2010年7月10日土曜日

経営者ブートキャンプ 第3講





第3回も大いに盛り上がる。今回から、特別講師の特別講義が始まった。

「課題図書レビュー」で、『リーダーになる人の「ランチェスター戦略」入門』の著者、福田秀人氏が登壇。サプライズ・ゲストとして知らせてなかったので、発表者3名が大いに驚く。この顛末は、「経営者ブートキャンプ実録日記」の方にゆっくり書こう。

二人目の特別講師、池本克之氏の講義も迫力満点。さすがにドクター・シーラボともう1社、2社を早期に上場させただけの手腕の先輩経営者だと皆感心。こちらのほうも、「実録日記」の記載を待たれよ。

2010年7月9日金曜日

上場会社支店長60名に研修

伸びる会社は、しっかり幹部研修を行っている。過去数年二ケタ成長、今年も絶好調、しかも建設業界で、というと上場している会社でこんなに元気のよいところはおのずと絞られてくる。
というより、
「あそこしかないじゃあないか」
と、業界人ならすぐ分かることだろう。

今年1月に支配人の方たちをお教えしたら、今度は加えて取締役と子会社の社長さんも入れてやってくれ、ということになり60名ものクラスを1日研修させてもらった。

「繁栄の黄金律」の中で、今回強調したのは「コミュニケーション」。その組み立てと実施の方法。

修了して、陪席してくれていた人事部長から、
「さすが元経営者の話しは説得力がありますね」
とほめていただいた。

上場会社の役員研修をやらせてもらったのも嬉しいことだった。

2010年7月7日水曜日

新CD「人を見抜く技術」(2)内容


ー はじめに
ー 「人を見抜く技術」が成功への近道
ー いったい誰を見抜くんだ
ー 見抜くための7つの力
― 3分間で相手を見抜こう
― 何を見抜いてこの世を渡る?

収録時間 50分31秒

ジャケットには私の写真がシルエットで使われている。

間もなく、フォレスト出版から発売。乞うご期待。

オルセー美術館展を観る


新国立美術館で開催されているオルセー美術館展を観に行った。

オルセーとは行き違いとなっていた。パリで2回訪れたのだが、初回は月曜日で定例休館日。第2回目は日曜日に行ったのだが、館内補修のため特別休館!とのことだった。いずれもミード社からの出張を使ってのことだった。
「ペイントなら、ルーブルよりオルセーの方が」
と聞いていたので、残念な思いをしていた。

新国立美術館は大変な人出。平日の午前中だというのに、ごった返している中を観て回る。ゴッホが一番良かったかな。

眼福にあずかり、満足。たぶん、パリにはもう行く機会が無いだろうから、「冥土の土産」ということになる。誘ってくれた妻に感謝。

新CD「見抜く技術」(1)サンプル上がり

フォレスト出版から発売となるCDの音取りを4月に行っていたが、CDの形で、パッケージの表装もなり見本と言う形で出来上がってきた。

「150字弱の講演者自讃を書いてくれ」
との要請あり。


活き抜く技術!
世渡りの術(すべ)に長けない人は、昔から「憂き世に何か久しかるべき」(伊勢物語)とまで言われてきた。苛烈な現代ビジネスでは、その「術(すべ)」とはまさしく「人を見抜く技術」である。37歳から社長を務めてきた私が活用してきた「見抜く技術」を、是非貴方の役に立ててほしい。

2010年7月6日火曜日

「私をスキーに連れてって」映画



昨晩、BSテレビで昔の映画「私をスキーに連れてって」が放映されていて、思わず最後まで見てしまった。1987年製作だそうだ。当時この映画を観ることはなかったが、原田知世主演で、スキー・ブームを熱狂にまで高めた作品である。

万座スキー場で発表されるべき新作のウエアを着たモデルの原田が、どうしたわけか志賀高原の方に滑りに来てしまい、イベントに間に合わなくなるので、渋峠越えをして万座を目指す。遭難するところを追ってきたスキー貴公子に助けられ、二人で滑り込む、という筋立てである。たわいのない話だが、気持ちよく滑っているような気になるわけだ。

でも、元プロの私としては、、
志賀高原の横手山をリフトで登り、渋峠から万座に通うのはいわゆるスキーツアーコースだ。私は数回通っている。ここは、夏の車道をほぼ進む。風の吹きとおしとなっているので、雪付きはすこぶる悪い。だから、
「あのコースは歩くのだろう!」
あんなに気持ち良く滑れる斜面などありはしない。

原田知世のスキーシーンをスタントで滑っている女性スキーヤーが下手そうに滑っているのが、上手い。何と、万座スキー場に滑りこむときは女主人公はできなかった滑りが(大変な試練を突破してきて)、上手に滑りこんでくるという設定だ。
「1日で上手くなれれば」
とため息をつくわけだが、夢は与えたわけだ。

2010年7月2日金曜日

プロフェッショナル経営者として研究対象となる(1)


某シンクタンクから依頼を受けた。そこが、
「成功したプロフェッショナル経営者の共通要素を抽出する実証研究をしたい」
とのこと。
「成功したプロフェッショナル経営者」の定義は、「複数の会社の経営に成功した」ということだそうだ。

さ来週研究インタビューを受けることになったが、なんと4名もの研究員が集団聞き取りをしたいということだ。
「私のホームページでも見ておいてください」
と言ったら、
「ご著書は何冊も研究させてもらった」
とのこと。さてどんなことをきかれるやら。

部長研修の教材を作る

昨日は来月早々に実施する、部長研修用の教材を作った。プレゼン用のパワポスライドを80枚ほどと、それを印刷してテキストとする資料60枚ほど。投影して見せる方が、枚数多く興味を持ってもらうものを含んでいる。配布資料は、重要な用語を隠してアンダーラインとして置くなど、聴講中に書き込んでもらう仕組みにしている。私の講演やセミナーで眠る人を見たことが無いのは、このような仕掛けなどによるところもある。
「聞いてもらって、納得してもらって、学んでもらう」
というわけだ。

今回依頼されたのは、1千人規模のシステム開発会社。部長さんがおよそ40名ほど。
「是非意識改革をしたい」
という会社側からの依頼。
少しでも考え方や行動の転換点を与えられればと思う。

2010年7月1日木曜日

『小倉昌男経営学』 書評(38)


日経BP社。ヤマト運輸の2代目社長にして宅急便の創業者。1999年の初版だが、内容的には褪せることのない、経営者実録本としては屈指の書。

政府行政との戦いのことが知られているので、その話が多いのかと思った。実際には、初業態となる宅配便の細かなところまでのビジネスモデルの創出にたくさんの有効なアイデアを出していることが分かる。また、組合との関わりなど、会社を大きく伸ばすときに必要な「大技と小技の組み合わせ(これは私の表現)」を繰り出していることが分かる。
経営者ブートキャンプの参加者からの推薦図書の一つとして挙げられた。とても良い本に巡り合えた。

2010年6月30日水曜日

ユニクロの返品ポリシー

先日ユニクロで買い物をしたところ、レジのところで
「返品の場合はお買い上げ3か月以内にお持ちください。レシートをお願いします」
という旨の掲示を見た。

衣類で3カ月と言うと、結構着てからのことになる。下着など何度も何度も洗濯を重ねた後の返品を受ける、と言っているわけだ。

先日『フリー』(クリス・アンダーソン、NHK出版)の書評を6月9日付のブログに書いた。ユニクロの返品ポリシーって「逆フリー」(購買後の「フリー」の保証)だな、と思った。

ちなみに友人のW氏は、レシートなしで3月後に返品に応じさせたという。考えてみれば、日日の買い物のレシートなんか取っておかないよね。でもそれを受け付けることで、ユニクロは消費者の支持を構築しているわけだ。

経営者ブートキャンプ実録日記(6)課題図書報告はゼミそのもの



経営者ブートキャンプの最終目標は、各参加経営者が「新たな三年経営戦略」を策定する、というものだ。だから、私の講義も「戦略」に焦点を当てている。

最初の「課題図書」として選定したのは、だからこの分野のスタンダードとして『経営戦略の論理』(伊丹敬之、日本経済新聞出版社)。序章、1・2章、9章をそれぞれ指名し、報告させる。報告各10分、他の参加者との討議各10分。3名のセッションで計1時間。

本書を前に読んだことがあるという人が少なくとも3名はいた。夜の懇親会での感想は、

「学者が書いたものはとにかくつまらない」

現場の経営者ならではの切り捨てだった。

自社紹介(前回の続き)

残っていた4名の人が持ち時間12分、QA5分で、自社のビジネスを説明。最終回の「戦略発表」に向けての初めの基礎データ開示ということでやってもらっているのだが、これ自体が大変好評。

「他の会社、業界の話をそれぞれの社長さんから直接説明してもらうのがとてもおもしろい」

と、参加者の皆さんが言う。

読書課題のサブ・リーディング(発表は無し)として、『成功するデジタル・プレゼンテーション』(箱田忠昭、日本経済新聞出版社)も読んできてもらった。参考にしてもらったのか、プレゼンのやり方も、今回の方がこなれてきたか。

2010年6月29日火曜日

経営者ブートキャンプで池本克之先生の講義を公開



◎次回、7/10(土)は「経営者ブートキャンプ」の第3回講座。

その日の15:00~17:00に、特別講師の池本克之さんによる特別講義が
行われます。

※池本さんのプロフィールはこちらからご参照ください
http://www.keieisha.jp/lecturers.html

テーマは「年商3億円から数年で120億円への急成長経営」
「2社を上場させた経営」&「社長の勉強法」。

現在はマーケティングコンサルティングや数社の経営に携わる池本さん
のノウハウや経営方法論のエッセンスを、受講経営者向けに濃縮して
この講座でしか聞けない本音話も交えての講義を頂きます。

この講義部分を聴講されたいという非受講生の皆様に、
特別に席数限定にて

【特別聴講席】

をご用意いたします。
会場の都合で数席しか設けられません。
ご希望の方は、以下にご記入の上、本メールへの返信をお願いいたします。


(以下に記入の上、返信ください)--------------------------

7/10(土)15:00-17:00「経営者ブートキャンプ」
池本克之さん特別講義 聴講希望

聴講費:20,000円(税込)

会場:経営者JPオフィス
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-16-2 K&S恵比寿ビルII 6F
MAP http://bit.ly/aJQw9u

お名前:
会社名:
お役職:
ご連絡先お電話番号:

----------------------------------------------------------

※基本的に先着順にて受付させていただきます。
同タイミングで席数を超えるお申込みを頂きました際は
抽選とさせていただきますので、ご了承ください。

経営者ブートキャンプ実録日記(5)「早くも本になる?」





経営者ブートキャンプの第2講(全6講)が6月12日(土)に行われた。

前回、5月の第1講では、第4講に特別講師として予定されている新将命(あたらしまさみ)さんが「サプライズ・ゲスト」として終日参加してくれた。

「伝説のカリスマ外資経営者」として隠れもない新さんの突然の参加は受講生を狂喜させた。長い経営体験から醸成された新さんの経営哲学、含蓄にあふれる箴言が随所で披露され、書物からだけでは得ることのできない、「終日のクラス参加共有体験」が提供されたのである。

今回・第2講からは他の特別講師、池本克之さんと井上和幸さんが全回参加だ。クラスに参加してくれる他に、私と手分けしてグループ討議にも参加してくれる。お二人とも鋭いコメントを発し、「さすが」と参加者をうならせていた。

早くも本になる!?

