2010年5月31日月曜日

「どうしてあなたは部下とうまくいかないのか」堀之内高久 書評(28)



「結論から言うと」(このフレーズから言い始めろ、と著者が言う)面白さも中くらいなり、か。

私はビジネス書の面白さを測る尺度の一つに、読み終わった後に貼った附箋の数で数えたりする。本書に貼った附箋は20枚位か。

でも切り口として、心理学者が書いた人間関係論なので、ユニークなものがあり、その点では新奇で勉強となる。
   「部下を褒めるのは間違い」で「ねぎらうのが正しい」
   「A君、君も私のことをむかつくやつと思っているんじゃあないか?」と「率直にエレガントに語りかけよう」
などの指摘は新しい視点だと思わないか!?

2010年5月30日日曜日

「変わる技術」としての「戦略カード」と「シナリオ・ライティング」

先週は、とある出版社から取材を受けた。

その編集の方は「変わる技術」をテーマに考えを練っているという。「何か具体的な技法は無いか」ということなので、私の「戦略カードとシナリオ・ライティング」の技法のことを披歴した。この方法は私が整理していたるところのセミナーやらコンサルティングで使っているオリジナルの方法だ。具体的には戦略の立案やら、役職者の問題解決などに使っていただいている。

編集の方には大分ご興味を持っていただいた。この技法についての出版企画が始まるかもしれない。その場合はまた順次ブログにもアップしていきたい。

2010年5月29日土曜日

「20さいのときに知っておきたかったこと」ティナ・シーリグ 書評(27)


阪急コミュニケーションズより。3月25日発刊で、私が入手したのは10刷りだというので、売れているということか。しかし出版社の中には第2刷りを必ず「第11刷り」と表記するところがあるのを知っているので、「そんなに本当に?」と思ってしまう。
スタンフォードにBスクール(もちろんMBAが行くビジネス・スクールのこと)ならぬDスクールと言うのがあり、著者はそこの責任者だそうだ。アントレプレナー・センターという正式な名前の方が理解しやすい。

本書を読むと、シリコンバレーなどに輩出され続けているアメリカの起業家たちは、教育機関的には著者のようなところにけしかけられているのだなと言うことが分かった。日本の大学や社会人経営大学院にはなじまないだろうとも思ってしまう。私自身の法政大学の博士課程での指導教授が「企業家論の権威」清成忠男総長ご自身だった。その関係もあって私も先生の「企業家論」などのクラスなどを取らせていただいた。その実経験の上からの感想である。

一方、私が現在主宰している「経営者ブートキャンプ」の方は参加者が経営者の方々なので、これらの人たちを本書でけしかけたいと思っている。ブートキャンプの課題図書に取り入れようと思う。

2010年5月28日金曜日

「企業戦略論」ジェイ・バーニー 書評(26)



大著。全三冊。経営学が学問だということなら、そのアカデミーとしての一つの近過去における到達点のような著作。「それでいて読みやすい」という定評もその通り。

各章末の参考文献リストに圧倒される。これらの文献を渉猟するだけで、2000年までの北米における経営学の論文、文献で意味のあるものはほとんど網羅されるのではないかと思われるほど。

私は、バーニー自身の理論である「RBV:Resource Based View」のことを読みたくて入手。それが含まれる第1巻を読了。この理論自体にはいろいろ突っ込みどころがある。

経営の資源として言われてきたヒト・モノ・カネに、「組織」を付け加えて「4大要素」としようと提唱しているところは納得。私が
「組織戦略が最重要」
「社長は1人では何もできない」
と主張しているところと合致。

「突っ込みどころ」に関しては他日のブログに書くかもしれない。

2010年5月26日水曜日

「組織活性化セミナー」支配人の方たちへ

某ファンドが出資している先の事業会社の支配人を集めての研修で2時間強話す。ファンド側からの出席も加えて50名弱。


リーダーたるものは預かった組織(企業)をいかに最強化を図るべきか、私が実践したケースを話し、それを演繹したセオリーを示し解説する。願わくば、参加者の各現場でそれらのセオリーが帰納活用されんことを。

