2019年1月14日月曜日

密かに増加の「ブランディング出版」、単なる企業広告より絶大な効果?その仕組みとは?(4)


自費出版とは自腹で本を出すこと


 著書を出版するのは、ビジネス的に大きな好影響がある。自社の商品やビジネスについて知ってもらう、また、それを創業したり責任者として展開している経営者自身を知ってもらい、親身な感覚が読者に醸成される。特にコンサルタントや士業(税理士、会計士、弁理士など)の専門家にとっては、著書があるのとないのとでは、その権威付けに大きな違いが出る。

 また、私が指導してきた経営者のなかには、いくつかの会社を任されてきたプロ経営者が何人かいたが、その人たちには必ず自著を出すことを勧めてきた。私自身が経営者としてのキャリアをたどってきた過程で、自著があったおかげで次の挑戦機会を与えてもらったという実感があったからだ。自著を刊行することによる効能について感度がよい経営者は、実は多くない。筆の立つ社長さんというのはさらに少ない。

 また、商業出版の場合はISBNコード(日本図書コード)という13桁の番号が付けられ、1冊は国立国会図書館に納本することが国立国会図書館法で定められている。「自分の本が国会図書館に納められている」ということが、個人著者の大きな誇り、励みになっているところもある。

 しかし、出版社側としては部数が読めない、知名度の低い会社や経営者の本を早々に刊行してくれるわけではない。そこで次善策として知られてきたのが「自費出版」だ。書籍の体裁の本を印刷してもらい、印刷してもらった分は自分が引き取る。それを知り合いや友人、お世話になった人や組織に進呈して読んでもらう。引退してから人生を振り返る「自分史」が典型だ。

(この項 続く)

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