前回の「実録日記」で、「講師全員が経営者でベストセラー作家」と書いた。それは全くその通りで、このような面々が展開している経営者ブートキャンプのことが、早くも著名出版社に知られることとなった。

とりあえず、提示された出版企画が、各講師が話す特別講義を各1章として、「成功する経営のヒント」みたいな編纂本を出さないか、というものである。私ももちろん1章を起こす。

「実際の講義録が今面白いんです」

と、編集者の人が言ってくれる。

「まだ1講が終わったばかりなのに」

という驚きもあるが、

「経営者が集まり、経営者に学び、自社の戦略を策定する」

という本邦初のプログラムということで、注目をいただいているということだろう。先生もすごいが、参加者の質と結束が自慢できる。

2010年6月27日日曜日

Bスクール、日本とアメリカ

ご存知のように、私はこちらとあちらで、両方のビジネススクールに行っている。両方とも、社会人経営大学院なわけだが、違いはどこにあるのか。

法政大学でお世話になった洞口治夫現教授は、「自動車についての学び」という上手い例えをおっしゃっていた。
「日本の経営学部は、どう走るかエンジンのメカニズムを教える、アメリカのMBAスクールはどうそれを運転するかを教える」
というのである。洞口先生はハーバード・ビジネス・スクールで客員研究員として1年過ごされた。

私の「経営者ブートキャンプ」?
経営者の悩みに答えられる場の提供と、自分で問題に対処していける能力と覚悟を与えることにあるのだろう。

「ソリューション・フォーカス」マカーゴウ&ジャクソン 書評(37)


ダイヤモンド社。幾つかの意味で読みにくい本だ。まず翻訳。青木安輝というコンサルタントの方が翻訳されていて、この方は「ソリューション・フォーカス」の教祖様みたいになり、各種セミナーやらコンサルティングを展開されているらしい。

「売り」を求めて手に入れたという点でコンサルタントとしては鼻が効く(優秀)ということなのだろうが、語学の方はどうなのだろうか。こなれない言葉使いが多く、おそらく(原典の方に当たっていないので)誤訳だろうというところも散見する。同氏のある本には「1983年東京大学修了」という表記が、別の本では「卒業」となっているのも、立派なコンサルタントにふさわしく?である。

次に本の厚さだ。著者の主張には別に異議は無いものの、つまるところ5ページで書き表せる内容を350ページ以上に渡って展開している。まことに微に入り、細に入りである。結局、著者の二人もコンサルタントなので、「鬼面人を驚かせる」体裁の大著書が必要なのだ。

2010年6月25日金曜日

部長を変えよう!

日本を代表する重厚長大産業企業の関連会社から、部長研修を依頼された。
企業規模1,500名ほど。部長が50名弱。

従来、巨大企業である親会社の仕事だけやっていればよかったが、現下の状況で外に打って出ていきたい。ところが、例によってなかなか変われない、というわけだ。

企業行動のキーとなる部長さんたちの意識変革を啓蒙してくれ、というわけだ。3時間ほどの講演型の働きかけだが、精一杯のアジテーションを行おうと思っている。出講そのものは8月。2日間の部長研修の強盗を任されている。

2010年6月22日火曜日

「コア コンピタンス経営」ハメル&プラハラード 書評(36)



日経ビジネス文庫。著者はそれぞれロンドン・ビジネススクールとミシガン・ビジネススクールの元教授。
著者たちは冒頭第一章で、「何に向かって会社を変革するのか」と経営者に投げかける。そして次のような観点を検討する必要があると啓蒙している。
*5年から10年後に業界の構造がどう変わってほしいか。
*業界の変革を自社に有利に展開するにはどうする。
*業界で主導的な地位を築くには、、、

「それぞれの業界でトップになろう」というのが著者たちの示すゴールであり、続く章は「そのためには」と説いているのが本書だ。

しかし、5年も10年も先と言えば「自社」を想定することさえ難しいのに、「業界全体」の構造まで当社1社で規定、コントロールなどできることなのだろうか。それがあまりに不確定だとしたら、それを所与の目標として現在の自社を規定することは賢いことではないだろう。
グーグルでさえ、10年前に現在の状況を想定して戦略を設定したのではなく、時間枠の進行とともに「反応・対応」的に大小の意思決定をしてきたはずである。

そもそも、「業界1位」をめざす?仮に業界を150程度に分類したとして、この著者たちの主張が適応される企業と言うのは、日本だけでは300もないということになろう。著者たちが議論しているケースが大企業、大産業に偏していることから、ますます該当する企業は限定された「既に大企業」ということになる。

結論からいえば、本書は日本でだからせいぜい300部くらい読まれれば必要にして十分なはずだが、文庫本まで出ているのはどうしたことか。夢を持たなければ生きてはいけないという、厳しい現状は個人も企業も同じだからということだろう。

2010年6月21日月曜日

ロジカルシンキングを構ずる

大手団体の職員対象に、ロジカルシンキングの一日セミナーを実施。

「(ロジカル)シンキングだけではなく、(ロジカル)コミュニケーションも大事だ」と強調。最初は、テクニカルなロジカル・シンキングだけを想定して出席してきていた参加者が、私の「論理的にメッセージを立てただけでは伝わるとは限らない」という説明と、伝えるスキルを加えての演習に納得してくれた。

例によって、個人及びグループで展開する演習例題を5つも散りばめてのセミナー。内容は豊富だったが、1時間おきに休みを10分間ずつ取って引っ張っていく。
参加者たちが組織内で円滑な意思疎通を実践、向上することを期待している。

2010年6月19日土曜日

「未来を創る経営者 石井元 他 書評(35)



国際経営者協会(IMA)編著、生産性出版。
経営者ブートキャンプの受講生石井元氏から恵贈いただく。20名の一流外資経営者が筆を取っていて、石井さんが巻頭第1章を任されている。こんな経営者が「生徒」の方で参加してくれているのだから、経営者ブートキャンプは心強い。計20名の著者のうち、泉桂さんと加藤春一さんとはそれこそ何度もお会いしている。というのは、お二人とも隠れもないエグゼクティブサーチ会社の社長さんだった方だ。

石井さんの話は、彼が初めて外資の社長に招聘されてから、その法人の本社がM&Aされてしまうまでの経緯を、ローカルの責任者の視点から書いている。ドラマティックであり、外資の社会を生きていく経営者の覚悟と処世術を示している。面白かった。

2010年6月18日金曜日

「ストーリーとしての競争戦略」楠木建 書評(34)



東洋経済新報社より先月発刊。既に増し刷り。2800円と高価で厚い本にしてはよく売れている。
戦略系で学者が書いた本の中で一番出来が良い。従来の私の主張ととても共通したことを言っていて共感が強い。
「ストーリーテリング」という著者の最大のキーワードは、私が使ってきた「シナリオ・ライティング」と同じ。「優れた戦略の条件」という副題の通りに、優れた戦略についての知見、新見に満ちていて、しかもそれらが整理して提出されている。

ただ、、厚い。私なら三分の一の紙数で同じ話を主張する。しかし、このように委細を尽くせないことも確かだ。大変よろしい。経営者ブートキャンプの課題図書に採用することとした。

2010年6月16日水曜日

三重銀総研・経営者クラブで「変革期における経営戦略」

四日市市で一日公開セミナー。三重県下の経営者、幹部たち30名ほど。戦略立案の演習も実施。例によって戦略カードを使って、「目標設定」「課題設定」「戦略」「派生問題と対応策」のステップを体験してもらう。

皆さん集中して聞いて下さったし、よく参加してくれた。終了アンケートの評点では、「5」と「4」だけ。

三重銀総研のご担当からは、私の公開セミナーのテーマなどについていろいろ質問を受けた。定番の「戦略立案」の他に、最近著との関係でこのごろは「幹部」「部長」を対象にしたセミナーの問い合わせ、実施が増えていることを話す。

参加者の方に喜んでいただいたことが何よりの励みだ。

2010年6月12日土曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記(4)「演習(目標と課題設定)」



「演習(目標と課題設定)」

前セッションを受けて、個別演習を早速やってもらう。
「戦略カード」を使って、「目標設定」と「課題設定」をやってもらった。
それぞれの作業で、できるだけたくさんのカード出し(「網羅主義」)と、価値観による絞り込み(「効率主義」)の実施を指導。
次回はこの結果を、小グループ内で相互発表をしてもらい、他の参加者からの批判を受けてもらう。

2010年6月10日木曜日

「最高経営責任者」ネフ&シトリン 書評(33)



日経BP社。副題が「ヘッドハンターが選ぶアメリカのベスト企業家50」とあるように、個人の著作と言うより、スペンサー・スチュアートが社をあげて自社のパブリシティを兼ねて調査、編集して著したもの。米国スター経営者を選ぶ「オールスター紳士録」みたいにトップ50と目されるCEO達がそれぞれ10ページずつほど紹介されている。知っているあるいはファンである経営者のところを拾い読みするのは楽しい。

しかし、著作としての価値、提出した結論は、費やされた個別経営者についての記述に比べて貧弱だ。トップ50の大成功したCEO達の共通した成功要因とは何だ?著者も読者も、それが最大の興味となる。本書の一番大きな答えは

