親会社に外様経営者を疎む気配があり、玉塚氏本人は以心伝心で挫けることがなかったのか。難関の局面にきて、阿吽の呼吸で三菱商事側に経営権を禅譲してしまったのではないかと私は見ている。
社長に就任したとき、玉塚氏は素敵だった。「17年度には連結営業利益1000億円を目指す」(14年3月24日社長交代会見)とした。しかし、現見込みでは720億円である。「誰とでも一瞬にして打ち解けることができる。それこそが玉塚の最高のスキルである」(「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/14年11月22日号)と評された。
同じ記事の副題はしかし、「負け続けたプリンス」だった。慶応義塾大学時代にラグビー部でキャプテンを務めて、学生選手権や全日本などではいつも決勝で負けてしまったことも揶揄していた。コンビニ最終戦争がやってきたまさにこの時、この修羅場で戦うことができない、そして結局勝ちきることができない経営者だったのだろうか。
(この項 続く)
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