きい?
Reseller Ratingsというサイトは、北米における多くのネット通販に対する顧客のコメントを集めている。ザッポスに対しては、今日現在248コメントがアップされている。星1から星5つまで。もちろん星5つのモノも多いが、星が1や2のモノも少なくない。天の邪鬼な私が、その一つを簡訳紹介する。

ザッポスについて沢山のよいことを聞いていました。しかし、初めて使ってみて、そういういいことを言う客がいることにショックを受けました。
私は自分の誕生日(28日の水曜日)のためにブーツを発注したのが前の週の火曜日(20日)でした。26日の月曜日には着くはずでした。

発送通知メールが来ないので、当方からメールで問い合わせてみると、26日現在発送されていない、とのこと。私は何度もメールを送り、誕生日のためだと知らせたのですが、翌日配送にアップグレードは出来ないとの返事。「次の機会に使えるクーポンを出す」、など。こんなコトの後で、2度と注文出すと思うの?「27日には着くように出荷します」とメールが来たが、着いたのは29日だった。担当者からは、「出荷日を変更することに気がつかなかった」と。

29日に着いたブーツを見ると、左右のサイズが異なっていた。それから12回メールを出した。やっと新しいブーツを送ってくれた。入手できたのは、最初の発注から2週間後。こんな非道いサービスの会社だと知っていたら、決してザッポスを使わなかった。
http://www.resellerratings.com/store/view/Zappos/page/3

(この項 終わり)

2012年5月17日木曜日

「ザッポス伝説」 トニー・シェイ 書評137(3)

幸せをEコマースが顧客に伝える?
トニー・シェイが実質的創業社長として開発、深化した経営哲学は、「幸せを届ける会社」ということだ。企業文化として、従業員に対してはそれは実現されたらしい。この本にも種々のオフィス現場での描写から伺われるし、ザッポス社もこの点を発信することに腐心している。その結果、毎年に渡り「働きたい職場ランク」の常連となってきた。

しかし、それと同じ「幸せの体験」をネット通販の会社が顧客に対してどう実現するのか。同社の「10の哲学」の筆頭が
「顧客にWoo!を与える」
だ。Woo!とは予期せぬ驚き、それも喜びに満ちた驚きなのだが。

問題は、同社がネット通販の会社ということだ。それは、顧客との接点が少ない。顧客側とすれば、販売会社との接点など少なくすんでしまう方が満足度が高いというビジネス構造だ。濃密な顧客接点を有する、例えばノードストリームやリッツカールトンなどと対極のビジネスな訳だ。トニー・シェイが本書で宣言し目指している目論見は顧客側ではどう評価されているか、次回に書く。
(この項 後 一回)

2012年5月16日水曜日

「ザッポス伝説」 トニー・シェイ 書評137(2)

CEOトニー・シェイによる教宣書
本書の構成は大きく三つに分けられる。

まず、初めはexザッポス創業時代の、著者の生い立ちであり、ビジネス歴だ。企業家にふさわしいユニークな経歴(親が移民、子供の頃からのビジネス実践、ハーバード卒、最初の会社を24才で売却、億万長者になど)。

第2弾は、初期投資したザッポスが順調に立ち上がらず、経営者として全面参画し、キャッシュ・フローのために全財産を投入するなどのめり込んでいく。何度も倒産の危機や修羅場に遭遇し、それを乗り越えてザッポスもトニーも成長していく。ここのところが一番おもしろい。企業小説かと思うくらいスリリングだ。

第3部が、トニーが辿り着いたザッポスでの経営哲学と、その徹底的な実践だ。いわく、「幸せを運ぶ会社に」という。実は、この部分では私は例によって大分懐疑的だ。

(この項 続く)

2012年5月15日火曜日

エニグモ社 須田将啓CEO サハラスーパーマラソン完走

須田さんは、経営者ブートキャンプ第1期生。凄い、おめでとう!須田さんのブログの1部を転載させて貰う。

須田
サハラ砂漠250Km無事完走し、
本日、ようやく日本に帰ってきた。
冗談抜きで体力的には人生で一番過酷な1週間だったと思う。
80Kmのナイトランでは、荷物を背負って山をのぼり、砂丘を超え、
ノンストップで夜中にベースキャンプに戻ることができた。
暗闇の中、ゴールゲートが浮かび上がってきた時には感動した。
ただ、その最中、熱中症防止で塩分を取り過ぎたことと
疲労困憊のため、人生初の血尿も経験した。
汚い話だけど、デミグラスソースみたいなドス黒ささと量の多さに焦った。
9日間、砂漠にいて、貴重な水を使わないように、