「適切なことを適切に実行する」

だと。

徳光和夫が歌番組の司会で、歌の題名も歌手名も覚えてこれないときに使うテクニックとして
「、、、それはこの人の、この歌です」
と言って紹介してしまう時がある。それってつまり何も言っていないんだよね。

ところで柳省三さんは今、どこで何をなさっていらっしゃるのだろうか。

経営者ブートキャンプ 実録日記(3)「戦略はどう作る」



山田修の「経営者ブートキャンプ」実録日記
第1回 いよいよ開講! 2010年05月15日


「自社紹介」

ランチの後では、参加者のうち、まず4名が自分と自社(あるいは自分が責任を持つ部門)の紹介。
これをしてもらうことは事前課題として連絡が出ていた。発表をした全員がインターネット接続で、スライドに画面投稿して説明。ストップウォッチを使い、12分発表、5分QAをしてもらう。「7つの約束」のおかげか、活発に手が上がり、講師として大変心地よい展開。



「戦略はどう作る」

私のレクチャー。
これから6回にわたり演習と続けていって、最後に「自社(自部門)の新経営戦略」を全員に発表してもらう。その戦略作りの方法論の指導。「シナリオ・ライティング」という私のオリジナル手法を説明し、そのための展開ツールとしての「戦略カード」の使い方を話す。
「シナリオ・ライティング」に関連して「プレイヤーズ・セオリー」、「戦略カード」の出し方などに関連して、「一人ブレーンストーミング」や「一人ナレッジ・マネジメント」の概念を話す。
また、一人ではなく組織の中で他のメンバーとともに戦略を開発する場合の、実際の手法についても説明する。
「経営者が明日から自社で使える経営技法を伝授する」ということを目指しているつもりだ。

2010年6月9日水曜日

新著発刊の企画が

3月に刊行した「あなたの会社はぶちょうがつぶす!」(フォレスト出版)が13冊目の著書となった。その他の書は、ホームページに全てアップしてみたので、ブログの今日のタイトルをクリックしてくれたら、リンクが飛んでいる。

今年、シリーズとして一番力を入れてきた活動が、経営者ブートキャンプだ。この活動を聞きつけてくれた出版社があり、そこと出版企画を検討し始めている。今年中に上梓したいと思っている。

となると、私としては初めて1年複数冊の刊行となるの年となる。

決定したら順次ブログなどで情報をアップしたい。

「フリー」クリス・アンダーソン 書評(32)


NHK出版。経営者ブートキャンプ参加者の「推奨図書」。

著者は、ネット通販における「ロングテール」の存在を指摘し、その言葉を用語として世間一般に広めたあの人物。ネットの社会での新しい現象をかぎ分け、ネーミングを行い、理論化し説明し、つまり世間に新しい知識を提供できる稀有な著者と言える。

本書も、デジタルの世界では提供する情報の複製コストは限りなくゼロとなることから、単なる情報提供料も無料とする多数のサービスが出現していることを指摘、そのことの商業的価値を明快に論じている。その方向がこれからも広がっていくことが予想されることからも、ネットビジネスの「預言者」と言ってもよいような切り口だ。

本書はしかし、厚過ぎる。この三分の一で同じことは提示できるだろう。不要に厚くなってしまった原因は、過去のつまりネットビジネス以前の通常ビジネス時代の「無料サービス」事例を集めたり、その解説に紙数を費やしたため。

ネット世界以外の「無料」関連ビジネスと言うことなら、現在の「おまけ」とか「無料」とか「サンプル提供」などの事例の方を集めてくれた方がありがたかった。

NHK出版も、その厚さほどの価値は無いだろうということで、本書の価格は謙虚に1,800円としている。

2010年6月8日火曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記(2)「成長戦略」



オリエンテーション

続いて私がオリエンテーションを行う。今日を含み、「向こう6回のプログラムの時間割」を配布。
次のような「7つの約束」を説明。
1.明るく楽しく元気よく、そして仲良く
2.一人では学べない、クラスメートに感謝
3.率直な指摘、疑問の掲示が親切
4. 手を挙げてから発言
5.互敬に基づく討議
6.大変だけど準備して来て
7.オフ・クラスの交流で「勉強する社長仲間」を作ろう



「成長戦略」

最初の単元(1.5時間)は私のレクチャーで、「成長戦略」。6社を経営してきた私の実践事例の中から、企業の「成長」や「再生」に大きく奏功した要素を取り出し、分析してみせる。
さらにそれを演繹して「成功するための戦略要素」として掲示。参加者の経営者の皆さんは、事実例を本人が説明するので興味深く聞いてくれる。最初のセッションで、参加者たちの集中を強く感じた。

2010年6月7日月曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記(1)「機密保持書が待つ開会式」


経営者ブートキャンプが5月に第1回を開講された。その進捗を「実録日記」として主宰社経営者JPのサイトに連載開始。本日のタイトルをクリックするとリンクする。

本日はその最初を転載する。



開会式
経営者ブートキャンプが5月15日(土)にスタートした。
記念すべき第1期の第1回は、品川の会場で10時に開講された。
開会式で、主催会社の経営者JPの井上和幸代表が挨拶。続いて参加者に配布されたのは、何と「機密保持の覚書(NDA)」だった。これは、プログラムの中で各参加者に自社の経営戦略を策定してもらうのだが、実際の企業情報を互いに高次元の段階で披露しあうので、それに対する配慮である。
「リアルな経営課題を取り扱う」
というのが特長の一つだ。

2010年6月5日土曜日

「最前線のリーダーシップ」ハイフェッツ&リンスキー 書評(31)



経営者ブートキャンプ受講者に出してもらった「他の参加者に読んでもらいたい推薦図書」の一つ。
リーダーシップの各要素を、主として米国の中央および地方レベルの政治力学的なケースを実に豊富にちりばめながら展開している。

本書のよいところは、変革を目指すリーダーシップの輝かしい成功や心得よりも、むしろリーダーシップを発揮することのリスクや失敗譚などに筆を費やしていることだろう。実際、リーダーシップを発揮しようとする場合のパワーポリティクスや、企業内で不可避となる各種の衝突のハンドリングの心得など、類書にはない斬新な視点であり、実際的だ。

ブートキャンプでの課題図書に採用することにした。

2010年6月4日金曜日

新入社員を教える

「一般社員に効率的な仕事の手順を教える」という切り口で話してくれと言われ、赴いた。「話せ」と言われても講演ではなく、本格的な1日セミナーをその企業内で実施した。演習も幾つも用意し、グループワークも実施してもらった。

行ってみたら、「一般社員」でも偶然「新入社員」の人ばかり16名が参加していた。新人研修を実施したことは、自分が社長時代に自社の新入社員に訓話を垂れた時以来、記憶にない。

私が話をさせてもらう対象は、経営者などのトップ層から、幹部の方たち、このごろは新著のせいで部課長まで降りてきている。ところが一足飛びに新人の皆さんに話をすることになるとは思わなかった。

「社長から新人まで」

今後はこのキャッチで行こうか。でも、若い人を相手に話すのは面白かった。まずエネルギーにあふれているし、出来の良いクラスだったからもある。この先30有余年のビジネスキャリアを無事に漕ぎだして行ってもらいたい。息子、娘を教えるような心境でもあった。

2010年6月3日木曜日

部長を教えられるのは誰だ

本日、とある会社に部長研修の打ち合わせに参上した。研修担当の人事部長が、「階層で言って、課長辺りまでは研修を企画実施できるのだが」とおっしゃる。

「部長研修と言うと自分も部長で、言ってみれば同じレベルなので」
と苦手意識の本音を披歴された。

「研修会社ではどうですか」
とおうかがいしても、「満足していない」とのこと。

管理職も上にあがってくるということは、実績に加え能力開発が進んでいるので、そんな人たちをさらに教える、能力開発を指し示すというのは難しいことになってくる。通常の研修会社のコンサルタントの先生にも手に負えないケースが出てくるわけだ。

私が提供している部長研修、幹部研修が少しでも役に立ってくれれば幸いだ。というのは、普通の研修会社では階層別で言うと、新入社員から始まり上にあがってくるのだが、私の場合はトップにお話しさせてもらった段階から始まり、部課長研修まで降りてきた。だから個人的に幹部層の階層に気後れはないし、実際十分に対処しているつもりだ。

2010年6月2日水曜日

「東京島」桐野夏生 書評(30)


以前にもブログに書いたが、桐野夏生女史は私のスキー仲間で20代の初めに何シーズンもご一緒させていただいた。学習院のスキー仲間と、私が教えていた某短大スキー部の部員たちが卒業してから作っていたスキーチームがあり、そこの一員だった。各シーズン15日程度はスキー行をご一緒している。

ブログに書いたので、久しぶりに桐野作品に手が伸びた。本の惹句はこうだ。

32 人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。
いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。
果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。
欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、
読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!

桐野さんの構想力はいつも雄大で、現代作家の中でも屈指だろう。ストーリーが次々と展開して驚きが続く。「え、そんな展開が?」なんてこともあるのだが、何しろ作家は神なのだから「面白ければ勝ち」だと思う。
しかし、桐野作品に通底している、暗さ、気味悪さ、グロテスクさなどのため、私のFAVORITE WRITERではない。

離れ島漂着譚というと、どうしてもノーベル文学賞のゴールディング「蝿の王」が出てくる。「蝿の王」が示した宗教性、聖性、人間との直面などには、桐野夏生をもってしても達していない。エンターティンメントとしては十分勝っているのだが。がんばれ、まり子ちゃん。

2010年6月1日火曜日

「ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書」 書評(29)



講談社。7人のそれぞれの科目の専門家が、「高校教科」の本質、勉強法について諭すという形のオムニバス本。内容よりも編集と構成の手法に興味があり通読。

「国語」の科目の執筆者が金田一秀穂氏。「気鋭の日本語学者」として紹介されている。この本の内容ではなく、私はいつもこの人の紹介され方のスタンスが気に入らない。祖父の金田一京助、父の金田一晴彦に続く家系なので、TVなどでも「現代の代表的な日本語学者」などのように紹介され、登場している。

でも、そもそも学問って家督承継されるものではない。京助博士はアイヌ語研究で立派な日本語学者だったが、晴彦さんは言語学者。孫の秀穂さんに至っては、日本語教師である。日本語教師は私は学問とは認めない。

学習院大学国文科に、日本語教育が取り入れられて「日本語科」と名称が取り入れられた時、私の指導教授だった吉岡廣先生も「あれは学問ではない」と同列に扱われることを嘆いておられた。学問ではないなら何なのか。はい、技術者、技能者です。

2010年5月31日月曜日

「どうしてあなたは部下とうまくいかないのか」堀之内高久 書評(28)



「結論から言うと」(このフレーズから言い始めろ、と著者が言う)面白さも中くらいなり、か。

私はビジネス書の面白さを測る尺度の一つに、読み終わった後に貼った附箋の数で数えたりする。本書に貼った附箋は20枚位か。

でも切り口として、心理学者が書いた人間関係論なので、ユニークなものがあり、その点では新奇で勉強となる。
   「部下を褒めるのは間違い」で「ねぎらうのが正しい」
   「A君、君も私のことをむかつくやつと思っているんじゃあないか?」と「率直にエレガントに語りかけよう」
などの指摘は新しい視点だと思わないか!?