事前読書課題として、「あなたの会社は部長がつぶす!」が指定されていた。ところが多くの参加者が、加えて「実践 52週間企業再生プログラム」(ダイヤモンド社)まで入手して読了していたことに驚く。どうりで後者が、このごろアマゾンでの中古本の価格としては上がってしまっていたわけだ。

事前によく読んで来てくれた参加者の皆さんから的を得た質問が続き、私の声は嗄れてしまった。しかし、質問が多発すると、心地よい充実感に包まれる。

2010年5月25日火曜日

「モノ・カネが無くてもできる勝てる組織作り」経営者セミナー

標記セミナーを開催。インサイトラーニング主催。経営者・幹部約20名。

午前一杯でセミナーは終了。午後から、夜まで個別経営相談。6名の社長さん達と1時間ずつ。

相手変われど主変わらずで、会場のホテル会議室に座り続け。どっと疲れた1日だった。でも、経営相談は全て状況が異なっているので、おもしろい。想像のつかないような業態からの相談もあった。

2010年5月24日月曜日

2日間の経営個別相談が開始


「あなたの会社は部長がつぶす!」の読者カードを送ってくれた方のみに、サプライズ・イベントとしてお知らせした私の特別社長セミナーが明日行われる。「モノ・カネが無くてもできる、勝てる組織作り」というタイトル。

このセミナーに申し込んだ読者に対してさらなる特別プログラムとして、個別経営相談を1時間程度行うと希望を取った。前回、4月17日の好評が伝わったのか、今回は明日だけでは対応できず、特別セミナーの前日である本日も個別相談に追われる。

世に、「浜の真砂は尽きぬとも、げに経営者の悩みは尽きることなし」ということなのか。

2010年5月23日日曜日

マーカー、赤ペン、附箋が読書の三種の神器

読書には2種類ある。「楽しむ読書」と「情報を集める読書だ」。前者は、小説やらミステリーで、後者はビジネス書の類である。前者の場合は、思う存分時間をかけて悠然と楽しむのが良い。

しかし、ビジネス書を読むときは効率を旨としよう。というのはおよそ世の中に出ているビジネス書というのは無限にあり、必要とすべきポイント、情報は玉石混淆のように提示されている。B-スクールに留学でもすれば、速読術なくしては、卒業がおぼつかなくなる。

そこで私が実践しているのが、「ビジネス読書、三種の神器」というわけだ。その要諦は「できるだけ本を傷めつけろ」というものである。

気になるところ、重要な文章や段落にはマーカーで色を付ける。そして感想やら自分の反論を赤で書きこむ。そんなことをしたページには附箋を付けておく。

「どこに注目するか」
「そのポイントに対しての自分のスタンスは?」
「メモを書き込むことで自分の考えやポジションがまとまる」
「附箋をつけることで、後刻参照できる」

というわけだ。本日の別部録記事に書いた「もし高校野球の女子マネージャーが。。」はこの方法で2時間で読み飛ばした。でも要点は抑えて、ブログにレビューを載せた。こんな具合が私の読書術だ。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 書評25



経営者ブートキャンプ受講生(社長さん)からの推薦図書の一つ。ご存知ただ今のベストセラー。私が入手したのは、第12刷り(初版は'09,12月)。

あのダイヤモンド社がこんなくだけた(迎合的な)タイトルを付けるようになったの!?著書の岩崎夏海さんという人は放送作家だそうで、ストーリーの進行がいかにもTVの三か月番組みたいで手慣れているし、こなれている。そして当然ながら無理がある。ドラマとしての筋立てに何とかドラッカーの警句をちりばめようというのだから、どこかに牽強付会が発生するのは仕方のないことだ。

たとえば、高校野球部の定義が「顧客に感動を与えるための組織」と言い切ってしまっていいものか?私は高校の時、ボート部で、それもインターハイと国体の本大会で準決勝まで行った口だ。高校野球なら甲子園の本大会の準決勝というわけで、私も本格的に部活をやっていた。

