2020年6月27日土曜日

子会社売却で「いきなり!ステーキ」に特化 ペッパーフードサービスは再生できるか(2)

ペッパーフードサービスは、18年度は1億2100万円の赤字、19年は約27億円と赤字が拡大している。さらに4月30日、新型コロナウイルスの影響で2020年12月期第1四半期(1~3月)の決算発表の延期を発表した。
「開店から15カ月以上経った店を既存店と言います。『いきなり!ステーキ』の既存店は、昨年の夏から毎月3割以上減り続けているのです。そこへ新型コロナでさらに売上が悪化しました。ペッパーフードサービスの売上は、いきなり!が84・6%を占め、ペッパーランチが13%、残りはレストランや通販になっています。メイン事業のいきなり!は売るわけにいかないので、ペッパーランチの売却を考えたわけですね。実際、今年4月から売却準備を進めていて、ペッパーランチを6月1日に子会社に移しました。売却しやすくするためです」
 ペッパーランチの売却額は、100億円を見込んでいるという。

舵取りを誤る

 なぜここまで赤字が拡大したのか。
「ひとつは、『いきなり!ステーキ』の急速な店舗展開にあります。2013年に1号店を開店し、それから急速に拡大しています。17年末には188店、18年末は397店、19年末は493店と、わずか6年で500店近く増やしています。フード系で500店といえば、大規模チェーン店です。普通は20~30年かけてその規模にします。6年間でこの数は早すぎです。しかも、いきなり!は18年4月から対前年同月比でずっとマイナスが続いているのに、18年は200以上も出店しています。経営の舵取りを誤っていますね」
一瀬邦夫社長はシェフ出身という。
(この項 続く)

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