2010年5月30日日曜日

「変わる技術」としての「戦略カード」と「シナリオ・ライティング」

先週は、とある出版社から取材を受けた。

その編集の方は「変わる技術」をテーマに考えを練っているという。「何か具体的な技法は無いか」ということなので、私の「戦略カードとシナリオ・ライティング」の技法のことを披歴した。この方法は私が整理していたるところのセミナーやらコンサルティングで使っているオリジナルの方法だ。具体的には戦略の立案やら、役職者の問題解決などに使っていただいている。

編集の方には大分ご興味を持っていただいた。この技法についての出版企画が始まるかもしれない。その場合はまた順次ブログにもアップしていきたい。

2010年5月29日土曜日

「20さいのときに知っておきたかったこと」ティナ・シーリグ 書評(27)


阪急コミュニケーションズより。3月25日発刊で、私が入手したのは10刷りだというので、売れているということか。しかし出版社の中には第2刷りを必ず「第11刷り」と表記するところがあるのを知っているので、「そんなに本当に?」と思ってしまう。
スタンフォードにBスクール(もちろんMBAが行くビジネス・スクールのこと)ならぬDスクールと言うのがあり、著者はそこの責任者だそうだ。アントレプレナー・センターという正式な名前の方が理解しやすい。

本書を読むと、シリコンバレーなどに輩出され続けているアメリカの起業家たちは、教育機関的には著者のようなところにけしかけられているのだなと言うことが分かった。日本の大学や社会人経営大学院にはなじまないだろうとも思ってしまう。私自身の法政大学の博士課程での指導教授が「企業家論の権威」清成忠男総長ご自身だった。その関係もあって私も先生の「企業家論」などのクラスなどを取らせていただいた。その実経験の上からの感想である。

一方、私が現在主宰している「経営者ブートキャンプ」の方は参加者が経営者の方々なので、これらの人たちを本書でけしかけたいと思っている。ブートキャンプの課題図書に取り入れようと思う。

2010年5月28日金曜日

「企業戦略論」ジェイ・バーニー 書評(26)



大著。全三冊。経営学が学問だということなら、そのアカデミーとしての一つの近過去における到達点のような著作。「それでいて読みやすい」という定評もその通り。

各章末の参考文献リストに圧倒される。これらの文献を渉猟するだけで、2000年までの北米における経営学の論文、文献で意味のあるものはほとんど網羅されるのではないかと思われるほど。

私は、バーニー自身の理論である「RBV:Resource Based View」のことを読みたくて入手。それが含まれる第1巻を読了。この理論自体にはいろいろ突っ込みどころがある。

経営の資源として言われてきたヒト・モノ・カネに、「組織」を付け加えて「4大要素」としようと提唱しているところは納得。私が
「組織戦略が最重要」
「社長は1人では何もできない」
と主張しているところと合致。

「突っ込みどころ」に関しては他日のブログに書くかもしれない。

2010年5月26日水曜日

「組織活性化セミナー」支配人の方たちへ

某ファンドが出資している先の事業会社の支配人を集めての研修で2時間強話す。ファンド側からの出席も加えて50名弱。


リーダーたるものは預かった組織(企業)をいかに最強化を図るべきか、私が実践したケースを話し、それを演繹したセオリーを示し解説する。願わくば、参加者の各現場でそれらのセオリーが帰納活用されんことを。

事前読書課題として、「あなたの会社は部長がつぶす!」が指定されていた。ところが多くの参加者が、加えて「実践 52週間企業再生プログラム」(ダイヤモンド社)まで入手して読了していたことに驚く。どうりで後者が、このごろアマゾンでの中古本の価格としては上がってしまっていたわけだ。

事前によく読んで来てくれた参加者の皆さんから的を得た質問が続き、私の声は嗄れてしまった。しかし、質問が多発すると、心地よい充実感に包まれる。

2010年5月25日火曜日

「モノ・カネが無くてもできる勝てる組織作り」経営者セミナー

標記セミナーを開催。インサイトラーニング主催。経営者・幹部約20名。

午前一杯でセミナーは終了。午後から、夜まで個別経営相談。6名の社長さん達と1時間ずつ。

相手変われど主変わらずで、会場のホテル会議室に座り続け。どっと疲れた1日だった。でも、経営相談は全て状況が異なっているので、おもしろい。想像のつかないような業態からの相談もあった。

2010年5月24日月曜日

2日間の経営個別相談が開始


「あなたの会社は部長がつぶす!」の読者カードを送ってくれた方のみに、サプライズ・イベントとしてお知らせした私の特別社長セミナーが明日行われる。「モノ・カネが無くてもできる、勝てる組織作り」というタイトル。

このセミナーに申し込んだ読者に対してさらなる特別プログラムとして、個別経営相談を1時間程度行うと希望を取った。前回、4月17日の好評が伝わったのか、今回は明日だけでは対応できず、特別セミナーの前日である本日も個別相談に追われる。

世に、「浜の真砂は尽きぬとも、げに経営者の悩みは尽きることなし」ということなのか。

2010年5月23日日曜日

マーカー、赤ペン、附箋が読書の三種の神器

読書には2種類ある。「楽しむ読書」と「情報を集める読書だ」。前者は、小説やらミステリーで、後者はビジネス書の類である。前者の場合は、思う存分時間をかけて悠然と楽しむのが良い。

しかし、ビジネス書を読むときは効率を旨としよう。というのはおよそ世の中に出ているビジネス書というのは無限にあり、必要とすべきポイント、情報は玉石混淆のように提示されている。B-スクールに留学でもすれば、速読術なくしては、卒業がおぼつかなくなる。

そこで私が実践しているのが、「ビジネス読書、三種の神器」というわけだ。その要諦は「できるだけ本を傷めつけろ」というものである。

気になるところ、重要な文章や段落にはマーカーで色を付ける。そして感想やら自分の反論を赤で書きこむ。そんなことをしたページには附箋を付けておく。

「どこに注目するか」
「そのポイントに対しての自分のスタンスは?」
「メモを書き込むことで自分の考えやポジションがまとまる」
「附箋をつけることで、後刻参照できる」

というわけだ。本日の別部録記事に書いた「もし高校野球の女子マネージャーが。。」はこの方法で2時間で読み飛ばした。でも要点は抑えて、ブログにレビューを載せた。こんな具合が私の読書術だ。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 書評25



経営者ブートキャンプ受講生(社長さん)からの推薦図書の一つ。ご存知ただ今のベストセラー。私が入手したのは、第12刷り(初版は'09,12月)。

あのダイヤモンド社がこんなくだけた(迎合的な)タイトルを付けるようになったの!?著書の岩崎夏海さんという人は放送作家だそうで、ストーリーの進行がいかにもTVの三か月番組みたいで手慣れているし、こなれている。そして当然ながら無理がある。ドラマとしての筋立てに何とかドラッカーの警句をちりばめようというのだから、どこかに牽強付会が発生するのは仕方のないことだ。

たとえば、高校野球部の定義が「顧客に感動を与えるための組織」と言い切ってしまっていいものか?私は高校の時、ボート部で、それもインターハイと国体の本大会で準決勝まで行った口だ。高校野球なら甲子園の本大会の準決勝というわけで、私も本格的に部活をやっていた。

部活の強豪校の実態というのは、ドラッカーの組織マネジメントや消費者運動、マーケティングの概念で切り分けるの今一つなじまない。

本書の良点は、ストーリを追っているうちに、散りばめられたドラッカーの箴言を何十となく読まされることであろう。ドラッカーとの邂逅に寄与するという点でよろしいかと。「漫画で読む源氏物語」だって意味があるのと同じだ。

2010年5月22日土曜日

生きてるだけで丸儲け


明石家さんまの娘でタレントのIMARUは本名も「いまる」という変わった名前だそうだ。さんまが自分の座右の銘、「生きてるだけで丸儲け」を縮めたのを娘の名前にしたそうである。何という人生の哲学だろう。

本日テニスをした、その仲間の幹事をしてくれているのがYさん。一昨年ガンを発病し、そのころは抗がん剤の副作用で丸はげとなっていた。運動は禁忌ではないというのでテニスに出てきていたが、風貌の変容もあり、痛ましいことに仲間は見ていた。

それが奇跡のように、昨秋ガンが無くなったということで、冬には私とスキーにも出かけられるようになった。髪ももどり、今日もテニスボールと戯れている。たわいのないミスをすると、照れ隠しか「アッツ、イケネー」と自分を叱り、その後破顔一笑して笑い飛ばす。それが本当に楽しそうだ。

Yさんの今日の様子を見て、私も気にかかっていたことがあったのだが、そんなことがとても小さなことに思えてしまった。「生きてるだけで丸儲け」そう思えば、たいていのことはつまらぬこととなる。人生を悠々と楽しもうではないか。

週刊現代より取材、「課長、部長、役員」(2)何と中止!

