2011年9月1日木曜日
ITmediaエグゼクティブ ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 寄稿(1)
「初めて示された経営戦略立案に必要な具体的技法」と題して寄稿。本日のタイトルからリンク。
以下、抜粋:
リーダーは経営戦略を立てられなければならない
ビジネス・リーダーの最大で最終的な責務というと、預かったチームのアウトプットを最大化することに他ならない。つまり、結果を出すということだ。社長なら会社全体の、部門責任者なら自分が率いているチームの成績を向上させ、改善するということとなる。それは課長クラスの新任管理職でも同じことだ。
わたしは、経営戦略のことを別名で分かりやすく「やり方」と呼ぶことがある。業績を向上・改善させるためにリーダーは仕事の「やり方」を策定し直さなければならない。そしてそれを確実にチーム全体で実践させることで結果を出す。それが「経営戦略の策定と実践」なわけだ。
今までの競争戦略セオリーは観念論ばかり
今までの経営戦略に関する本は、「戦略を立てる前の環境分析」に関するモノ(いわゆるフレームワーク)か、直前数年間に大成功した著名企業が実施した戦略の「解説と分類」(コア・コンピタンスやブルー・オーシャンなど)のどちらかであったと言ってよい。これら二つの段階の間にある「実際に戦略ってどう立てるの? 」という「戦略立案の方法」については誰も具体的に語っていないのが現状である。
例えば、競争戦略セオリーの始祖・マイケル・ポーターは「競争優位」の確立の重要性を説いているのだが、それではその「競争優位」をどう確立し、どう組み合わせて個別会社の経営戦略とするのかという、具体的な方法は示していない。
最近発表され話題になった楠木建の『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)にしても、「戦略を策定するに当たってのコンセプトの重要性」を指摘したのだが、その「コンセプト」については「各自が自分で考えるしかない」として、その立案法を示すには至らなかった。
フレームワークと総称されるSWOTや3C、4P、5F、7Sなどは、そもそも牽強付会的な語呂合わせで無理がある。これらはいずれも企業の外部や内部の環境や要因を整理分析しようとするものだが、経営戦略は分析からは生まれて来ない。それは、思い付きやアイデアから流れ始め、わたしはその流れを「シナリオ」とよんでいる。経営立案とは「シナリオ・ライティング」なのだ。
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