(以下、須田さんの4月18日付けブログへ)http://www.enigmo.co.jp/blog/suda/

「ザッポス伝説」 トニー・シェイ 書評137(1)

創業からエグジットまでの修羅場伝説

ダイヤモンド社、2010年刊。ザッポス社は靴専門のオンライン通販サイトとして大成功してアマゾンに買収された。株式交換によるアマゾン傘下入りとは言え、トニー・シェイ以下社員株主にとっては大成功となったエグジットである。

本書は、まずとてもおもしろい本だ。ビジネス書としての域を超えたおもしろさの企業家ストーリーである。トニー・シェイは当初、ザッポスの創業時の投資家だった。しかし、ザッポスの経営が順調に立ち上がらないことから、CEOとして経営参画し、やがてそのキャッシュ・フロー対応でシェイ個人の資産の殆ど全てを投入してしまう。文字通り背水の陣を敷いたし、レイオフなどの痛みや綱渡りのような修羅場が、経験した本人で無ければ語れない迫力で描出される。

(この項 続く)

2012年5月12日土曜日

ポストMBAプログラム 経営者ブートキャンプ

丁度前期の卒業生が、ブートキャンプのサイトにコメントを寄せてくれたので紹介する。

私は、再生企業CFOなどを経た後、いまの会社で幾つかの事業責任者をさせて頂いて参りました。情報をフレームワークに落とし込み整理し、戦略らしき資料をこさえる作業にはMBA修学時から慣れてはいましたが、それだけでは解決に至らないもどかしさを感じていました。

そんな折、事業責任者を務める新規事業の次の成長戦略を描きたいと考えていた時、経営者ブートキャンプを知りました。組織コミュニケーションを通じてクリエイティブに戦略を立案する山田式は全く趣きが異なり、浸透と実行、そして結果にフォーカスしている大変実践的なものでした。また、実際の成果を出してきた講師の方々には確たる哲学と強い想いがあります。ともに学ぶ受講生には熱い夢があります。 少人数のなか、こうした想いにインスパイアされるブートキャンプは素晴らしい学びの場であり、ポストMBAの場としても相応しいものだと考えております。
https://www.keieisha.jp/kbc/#03

経営者ブートキャンプ 第5期 盛況にキックオフ

経営者ブートキャンプの第5期が盛況の内に本日スタート。これから9月まで6講が開催される。今回も国内企業社長、外資事業部長クラス、コンサルタントなど多彩な参加者が集結してくれた。女性参加者も。

2012年5月11日金曜日

村上龍 「カンブリア宮殿」で戦略を語る

村上 龍
富士フイルムホールデング社長の古森重隆社長が「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)に出演(5月10日)。今年は、写真フィルム業界で長く世界の巨人だったコダックが倒産したこともあり、同社の大躍進というか変身が一層注目されている。コダックの倒産については私も「イノベーションのジレンマの呪い」というタイトルでブログに解説した。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/01/blog-post_5866.html

昨晩の「カンブリア宮殿」で私の印象に残ったのは、しかし村上龍の最後のまとめだった。
「企業の変化、変革を作り出すために必要なのは新しい資源ではない。資源・技術・人材の再編であり、それらの最適配置である。
それを実現するには、考え抜く以外の方途はない」

これは、経営戦略の本質を見事に表しているではないか。さすが文学者にして当番組のホストを務めているだけのことはある。

【実践!戦略立案技術】(16)


解決策の策定
◆「気づき」と「思いつき」


「ステップ3:課題の発見」で大切だったのは「気づき」でした。自分の会社の経営で、一体何が重要な問題となっているのか、それをしっかり認識するために「戦略カード」を走らせたのです。

今回の「ステップ4:解決策の策定」で重要な資質となるのは、「思いつき」です。とある経営課題に対しての解決策というのは、理論的には無限に存在します。その中で一体、いくつ思いつけるのか。「有効な解決策」というのは、思いついた中からしか絞り込めせん。

経営戦略の立案で辛いところは、「有効性の事前証明」ができないことです。これは経営が社会科学の範疇である以上、仕方がありません。このため、ステップ4ではどれだけ他者を説得できる蓋然性の高い「解決策」にたどり着けるかが、勝負となります。

次回は「ステップ5:派生問題と対処」に進みます。

2012年5月10日木曜日

リッツ・カールトン 高野登氏 経営者ブートキャンプに6月2日(土)登壇

「究極のホスピタリティ」経営を示現したとして広くリスペクトされているザ・リッツ・カールトン。その日本支社長を務められた高野登氏を、経営者ブートキャンプの特別講師として招聘した。高野さんは5月から始まる第5期経営者ブートキャンプで、ホスピタリティ経営の神髄について講義していただく。登壇は6月2日(土)となった。