5月7日のブログで書いた、週刊現代からの取材のこと。
テーマは

「人事ほど面白いものはない 

~部長からの人、部長までの人・課長からの人、課長までの人~」

までだった。5月24日号に掲載との予定を聞いて、皆さんにメールなどで案内をしていた。ところが数日前に連絡あり、

「口蹄疫などの関連で記事構成が大幅にさし代わり」

という謝罪があり、掲載が無くなってしまいました!週刊誌ではその速報性によりよく企画変更がある。書いてくれた貴社の方も悔しがっていた。

2010年5月21日金曜日

Mr. David Fisherに遭う

中央線のショッピングセンターのエレベーターに、アメリカ人の老人が乗ってきた。面影から「もしや」と思い、声をおかけしたら、恩師のMr. fisherだった。もう80代の半ばだろうか。異国の地で一人住まいをなさっているはずだ。

Mr. Fisherには、国際関係学院(日米会話学院の上級校)で私が20代の終わり、Cross Cultural Communicationなどを教えていただいた。サンダーバードの日本同窓会を組織された方でもある。私がサンダーバードを志すにあたり、快く推薦状を書いてくださった。

70年代には、国際関係学院とサンダーバードの提携に奔走されたが、果たされなかった。その動きは、私が日本同窓会長となった90年代に私が引き継ぎ、慶応ビジネススクールと法制大学社会人経営大学院に持ち込み、サンダーバードの学部長の両校訪問などをアレンジした。しかし、いずれも実ることはなかった。

サンダーバードはその後はというか、今では中国で提携を実現している。日本は置き去りにされた形だ。大変残念なことでもある。

2010年5月20日木曜日

Mixiを始めました

経営者ブートキャンプの参加者と私のために、事務局がMixiにコミュニティを作ってくれた。そのため、私も初めてMixiに参加。そのコミュニティにはたとえば、読書課題の感想文が貼り付けられ、私が適宜コメントをしていく、などで使う。もちろん、「クラス掲示板」としての役割も。

この「経営者ブートキャンプ第1期」というコミュニティが、会期終了後もそのまま1期生に解放され、志のある経営者同士のネットワークの基地となっていくことを願っている。

2010年5月18日火曜日

あなたは野球少年、漫画少年、それともラジコン少年?

先日の講義で、マネージャーの「原性格」という話をした。

このブログ記事の場合、男性のみのことで申し訳ないが、経営者はもとより、全ての男性の原性格は次の三つから構成されるというのが私の観察だ。

   野球少年 (肉体派)
   漫画少年 (文学派)
   ラジコン少年 (理系)

この三つの要素のどれかに傾きそして適当にブレンドされて、全ての人の男性格は形成される(山田説)。

山田修はそれではどうだったかと言うと、漫画少年だったろう。長じて成人後に至ってから野球少年に変節したか。

今では「弓手(ゆんでと読む:元国文科)にミステリー、射手(いて)にテニス・ラケット」と言う訳だ。「弓手と射手」は「お箸を持つ手とお茶碗を持つ手」と表現されることがある。

2010年5月16日日曜日

海外MBA経営者が払底する


70年代は、「MBAは2度転職してトップに躍り出る」と言われていた。日本に社会人経営大学院など無かった時代で、MBAといえば欧米のMBAのことだ。「トップ」とは外資企業の社長に、ということである。
当時はMBAホルダーとは、外資社会で水戸黄門の印籠を持って渡り歩くようなものだった。

90年代にMBA留学ブームがあり、いわば供給過剰状態が今に続いていた。現在も経営者レベルの年代として、海外MBA取得者は十分に数が足りているだろう。

ところが、、、。200年代になって、社会人経営大学院が雨後の筍のように設立された。在職のまま、1年百万に満たぬ経費で国内MBAが取得できる。欧米に2年間留学すれば、千万円の出費と、収入の中断を覚悟しなければならなくなった。私費留学はいかにも高価に見えるようになった。
そこへ来て、リーマンショックにより、企業派遣留学生の枠が息の根を止められる状況が出てきた。いまでは北米のトップB-スクールへの日本人留学生は、各学校学年一人とか二人とかいう状態を聞く。

チャンスではないか!断言するが、2020年代は海外MBAホルダーで40代は、グローバル企業により「鐘と太鼓」で求められる。

日本の社会人経営大学院との決定的な違いは、やはり語学力、そして異文化間マネジメントへの対応力だろう。2000年代と2010年代は、海外MBA取得者の世代ギャップとなってきている。現在は新卒の、エントリーレベルのマネージャーの問題だが、10-15年後には、在日外資トップの候補者の払底と言う形で事態が進む。
志がある若手ビジネスパーソンは今こそサンダーバードへ行け!

SMBCコンサル月刊誌「MiT」に巻頭記事 書評(24)


大手研修会社、SMBCコンサルティング社が月刊で発行している経営情報誌が「MiT」誌。

その6月号の巻頭特集記事が「転換期の視点」というもの。そこの頭に私の談話が1ページにわたって掲載された。要旨は「戦略策定にあたり、社長がいかに幹部とキャッチボールしながらそれを進めていくか」ということ。本日のブログのタイトル・クリックでリンク。

研修会社の大手としてはメガバンク系の4社が知られているわけだが、私は以前にもSquet誌(三菱UFJリサーチ&コンサルティング社発行)に巻頭論文を4ページ書いている。

いずれも、私のホームページサイトの「著書」ページに示しているので、興味のある向きは覗いてほしい。

2010年5月15日土曜日

経営者ブートキャンプ開講。志のある経営者たちを教える喜び。

本日から、いよいよ「経営者ブートキャンプ」が開講した。

月一回(土曜日)、6回にわたり10月まで。

本日はサプライズ・講習生として新将命(あたらしまさみ)さんが参加され、他の講習生は驚くやら、喜ぶやら。
新御大が演台側ではなく、参加者側に座るセミナーなど、ここ以外にないだろう。

これだけの経営者層を体系的に教えるプログラムはおそらく日本で初めて、唯一のものではないか。少なくとも私は知らない。私も思い入れあり、十全に準備したつもりだ。幸い、後の懇親会でも講習生の満足度はずいぶん、あるいは非常に高い。

「ネットワーキングの構築」も強調しているので、小グループを形成して、リーダーも選んでもらう。懇親会がなくとも結束ができ始めている。志の高い、向上意欲の高い経営者仲間を見出すことができて皆喜んでもらっているようだ。私も嬉しい。

今日のメイン・テーマは「成長戦略」。実践体験を基にした私の講義。そのほか、参加者社長の中から、4名が自社事例プレゼンを行い、盛んに質問が飛び交う。最終回に向けての「自社戦略立案演習」も開始。

課題図書を2冊持って帰ってもらい、そのうちの1冊については、3名が分担して次回報告。ここのところは大学のゼミと同じようなもの。

次回6月が楽しみ。

2010年5月12日水曜日

4大メガバンク研修会社全てで公開セミナーを行う

公開セミナーを実施している研修会社は多数あるが、メガバンク系のコンサルタント会社が良く知られているし、実施駒数が多い。いわゆる「業界大手」と呼ばれている。
それらは、次の四つだ。

SMBCコンサルティング
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
みずほ総研
りそな総研   (順不同)

研修や講演を実施する講師、コンサルタントにとってはこれらの「大手」で講座を持たせてもらうことが一つの認知であり、励みとなっている。

私はさいわい今年、これら4社に加えて、もうひとつの大手東京商工会議所本部などの全てで公開講座を持たせていただく。ありがたいことでもあり、参加者の皆さんに少しでもお役にたつ話をさせてもらうよう勉強したり工夫しなければならないと自戒する。

りそな総研で7・13「必勝の経営戦略」公開セミナー決定

7月13日(火) 10:00-16:45
「必勝の経営戦略はこう立てる」
社長として6社で業績を上げてきた山田の生きた経営戦略!
戦略立案・実践の方法論とプロセスを、演習を盛り込んでわかりやすく解説します。
戦略課題の設定から、販売・マーケティング・組織・オペレーションなどの、自社自部門で使える手法を体得できます。
東陽町 りそな総研 本社セミナールーム
対象:経営者、幹部、経営企画室など

2010年5月8日土曜日

「あなたの会社は」(33)アマゾン総合40位を回復


いやはや、土井英司さんのビジネスブック・マラソンの影響力は大したものだ。

土井さんに「本日の一冊」でとりあげてもらい「是非読むべし」と結んでもらったら、その日のうちにアマゾンでの売上総合ランキングが40位まで回復した。

皆さんに読んでもらえるとうれしい。

「あなたの会社は」(32)ビジネスブックマラソン書評

ビジネス書評家、土井英司氏のメルマガ「ビジネスブックマラソン5月8日」に書評が。

「本日の1冊」全文

こんにちは、土井英司です。

よく、アマゾンのカスタマーレビューなどを見ていると、「自分が
常々思っていたことが書かれていた」などと言いつつ、5つ星をつ
けている人がいますが、ビジネスにおいて本当に役立つ本というの
は、自分の考え方を否定してくれる本ではないかと思います。

本日ご紹介する一冊は、中小企業の社長であれば、おそらくほとん
どの方がやってしまっているマネジメントの間違いを、徹底的に指
摘した一冊。

著者は、MBA経営者の先駆けとして、これまでに6社の外資系企
業の社長を務め、それらの会社をことごとく改善に導いてきた山田修氏。

背中を見せることで部下を導こうとする、面談の予定を組むとき、
思いつきで対象を決める、飲みニケーションに頼るなどといった中
小企業にありがちな慣行をバッサリと切り捨て、やるべきことを淡
々とやる、シンプルなマネジメントを推奨しています。

考え方はシンプルですが、「ゼロベース査定」や、「最低レベルの
5パーセントを毎年切り続ける」「プレイングマネジャーを作らな
い」など、やることは大胆。

「何となく」これまでの慣行や情に流されて決断してしまいがちな
経営者に、明確な指針を示してくれる、そんなマネジメント本です。

ぜひご参考までに、読んでみてください。


土井さんの「ビジネスブックマラソン」メルマガ受信の申し込み先:
http://www.mag2.com/m/0000135008.html

2010年5月7日金曜日

「時頭力を鍛える」(細谷巧)書評(23)


東洋経済新報社、2007年発刊。ロジカルシンキング・ブームの時の著書群の中の一書。

とある書き物をする要があり、類書を読破していたところに、ビジネス読書家の井上和幸氏(経営者JP社長)が薦めてくれた。
私は文学書以外の読み物をするときは、マーカーと附箋、赤ペンを手に、随分本を汚す。本書は類書の中で私による汚され方が一番となった。

アマゾンの読者書評を見ると、賛否両論だが、経営の現場で戦略を短時間に組み立ててきた私にとっては、自分の思考立案プロセスを解説してもらったような書だった。
本書は使えるし、本書による手続き論に異論を唱えている向きは、所詮頭でっかちの「賢しら者」というのが私の感想だ。

週刊現代より取材、「課長、部長、役員」

週刊現代が大型特集をするそうでインタビューを受ける。
「課長、部長、役員」の能力、人格、昇進、抜擢について聞かれる。

「声だし課長」と「沈着課長」のコンセプトで説明。5月17日週発行の号に掲載とのこと。

2010年5月6日木曜日

「会社は部長につぶされる!」IT Mediaエグゼクティブに寄稿

最初にやらなければいけないのに、誰もやっていないこと
 『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)を2月末に上梓しました。お陰さまで好評で、3月に入りアマゾン売上で総合ベスト1を達成しました。第2位となったのが、村上春樹の言わずと知れた『1Q84』だったのでそれも結構な話題となりました。

 これを読んでいる方の多くは、会社の経営者か部長、課長といった管理職の方だと思います。もしそうであれば、本書は必ず役に立つはずです(もちろん、これから経営者や管理職を目指す人にも役立ちます)。

(以下、今日のブログタイトルをクリックするとリンクが)

2010年5月5日水曜日

上海万博と言えば、、 書評(22)


「華僑最強の家業経営」(旧著、1996年日本実業出版社)だろう!

