川端康成『文章読本』を教材にして始まった大野晋クラスだった。
ところが、クラスが始まり第2講目で大野先生が
「これは全く駄目ですね、使えません」
と、言い放ち教材変更を宣言された。川端文章読本を大野先生も私たちと一緒にクラスのために初めて紐解いたらしい。それなりに楽しみになさっていたのだろう。
丸谷文章読本によると、川端のそれは代作だったという!それでは川端文学のあの瑞々しさの秘密が顕されたわけがない。
大野先生は代わりに、谷崎文章読本をテキスト選択され、それをクラスで読み始めた。
「谷崎はやはり大したものだ」
と、大いにご満悦だった。
実は、、、
(この項 続く、しかし飛び飛び)