本講は一般公開ではないが、経営者ブートキャンプのOBには開放とした。昨日告知したところ、早速多くのOBが参加希望。夕刻は、講師、第5期参加者、OBとの大懇親会を予定した。「経営者の梁山泊」「志のある経営者・幹部のネットワーク」を強化していく。


第5期で登壇いただく特別講師は他に、
新 将命 氏 (元ジョンソン&ジョンソン社長)
出口 治明 氏 (ライフネット生命 社長)
井上 和幸 氏 (経営者JP 社長)

の各氏を予定している。いずれも複数の著書をお持ちの著名な経営者の方々。私を入れて、全員で50冊以上の著著がある。「経営者が教える経営者のための経営者ブートキャンプ」の異名にふさわしい顔ぶれと自負している。

電気自動車 充電規格戦争で欧米連合に一敗地に

電気自動車では、トヨタなどの日本勢が遙かに先を走っていると思っていたが、思わぬ「搦め手」から反攻され始めた。

従来の日本式充電規格(チャデモ)では、車側に二つのプラグ(差し込み口)があり、30分で8割の充電を行う。それに対し新発表されたコンボ規格では、1プラグで最短15分で満タン充電となるという。

コンボ規格は、GMやダイムラーなど欧米の主要8メーカーが採用するともいう。これが問題だ。規格戦争が仕掛けられたと言ってよい。このままでは、日本規格は例によって「世界のガラパゴス」となってしまう恐れがある。充電装置口や充電インフラなど、相互利用は望めないような成り行きとなるだろうからだ。

フィリップスの日本子会社の社長時代に痛感したことだが、欧米、とくにヨーロッパの企業の「我が田水を引く」規格戦略は恐ろしいものが有る。せっかく日本メーカーが技術的に先行したとしても、世界規格を設定することにより、先行技術を引きずり下ろすか使えなくしてしまう。十数世紀にわたって国や国境までをやりとりしてきたヨーロッパ人の外交感覚は恐ろしく高い。そして、人種的なモノもあって、いつもアジア人、アジア企業を排斥・不利にしようと衆謀しているのだ。

グローバル展開を目指す場合、この「国際規格設定の罠」があることを常に注意しておかなければならない。日本経済新聞記事のURLを掲げる。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2EAE2E1888DE2EAE2E7E0E2E3E09494E0E2E2E2

2012年5月8日火曜日

【実践!戦略立案技術】(15)

解決策の策定
◆有効カードを選び出す

カードが出きったら、すべてを机の上に並べて、「似たもの集め」をしてみましょう。その過程でまたカードが出てきたり、複数のカードが集約されてきたりもします。

「カード選び」のステップは、複数の幹部とグループで行ってもいいでしょう。ただし、その場合も「カード出し」は事前に個々人が個別に行い、それぞれのカードを持ち寄るのが重要です。

ステップ4では、最も有効と思われる「解決策カード」を数枚選び出し、選択マークと選択理由の裏書きをするのがゴールとなります。各課題につき、それぞれ数枚の「解決策カード」ができるということです。

2012年5月7日月曜日

ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(8)

マイケル・ポーター
マイケル・ポーターに読ませて欲しい

河合教授は、巻末近くに「ダイナミック競争戦略の7原則」を掲げ、その中で「リーダーシップの重要性」を指摘されている。まことに当を得たご指摘だ。どんな戦略を企業が選択しようとも、経営者の覚悟-つまり強いリーダーシップ-が無ければ、それらの経営戦略は全く機能、あるいは始動さえしないだろう。

この点を含め、本書はそもそも「ポーター理論の7つの謎を解いて学ぶ」と副題で謳っている。一番本書を読んで欲しいのが、私はマイケル・ポーターである。

河合教授はもうご検討のことと思うが、早い機会で英語による北米でのご説発表を切に願う。河合ダイナミック戦略論に対するポーターからのコメントや反論など是非読んでみたいモノだ。

(本項、終わり)

2012年5月6日日曜日

【実践!戦略立案技術】(14)

解決策の策定
◆「解決策」のカード出し

1つの課題に対して、「戦略カード」を使って、できるだけ多数の「有り得る」解決策を書き出してみます。例によって、「1枚のカードに1項目、1つの短い文章で」の原則で、思いつく限りの解決策を絞り出してみましょう。

「カード出し」を行っているときは、「どれが有効か」「そんなことが可能なのか」「それを採用したらこんな問題が出てくる」などということを考えてはいけません。有り得るアイデアを「一人ブレーンストーミング」で絞り尽くしてください。