上海万博の開会式が華やかに行われた。TV報道を見ていて、上海への訪問を思い出した。仕事でも何度も行っているが、研究調査旅行で訪れた19996年春の訪問のことだ。上海国際経済相談所の呉寄南教授をお訪ねしたり、上海市の経済発展局の局長や、(財)海外技術者研修協会の上海事務所などを歴訪して、中国の企業が勃興しているさまをフィールド調査したものだ。この夏は、これらの資料により何本も経営学論文を発表した。
嚆矢は、その秋に上梓した表掲書だろう。その時日本法人の社長を務めていた、香港華人系の大手企業、王氏(ウォンズ)のケースを中心に、華僑華人系の経営モデルを日本のそれと比較して解説した。

あれから15年、、。今日のこのブログを書くにあたり、「日華国際経営比較論」の研究の現状をネットで概観してみた。旧著の学術的な価値はまだ失われていないとみた。「わが子可愛さ」かな?

2010年5月2日日曜日

ホテル Chateau de l'Aubriere 人生の達成(2)


パリはドゴール空港でレンタカーを借り、オルレアンの南100km程のミードヨーロッパで所用を果たした。その後バカンスとしゃれこんで、ロレーヌ河畔の古城めぐりにまわったわけだ。

シャトー・オブリエールというそのホテルは何しろ昔の貴族の城なので、石造り3階建て、エレベーターなど無い。小ぶりで居住性は良くない建物だ。その代わり日比谷公園ほどの広大な庭園の中にある。

この庭園がとても手入れが良く、野生の鹿やらハチ鳥、鴨などが目の前を通ったり池で遊んでいたりする。フランスの6月の昼下がりはとても気持ちが良く、庭のベンチで日光浴をしていると、私の他は誰もゲストが通らない。お城を一人占めにした感覚で小一時間座っていた。

55歳の夏、単身のフランス行だった。その贅沢な時間を楽しみながら、私はそんな休暇をビジネスの一環として実行したこと、一人で異国でレンタカーを駆って旅行していること、ツアーでもなくガイドもいない旅程を異国の言葉で不自由なくこなしていること、ミシュランの一つ星がつくそのホテルのレストランを「そんなにはおいしくはないな」などと思ったことを覚えている。

その庭に座って、私は自分のそれまでの30年間が、自分をこのホテルのこのベンチに連れてきたことをしみじみと思い起こした。連れは誰もいなかったが、思い出のホテルとなった。

ホテル Chateau de l'Aubriere 人生の達成(1)



明日からGWの旅行に出かける。出かければホテル、旅館に世話になるわけだ。
「今までのベストホテルはどこだったろう?」
と考えた。海外渡航は100回以上となっている。

ミード社長時代に仕事で訪れたトゥールのキャッスルホテル(昔ながらの城や邸宅をホテルに転用している)に一度だけ泊まった。ここだろう。ミードヨーロッパの工場がトゥールの南にあり、何度も出張した。秘書のHさんが、昔ヨーロッパで料理留学したことがある人だった。
「山田さん、一度はキャッスルホテルに泊まりなさい」
と強く勧められ、
「駅から遠いけど、どおせレンタカーだし」
ということで、そこに行くことにした。  (この項続く)

2010年5月1日土曜日

「段取りのつけ方・仕事のすすめ方」(神谷一博) 書評(21)


「仕事の進め方」というキーワードでアマゾンを検索すると、50冊以上がヒットする。売れ行き1位は、2010年3月、つまり先月発売なので「さもありなん」ということだ。

興味深かったのは、表掲書(日本実業出版)が2003年第1刷にもかかわらず、現在の売れ行き第2位と言うことでロングセラーを続けているということだった。早速、取り寄せて一読。「ロングセラーには理由がある」と分かった。要領良くまとまっていて、読みやすく構成されている。20代のまだ経験の浅いビジネスパーソンにはよいマニュアルだということだろう。
5月の「係長研修」で「推薦図書」に掲げることとした。

社長さんから係長まで教える

連休で、5月に出講する資料やら教材を準備している。

最大のものはもちろん「経営者ブートキャンプ」で、社長さん達を教えるという野心的なプログラムだ。
一方、とある特殊法人では係長職を対象に「仕事の進め方」なる1日セミナーが予定されている。

「あなたの会社は部長がつぶす!」(フォレスト出版)が最近著なので、部長や幹部職を対象にしたセミナー企画、出講の依頼がいくつもある。まことに「係長から社長さんまで」、私はどの層でも教える便利な講師なのだろう。

自身、平社員から経営者までやってきてその数14社、些少の経験だが(これは謙遜です)現役の皆さんのお役に立ててもらったり、参考にしてもらえればそれに越したことは無い(引退仕事としても勝るものがあるだろうか)。

「経営者ブートキャンプ」の教材準備

今週は、5月出講のいくつかのセミナーや研修の教材準備に専念できた。
中でも、5月15日開始の「経営者ブートキャンプ」(6回、6月:今日のブログのタイトルクリックでリンクが)には力が入る。

「経営者(山田)が経営者を教える」「経営者同士(参加者)が教えあう」「豪華4大講師(こんな面子が!)」などの惹句でいろどられる、「本邦初の」プログラムだ。

また参加者の社長さん達には面白い経営者が集まってくれた。海外MBA取得者も何人もいて、このクラスのレベルの経営者をまとめて教えられるのは、社会人経営大学院でもないだろう。教授たちが裸足で逃げ出してしまうのではないか。私にしても大きなチャレンジで、また大きな楽しみだ。

連休は、鬼怒川に出かけてゆっくり鋭気をやしなうことになっている。これも楽しみ。

2010年4月28日水曜日

「CEOを育てる」ラム・チャラン(ダイヤモンド社) 書評(20)「


腹立たしい本だ。筆者は、ウォートンやノースウェスタンのBスクールで「ベスト・ティーチャー賞」を取っているそうだが、つまりサンダーバードの方がずっとよいということだろう。
学術書として読めば即失格だ。証明が無いし、例示が少ない。経営学の二つのアプローチ、「例を多く取り演繹する」か「深く掘り下げてセオリーに導く」のどちらでもない。
初めの方にP&Gのケースと思われる例が10ページも匿名で続くのだが、結論は「2010年ころには結果が見えているだろう」(訳書の発行は2009年)。「リーダーを早期に見つける方法を知ることだ」と指摘して、その方法は示していない。「徒弟制度によるCEO教育モデル」というおもしろそうな提言をしているのだが、唐突でそのモデルをサポートする資料も無ければ、成功例が示されているわけでない。コンセプトだけである。
「育成計画は個々の特性に応じて」と「いかにも」風なことを言っているが、それって共通特性の抽出に失敗して何も言っていないことだ。
最後の章で「CEOの育成は重要なことだ」と結んでいるが、問題は「それをどうする」ということだ。思わせぶりな書名だが、「それをどうする」という根本的な答えを提出していない。

2010年4月25日日曜日

「続・パワー スキーイング」フランツ・ラウター 書評(19)


副題が「F・ラウターの華麗なターンの世界」。フランツ・ラウターのスキー技術解説書。私は彼の写真集としてみている。スキージャーナル社発刊のこの本の奥付けには昭和53年発行とある。私がデモンストレーターを目指して基礎スキーで頑張っていたころだ。

とある経営学の本を書棚で探していたら、この本が転がり出てきた。

フランツ・ラウターは私のヒーローだった。彼の実際の滑りを見たくて、20代後半雫石での彼のスキーキャンプに2回通った。もう全盛期は過ぎていたが、間違いなく私がリアルにみた数多いトップスキーヤーの中で一番格好の良いひとだった。当時のスキー・ファッションリーダーにもなっていた。

3シーズン目に行ったら、ラウターの来日がキャンセルになっていて、日本で全く無名のベルント・グレーバー(若干20歳)が代打ちでと聞かされて、がっかりした。ところがところが、ベルントは私がリアルで見たスキーヤーの中で最高の滑り手だった。この業界でその後知らぬ人はないようになる。

私は今度はベルントを追いかけ、3シーズン彼のキャンプに参加した。何と2回目からは雪の上での彼の通訳をやらされるようになる。普通の通訳(といっても指導員クラス)が、ベルントが滑り下でクラスを見上げるそのタイミングで滑り降りていけないのだ。

全日本デモンストレーター選考会などをその後総なめにしたベルントは、まだ26歳の若さで母国オーストリアで滑走中雪崩で死亡。
「山田さん、スキーをあきらめるな」と最後のキャンプで言ってもらった私の方が雪の上に残されている。

2010年4月23日金曜日

「あなたの会社は」(31)書評(TOP POINT)

『「一読の価値ある新刊書」を紹介する』とロゴが付いている、月刊ビジネス書評誌 TOP POINTの5月号に取り上げられる。本日のタイトルをクリックで同誌のサイトへ。

以下、一部引用:

