2016年7月3日日曜日

カリスマ・孫正義と柳井正は、後継者を育てることなど不可能である…鈴木敏文の失敗(5)

カリスマの後継はそのときの成り行き


 FR-MICや星野リゾートが展開している幹部研修プログラム『麓村塾』にしても、後継経営者の発掘あるいは教育を標榜している社内プログラムは珍しくない。しかし、そんなことをしても実はカリスマ経営者の2代目をつくることは不可能だ。ほとんど再現できないような人材だからこそカリスマ経営者であり、同じような人材がもうひとり同じ組織から発見できると期待してはならない。従業員をいくら教育しても、せいぜい幹部教育として実を上げられるのが限界である。

そんな限界をカリスマ経営者自身が実はよく理解している。あるいは直感している。そして逆説的にいえば、そんなことが難しいと思うからこそ、後継育成プログラムなどを整備したがっているともいえる。

 カリスマ経営者の後継育成、指名プロセスでうまくいったのが、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチだろう。ウェルチは退任前の数年間にわたって4名の後継者候補を公示して、その4人を徹底的に競わせた。その結果、ジェフ・イメルト現会長兼CEOが勝ち残り、後継となり現在に至っている。そして就任以来同社の業績を伸張させてきている。

(この項 続く)

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