作業の性格上、「カード出し」はいつでも一人で、邪魔が入らない環境で行ってください。3つの課題に対して、それぞれカードを20枚くらいは出して欲しい。結局、1日がかりの作業となるはずです。

2012年5月5日土曜日

現代自動車 鄭夢九会長 極め打ち戦略の経営者

現代自動車の鄭夢九(チョンモンク)会長は端倪すべからざる企業家だ。

売上げが伸び悩んでいた1998年に「10年、10万マイル保証」という大胆なというか、当時の同社としては背水の陣を敷いたような戦略を採用した。

このプログラムは、北米消費者に信頼を与え、同社の大躍進の起爆剤となった。しかし、効果は対外的なものだけではなかった。組織全体に緊張感を与え、品質改善だけでなく、意識改革をもたらした。

同会長が断行したのは「極め打ち戦略」と私が名付けたモノであって、その定義は、次となる。

「特定の重大な課題を徹底的に解決しようとすることによって、その課題を取り巻く複数の分野で大きな改善に至り、その結果、全社的な業績の改善やビジネス・モデルの改善に至るような戦略である」
(『プロフェッショナルリーダーの教科書』32ページ、拙著、東洋経済新報社)

2012年5月4日金曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(7)

ジャック・ウェルチ
純粋理論と実用技術(2)

河合教授は、「ダイナミック戦略のタイプ」として、12もの戦略タイプを掲げられた(表6-1)。精緻に構成されたセオリーはしかし、実用の場面ではより厳密な理解と選択を要求することになる。

どの戦略タイプを選ぶかの一つのツールとして、「ダイナミック競争戦略の経営プロセス」(表7-4)をまとめられている。表7-4は、「INPUT」と「OUTPUT」により構成されている。もちろん、前者を入れた後、後者を得よ、というフレームワークである。しかし、前者を埋めても必ずしも後者が形成されるわけではない。

問題は、上記のこれらの作業を、通常の経営実務家CEOが遂行していけるのか、というコトだと思う。経営学を専攻しなかった圧倒的多数の世の社長には無理な作業だとしたら、戦略専門スタッフを置くことになるのか。ダイナミック競争戦略は、戦略専門スタッフか、戦略ブティック系のコンサルタントには駆使できるかも知れない。しかしそれを提案説明される経営陣側では「経営の共通言語」となりえないという至難性が予想される。

GEには長くBSUごとに「戦略マネジャー」が置かれ、彼らの戦略立案によってBSUの経営が差配されたという。CEOとの役割分担や優先順位、そして時間的な遅滞などの弊害がさぞ大きかったのではないかと、CEO職を勤めさせて貰った私には思える。果たして、あの大経営者ジャック・ウェルチがその職制を一掃したわけだ。

(この項 あと一回)

2012年5月3日木曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(6)

純粋理論と実用技術(1)

アインシュタインが相対性理論を構築したとき、もちろんエンジニアリング面などでの援用などは考えもしなかっただろう。セオリー構築とは純粋に理論的に遂行されるものだ。

経営戦略セオリーの場面におきかえると、私はエンジニアー経営実務家-なわけだ。また私が日々指導している経営者や幹部のことを思い浮かべると、「ダイナミック競争理論」をどう彼らの実務に落とせるかと思ってしまう。本書で展開されているセオリーを理解できるには、少なくとも下記の素養が必要だ。
  1. ポーターの競争セオリーに対する知識。
  2. それを、価格・差別化直線にグラフ化されて理解。
  3. 消費者満足曲線と需要構造の理解。
  4. PLC(プロダクト・ライフサイクル論)との適合戦略の理解。
  5. 双曲線を含む複雑な幾何グラフ造形の理解。

マイケル・ポーターで言えば、「競争優位」という単語とその概念は広く知れ渡ったと思うが、その競争戦略セオリーの2項対立的な構造は、経営実務家には殆ど理解されていないのが実情だ。

(この項続く)

「プロフェッショナルリーダーの教科書」書評が 書評138

「プロフェッショナルリーダーの教科書」(東洋経済新報社、2011年刊)は、経営者ブートキャンプでの授業をまとめた本だ。私を含む5人の講師のそれぞれの講義を1章として著述されている。
http://www.amazon.co.jp/dp/4492532870


各方面でご評価を頂いてきたが、「創意とくふう」誌2012年4月号で2ページに渡って紹介された。同誌は、カイゼン運動の総本家のような存在である日本HR協会が発行している。
http://www.hr-kaizen.com/