「企業再建のカギは部長(経営幹部)にあり!6社の経営再建に成功した著者は、こう指摘する。(中略)そんな体験を基に、会社を改革するために経営者が取るべき行動を指南する。

「リーダーになる人のランチェスター戦略入門」(2) 書評18


3月2日と4月3日のブログで取り上げた同書(東洋経済新報社):(本日のタイトルクリックでリンク)の著者、福田秀人さんからおもいがけずメールをいただいた。

私が同書を評価したのは、ランチェスター戦略そのものにも同意するところが大きいからだが、それに加えて従来の定説とされている経営学説(特に横文字用語系)の多くを福田氏が取り上げ、それらを正面から批判していることにある。このような「野党的」な著作はまことに貴重で、その論旨は知的スリルに富む。

福田さんのエネルギーと勇猛果敢な様はまことに気持ちが良いばかりか、経営の現場を渡ってきた私には多くの点で同感、納得するところが大きい。えー、念のためだけで気が引けるのだが、私もいやしくも経営学者の末席を汚しているものである(日本華僑華人学会の創設メンバーで初期数年は役員を務めさせていただいた。専門は日華国際経営比較論)。

福田さんからのメールの一部を、おきて破り風に引用させてもらうと、

「多くのコンサルタントや学者が依拠している理論や、それにもとづく指導や講義を、正面から批判する内容であり、それらの業界からは反論というよりも、無視されて当然と思い、また、実際に、そのとおりで」
ということだそうである。
大野晋先生のタミル語関連説みたいな話だ(この話、ビジネス畑の方には分からない、私は一応国文学者でもあった)。

大論客の福田さんはすでに次の著書の上梓が決まっているそうだ。6月に「意思決定」をテーマで同じく東洋経済出版社から出るそうである。注目して待ちたい。

経営者.jpでの社長セミナー終わる

井上和幸さんが始動した経営者.jpでの社長セミナーを昨日実施した。井上さんはちょうど今週「社長のヘッドハンターが教える成功法則」を上梓したばかりだし、会社は無事発足したしで、まさに順風満帆の船出となった。まことに目でたい。

昨夕はそぼ降る雨で冷たい日にもかかわらず、欠席も少なく、井上さんや牧野さん(井上さんの右腕)のネットワークからの社長さんが来てくれた。結局、延べにして35名ほどおいでいただいたわけだ。

ほとんどが社長さん、経営者、そうでなければコンサルタントといった構成だった。それだけのレベルの方たちから、終わってメールをやり取りさせていただくと、私の話しに納得感・説得感が有ったとか、「腹に落ちた」などと言ってもらえた。

何人かは5月からはじまる経営者ブートキャンプにお申込みいただく。ブートキャンプのことは、タイトルをクリックしてもらうとリンクしている。

「私、医者に行ったほうがいいですか?」山田修 書評(17)

アマゾンから「お薦めメール」が来た。
「以前、山田修さんの本をクリックした方にお知らせです。山田修さんの新刊が、、予約できます」
など。

上記の新刊は私の著作ではない。といって、目くじらを立てる話ではない。アマゾンで「著者」としての「山田修」を引くと、本日現在88冊がリストされる。知らない方は、私が建築学の大家でもあり、韓国旅行記をものするエッセーストでもあると思われているかもしれない。

残念ながら、88冊のうち私のものは最大で13冊、訳書が入っていれば後2冊ということになる。世に、本を上梓している山田修さんはどうも少なく見ても5名はいそうだ。私にも、私以外の著作者に何人の山田修さんがいるか分からない。

もしかして(88-13=)75冊の全てを書いている人が、同一人物、ただ一人の山田修と言う人だったら?
「そんな大博学の人がこの世にいるか!」(しかも私と同姓同名?)頭が痛くなる。「私、医者に行った方がいいですか?」  お後がよろしいようで。

2010年4月22日木曜日

「社長のヘッドハンターが教える成功法則」井上和幸 書評(16)



経営者.jpの井上和幸代表の初著書が上梓された(サンマーク出版)。先週いち早くご本人から初刷りをご恵贈いただき、一読した後に会食する機会があり、感想を申し上げた。

帯に「まずは出世競争を降りなさい」と、井上さんの主なアドバイスの一つが掲げられている。振り返ってみて私の場合も、社長になるためにそれを目指して一生懸命仕事をした、研さんを積んだ、ということではなかった。目の前の仕事を「他の誰よりも」自分が上手くできるという自己満足を追求してきた。その結果、達成があったり自信がついたり、能力が蓄積されてきたと思う。

井上さんは5千人のエグゼクティブを見分けてきた日本一のヘッドハンターだ。これからキャリアを積み上げていこうとしたり、リーダーシップを身につけようと考えているビジネスパーソンにはこれ以上の良書は無いだろう。

2010年4月18日日曜日

経営者の悩みは幹部の能力開発(2)

役員、事業部長、工場長クラスの能力強化を経営者は一番望んでいるわけだ。
そして、階層的な構造を見れば、これらの人たちの能力の度合いが会社全体の業績への影響度が一番大きい。もちろん経営者自身に次いで、ということだが。

ところが、社員の能力強化を担うべき人事部研修担当の悩みはここにある。幹部クラスは、能力開発が社内で一番(相対的に)進んでいる人材がそこにたどり着いているわけだ。研修担当としては自分より上位であるばかりでなく、自分より優秀な階層を指導する自信も持てなければ方策も確として持てない。

外部の研修会社に頼んでも「階層別の研修」を看板に掲げるところはいくらでもあるが、内情はせいぜい中間管理職あたりをカバーするくらい。後は経営者自身を対象とした「トップセミナー」に飛んでしまう。

幹部階層の能力強化は、いわば「研修のブラックホール」となっているのが現状だ。

2010年4月17日土曜日

経営者の悩みは幹部の能力開発(1)

本日出講した、経営者対象の「モノ・カネが無くてもできる勝てる組織作り」(インサイトラーニング社主催)でのことだ。

企業の階層図をしめし、社長さん達がどの階層の能力強化について一番の悩みか、ということを問うた。
 経営者自身 25%
 経営幹部  50%
 管理職   25%
 一般社員   0

という挙手となった。経営幹部の能力開発が一番切実となっている

2010年4月16日金曜日

4.13SMBC幹部セミナー参加者感想

メールをいただいた一つ。

まずは、参加させて頂き有難うございました。研修自体は非常に
理解しやすく、講師の方も話し上手でアイスブレーキングなどもあり、
全員参加型の研修でした。
印象に残っているのは、戦略を立てるときには文章に固定する⇒
実際やってみると、頭ではイメージできていても文章化するとな
ると、少し苦労致しました。それと、抜擢の部分です。弊社の規
模には合わないような気がしておりましたが、全くそのようなこ
とはないということを、認識できました。これから弊社が勝ち残
っていくには、年功序列型の人事も残しつつ、抜擢人事・実力人
事も積極的に取り入れていかないと、生き残れないと痛感しました。

「50日で変わる儲かる経営幹部の作り方」セミナー実施

本日から、「社長のための」と銘打った

「50日で変わる儲かる経営幹部・組織・戦略の作り方」セミナーを実施。
本日は二クラスとも満員。思いがけずに著名な経営者、著名な会社の社長などにご出席いただき、
活発でインタラクティブなセミナーとなった。社長たちが本音で語り合い、体系的に学びあえる場が日本にはほとんどない現状を再認識。


残りも、22日19時のみ若干空きがあるだけ。お申し込みはお早めに。

4月15日(木) 16時―18時/19時ー21時
4月16日(金) 16時―18時
4月22日(木) 16時―18時/19時ー21時
恵比寿 経営者.jp セミナールーム

問い合わせ、申し込みは今日のタイトルをクリック。

2010年4月14日水曜日

「あなたの会社が買われる日」(旧著) 書評15



「あなたの会社が買われる日」(PHP研究所)は、私が上梓した唯一の小説だ。といって、他に書いた小説があるわけではない。

2006年に、同書のタイトルで経営書を書くように依頼され、考えた挙句中編の小説を三つ書きあげ、出版社に提出してしまった。担当編集者は、同書のタイトルで出版企画を通してしまっていて、そのまま活字にしてくれた。三つの作品のタイトルはこうだ。
「新社長就任」
「投資ファンドの正体」
「社長たちの反乱」

だから、本全体のタイトルと三篇の整合性が大いに損なわれている。読者レビューでも、
「M&Aのビジネス書かと思って購入したら」
などと指摘されてしまった。

本書はしかし、私の執筆意欲を大きく満足させてしまった。とても分かりやすく、しかし品悪く説明すると、執筆者としての排泄欲が達せられた。作家としての満足度も大きかった(これを自己満足という)。この後数年私は本格的に筆を取ることはなかった。

今日なぜブログで旧著を取り上げたというと、なんとこの作品だけ、ネットで「立ち読み」(全文閲覧)になっているということを聞いたからである。CO2さんという読者からのお知らせだった。

今日のブログのタイトルをクリックしてみてほしい。

SMBCコンサルで「経営戦略」セミナー実施

「経営戦略の立て方、使い方」(午前)と「幹部社員の役割と実務」(午後)のタイトルで2講セミナー実施。
経営者や幹部など、40名。

数名が「役に立った」という回答以外、ほぼ全員が「とても役に立った」というアンケート回答。

2010年4月12日月曜日

「社長の勉強法」池本克之 書評14



著者の池本氏には、5月からはじまる「経営者ブートキャンプ」で特別講師をお願いしている。同氏のご新著だ。とても多くの点に同感できた。「本を読むとき、マーカーと附箋で」というところは私も昔から実践している。しかし、池本氏はそう主張しているだけでなく、本書ではすでに重要なところに、マーキングが網がけとして印刷されている。

「キャリアゴールを決めて」というアプローチもそうだ。池本氏はゴールからの逆算により、細かな学習スケジュールの設定法まで示している。私が勧めているのは、「3年計画を立てろ」と言うことだ。3年なら、controllableであるという人生の真実があるからだ。

ビジネス人生の中で上昇志向のある方には是非勧めたい、具体的な方法論の本だ。

「祝宴」ディック・フランシス?書評(13)


今回はビジネスとは関係ない。

私はディック・フランシスのファンである。イギリスの障害場馬術のチャンピオン(リーディング・ジョッキー)だった人物が、推理作家としてこのような才能を発揮できるものかと、驚くばかりだ。

