2018年6月2日土曜日

頑なに内田前監督を擁護する日大経営陣は機能麻痺…巨大学校法人として終わっている(5)

田中英壽理事長の懐刀


 マンモス大学である日大には労働組合も複数あるが、非常勤講師の組合である日大ユニオンは、5月16日付「Net IB News」記事で次のように語っている。

「日本大学の理事会は体育会に牛耳られています。相撲部出身の田中理事長もそうですが、アメフト部関係者も権力を持っている」

 また田中理事長は、内田前監督の「親分」だとする日大関係者もいる。5月6日の試合中に事件が起き、社会的な大問題となっても内田氏がアメフト部監督を辞任したのが19日、そして日大理事職の座に居続けるのは、田中理事長との強い関係、信任があるからだと推察される。

 今回のような組織全体に重大な影響を与える事件・事案が企業に起きた場合、通常はどのような動きが取られるだろうか。7000人もの社員がいる大企業なら、田中理事長は社長、内田前理事長は専務取締役などに置き換えて事態を想定できる。

 専務が直接統括している事業活動で重大な失態を犯してしまった。それを咎められるのは取締役会ではなく、上司である社長、あるいは会長くらいしかいない。日大の場合、創業家が理事会に参画していないようなので、専務を叱責できるのは社長のみ、という構図だ。

 社業のすべてに最終責任を持つ社長なら、専務の責任を追及するだけでなく、事態の経緯や会社の対応、専務の責任の取らせ方などについて世間に発表、発信しなければならない。それが大企業にふさわしいガバナンスというものだ。

 日大の場合はどうだろうか。

(この項 終わり)

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