「コンビニは2社しか生き残れない」とは、ユニー・ファミリーマートホールディングスの上田準二社長の持論だ。そうだとしたら、ローソンにはまさに危急存亡の鐘が鳴り響き、親会社としてはなりふり構わないトップ人事と資本政策を展開し始めたとみるべきだ。
玉塚氏がローソン社長に就任したのは14年5月のことだった。ローソンで長年看板経営者だった新浪剛史氏が同年10月にサントリーホールディングスに転出するために抜擢したのである。そもそも10年に玉塚氏をスカウトしてきたのも、サントリーへの転出に対応するために打った新浪氏の密かな布石だったと私は見ていたし、予言していた(「サントリー新浪社長、就任まで4年越しの深慮遠謀」本連載記事2014.11.24)。
しかし、玉塚氏の社長就任に危惧を抱いた親会社・三菱商事は、“保険人事”によってリスク対応とした。すなわち竹増氏を代表権のある副社長として送り込んだのである。三菱商事で畜産畑時代の直属上司には現社長である垣内威彦氏がいて、ローソンに移る直前には小林健社長(当時、現会長)の秘書を務めていた。竹増氏は三菱商事のこれ以上ないメイン・ストリームを歩いてきたエース人材なのだ。
(この項 続く)
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