今年の2月に88歳での訃報が伝えられ、もう彼の新しい作品は2度と読めないとがっかりしたものだ。少なくとも後期の作品には、夫人であるメアリの関与が言われている。その役割は小にしてリサーチャー、大なる場合は夫人の代作だったと言われているそうだ。

今日ブログで取り上げたのは、ハヤカワ・ミステリ文庫に今月「祝宴」がラインアップされ、それを読んだからだ。日本で翻訳出版された彼の著作は全て読んでいたつもりだった。ディックフランシスが80代に入り「再起」という作品以降は、二男のフェリックスとの共作という表示がなされている。「祝宴」もそうだ。

ファンサイトでは、
「小説創作の親子承継なんてありなのか」とか、
「日本画では狩野派など、家業だろう」とか
「フェリックス作の祝宴は出来がいいから、それでよい」
などと書き込まれている。

30冊以上のディック著作を読んできた私としては、
「やはりフレーバーが違うだろう」
と思ってしまう。

偉大なる父親が逝去して、これ以降に発表される作品にはフェリックス単独の作家名が冠されることになる。
我々は本当に「Dick Francis Jr.」を読めることになるのだろうか。楽しみでもある。

2010年4月11日日曜日

今週は6回も出講が。風邪も引けない

今週は行ってみれば「魔のロード」だ。2回のセミナーと4回の講演がある。
17日(土)は午前中に「やり方を変えろ!モノ・カネが無くても勝てる組織作り」というタイトルで、社長さん達を対象に話す。
ここまでで、「今週の6回出講」なのだが、それに加えて午後から、参加者の中から希望者に個別経営相談会を行う。もう何人も申し込みがあるそうだ。

風邪も引けない。怖いのは、咽喉をつぶすことだ。夜のスチーム吸入を怠らないようにしよう。
学生時代スキーのプロだった。夜はストレッチとスキー板のワックスがけを欠かさなかった。体と道具の手入れはどの商売になっても大切なことだと心から思う。

回数が多いとて、大味になってはならない。個々のイベントの参加者の皆さんに役に立ってもらえるよう、私も集中して実施する覚悟だ。

山田修とハローナイツをご存知ですか



先週、新音源として「人を見抜く技術」CDのスタジオ音入れを行った。53分の内容で間もなくフォレスト出版から市販される。

CDといえば、「山田修とハローナイツ」というムード歌謡グループをご存じだろうか。中年男性ばかりで構成されていて、最大のヒットはTVアニメ「こちら亀有派出所」の主題歌である。

この歌手名を発見して座興でアマゾンで取り寄せたことがあった。会社の方に届けてもらった。秘書のHさんが、外装は開梱して持ってきてくれた。その時ふとジャケットに目が行って、彼女の目が点になってしまった。
私は
「このことは社員の人たちには内緒だ」
と、おもむろにHさんに告げた。

その日の午後から社内では、
「山田社長がCDを出した」
という話しで持ちきりになった。

2010年4月10日土曜日

社長のための「50日で変わる..」セミナー 満員ま近

社長のための特別セミナーと銘打った「50日で変わる!儲かる経営幹部・組織・戦略の作り方」の申し込みが好調。

5セッションを用意したが、幾つかはすでに満席。
4/15(木)16:00~18:00
4/15(木)19:00~21:00
4/16(金)16:00~18:00
4/22(木)16:00~18:00
4/22(木)19:00~21:00

ご興味のある方は、タイトルクリックから駆け込みで。

部長研修はブラックホール?

「経営者はどこで勉強」というタイトルで、1月まで10回このブログで書いた。その結論は
「自分で勉強するしかない」。
それでは
「どこでどう勉強すればいいんだ」
という問いに対して用意したのが
「経営者ブートキャンプ」
だった。
http://www.keieisha.jp/seminar100410.html

会社組織を階層で考えて、もう一つ研修の対象から外れてしまっているのが、実は部長などの上級管理職である。階層研修では新任管理職や中間管理職まではいろいろなプログラムがあるのだが、人事部の研修部門からしたら、役員や上級管理職は自分たちより階層が上で、しごきにくい存在だ。
それにそもそも、部長たちの方が研修担当者より能力開発が進んでしまっているので教える自信が無い。外部の研修会社にしても、「偉い人たち」を教えられるコンサルタントやプログラムが無い、という状況だ。

私が最新刊「あなたの会社は部長がつぶす!」(フォレスト出版)を上梓したところ、文字通り部長を対象とした研修やら講演の依頼、引き合いが来るようになった。穴が開いていたことは確かだ。

2010年4月8日木曜日

「だれでも一流講師になれる71のルール」茅切伸明 書評(12)



同書(税務経理協会)は、茅切伸明氏著、箱田忠昭氏監修である。ご両人とも親しくご指導いただいている方たちだ。箱田さんは「カリスマ講師」として隠れもない、この業界の大立者、著者の茅切さんは日本最大の研修会社であるSMBCコンサルティングの大阪で、セミナー企画に辣腕をふるった人として、「知る人ぞ知る」存在である。

テーマとしては「業界もの」で、一般事業会社のビジネスパーソン向けではない。しかしその中身は濃い。「セミナーの主役は講師ではない」、「優れた講師ほど謙虚だ」、『オンリーワンのテーマを作れ」など。

セミナーや研修受講者の教育機会の質向上と、教育効果の実現を心がけている私には大変益のある本となった。すでに講師、これから講師を目指す人、そして人を教える機会や立場にある人にはとても役に立つ本だ。

大局を見よ、細かく分析するな

メガバンク系の研修会社はどこも月刊ビジネス誌を編集している。今回はそこの一つに頼まれ、巻頭言のようなものを書いた。発行されるのは5月なので、誌名などはまだ公表しない。

そこで幾つかのポイントを記した。一つは、戦略を立てるときには「細かく分析するな」というもの。およそ世に出ている「戦略本」の類をひも解くと、「分析フレームワーク」のオンパレードだ。しかし、あれはコンサルタント向けのもの。経営実践家には向かない。

経営者たるもの、情勢分析は3Cでよい。Company, Competitor, そしてCustomerだ。前2者はそれらの「強み」を、顧客(あるいは市場)については「不」の付くものを見る。不平、不便、不満だ。それらを解消できる当社の強み、競合の強みを考える。

あまり細かく見ない、考えない。戦略作りは「ざっくりと見渡す」ことから始める。

沢田研二と運動

昨晩NHKにチャネルを合わせたら、我らがジュリーが熱唱していた。
後ろで、みんなの党の党首、渡辺善美議員がギターをかき鳴らしながらシャウトしていたので魂消たら、共演のワイルドワンズの人だった。「ジュリー ウィズ ワイルドワンズ」という特別歌番組。

みんな年をとった。沢田研二は私より一つ年上で61歳である。作家の桐野夏生氏が「ジュリーが私の青春のすべてだったんだわ」とおっしゃったのを覚えている。桐野さんが20代の前半のころで、その頃数シーズンに渡り私のスキー仲間だった。大変な美少女だった。

番組で我らがジュリーは、座って座談をしている分にはまだよいのだが、立って歌っている姿を見るのが辛かった。「TOKIO」などの当時の名曲を熱唱してくれ、その歌唱やパフォーマンスはまだしも、立ち姿そのものが辛い。不定で弱弱しい下半身、前かがみで姿勢が崩れ出した状態、、。私と同年なのに、「おい、どうした」と思ってしまった。

アラ還(還暦)世代にとって、それまでの運動歴や現在の運動習慣がその姿勢や容姿に決定的な差をつけてしまう。顔貌はメークで糊塗できようが、歩き姿でその人の肉体年齢と健康度が見透かされる。栄養と休養だけではだめだ、みんな、運動しよう。

2010年4月3日土曜日

「ブルーオーシャン」と「ランチェスター」 書評(11)

図書(10)で「ブルーオーシャンとコーポレートブランド」(藤田務)を、図書(9)では「リーダーになる人のランチェスター戦略入門」(福田秀人)を評した。二つの相対するかのような著書を読み比べて、私は福田秀人「ランチェスター」の方への同感が非常に強い。

世の中に存在する企業の99%以上が、企業リソースに富まない中小企業であること、それらの中小企業はのがれることのない苛烈な競争社会(レッド・オーシャン)で生き続けなければならない現状がある。

福田の喝破によれば、「ライバルの顧客を奪い、生き残る」ことが最大の競争戦略となっているのである。一方、ブルーオーシャン戦略を標榜する藤田はたとえば、その成功例としてグーグルを挙げるのであるが、日本の万と存するIT企業に対して「これからグーグルを目指せ」などと啓蒙するのはあまりに馬鹿げていることが分かる。

ドラッカーは、企業の目的を「顧客創造である」と定義したが、私に言わせれば「中小企業にとっては、新しい顧客を創造する前に、既存の顧客を守りもっと売り込め、そして競合の既存客を奪い取る算段を考えろ」ということになる。

超大企業にして初めて選択が許されるような戦略をトピックにするときは、その旨(これは皆さんには役に立たない話です)というのを断わった方が良い。

2010年4月2日金曜日

「ブルーオーシャンとコーポレートブランド」藤田勉 書評(10)


「ブルーオーシャンとコーポレートブランド」は毎日新聞社からの新刊である。著者の藤田務氏は、日経アナリストランキングで4年連続1位の方だそうだ。

やれやれ、困った本だ。
藤田氏の見解によれば、日本でブルーオーシャンを成功させた会社やプロジェクトには次のようなものがある。
  トヨタ(レクサスとハイブリッド)
  NNTドコモ (iモード)
  任天堂 (ゲーム)
  ソニー (トランジスタなど)
  ファナック(CNC装置)
  セブン&アイ (コンビニ)

これらの企業やプロジェクトが現在も抜群に成功しているかにも議論がある。そして、そもそもこれらの企業に追いすがろうという努力を啓蒙しようとしているのが正しい方向付けなのか。総務庁「事業所・企業統計調査」によれば、中小企業の会社数は約150.8万社で、全会社数に占める割合は99.2%という。99.2%のこれらの会社に上記のようなプロジェクトを創出せよとなぜ勧められるのだろう。

経営の現場に出たこともない、証券アナリストの頭でっかちの机上創作としか言いようがない。