2013年10月22日火曜日

『不本意な敗戦 エルピーダの戦い』坂本幸雄 書評183(5) 吼える破産経営者

エルピーダ社が更正法適用申請に至った原因として、坂本氏は大きく二つを挙げている。

1.メインバンクを作らなかった。その結果絶対的な債権者ではなかった政府投資銀行から、提携先を見つけるよう期限付きで突きつけられた。

2.対ドル80円にまでなった円高下での日本国内生産。

2番から先に指摘すると、本書によれば実際は台湾の工場で生産を行っている。世界最大のDRAM工場であるレックスチップ・エレクトロニクス社を合弁で2006年に設立、稼働させたと。国際生産を大規模で行っていた以上、国際的な為替の変動に対抗できるような手を打てたはずで、それが国際的経営者というべきかと思う。

1番について言っても、金融機関は彼らなりの行動規範があるので、それを認識して対応するか、しっかりしたCFOを置くなど対処すべきだった。坂本氏がもし中小企業のオーナー経営者だったとしたら、、、

(この項 もう1回)