部活の強豪校の実態というのは、ドラッカーの組織マネジメントや消費者運動、マーケティングの概念で切り分けるの今一つなじまない。

本書の良点は、ストーリを追っているうちに、散りばめられたドラッカーの箴言を何十となく読まされることであろう。ドラッカーとの邂逅に寄与するという点でよろしいかと。「漫画で読む源氏物語」だって意味があるのと同じだ。

2010年5月22日土曜日

生きてるだけで丸儲け


明石家さんまの娘でタレントのIMARUは本名も「いまる」という変わった名前だそうだ。さんまが自分の座右の銘、「生きてるだけで丸儲け」を縮めたのを娘の名前にしたそうである。何という人生の哲学だろう。

本日テニスをした、その仲間の幹事をしてくれているのがYさん。一昨年ガンを発病し、そのころは抗がん剤の副作用で丸はげとなっていた。運動は禁忌ではないというのでテニスに出てきていたが、風貌の変容もあり、痛ましいことに仲間は見ていた。

それが奇跡のように、昨秋ガンが無くなったということで、冬には私とスキーにも出かけられるようになった。髪ももどり、今日もテニスボールと戯れている。たわいのないミスをすると、照れ隠しか「アッツ、イケネー」と自分を叱り、その後破顔一笑して笑い飛ばす。それが本当に楽しそうだ。

Yさんの今日の様子を見て、私も気にかかっていたことがあったのだが、そんなことがとても小さなことに思えてしまった。「生きてるだけで丸儲け」そう思えば、たいていのことはつまらぬこととなる。人生を悠々と楽しもうではないか。

週刊現代より取材、「課長、部長、役員」(2)何と中止!

5月7日のブログで書いた、週刊現代からの取材のこと。
テーマは

「人事ほど面白いものはない 

~部長からの人、部長までの人・課長からの人、課長までの人~」

までだった。5月24日号に掲載との予定を聞いて、皆さんにメールなどで案内をしていた。ところが数日前に連絡あり、

「口蹄疫などの関連で記事構成が大幅にさし代わり」

という謝罪があり、掲載が無くなってしまいました!週刊誌ではその速報性によりよく企画変更がある。書いてくれた貴社の方も悔しがっていた。

2010年5月21日金曜日

Mr. David Fisherに遭う

中央線のショッピングセンターのエレベーターに、アメリカ人の老人が乗ってきた。面影から「もしや」と思い、声をおかけしたら、恩師のMr. fisherだった。もう80代の半ばだろうか。異国の地で一人住まいをなさっているはずだ。

Mr. Fisherには、国際関係学院(日米会話学院の上級校)で私が20代の終わり、Cross Cultural Communicationなどを教えていただいた。サンダーバードの日本同窓会を組織された方でもある。私がサンダーバードを志すにあたり、快く推薦状を書いてくださった。

70年代には、国際関係学院とサンダーバードの提携に奔走されたが、果たされなかった。その動きは、私が日本同窓会長となった90年代に私が引き継ぎ、慶応ビジネススクールと法制大学社会人経営大学院に持ち込み、サンダーバードの学部長の両校訪問などをアレンジした。しかし、いずれも実ることはなかった。

サンダーバードはその後はというか、今では中国で提携を実現している。日本は置き去りにされた形だ。大変残念なことでもある。

2010年5月20日木曜日

Mixiを始めました

経営者ブートキャンプの参加者と私のために、事務局がMixiにコミュニティを作ってくれた。そのため、私も初めてMixiに参加。そのコミュニティにはたとえば、読書課題の感想文が貼り付けられ、私が適宜コメントをしていく、などで使う。もちろん、「クラス掲示板」としての役割も。

この「経営者ブートキャンプ第1期」というコミュニティが、会期終了後もそのまま1期生に解放され、志のある経営者同士のネットワークの基地となっていくことを願っている。

2010年5月18日火曜日

あなたは野球少年、漫画少年、それともラジコン少年?

先日の講義で、マネージャーの「原性格」という話をした。

このブログ記事の場合、男性のみのことで申し訳ないが、経営者はもとより、全ての男性の原性格は次の三つから構成されるというのが私の観察だ。

   野球少年 (肉体派)
   漫画少年 (文学派)
   ラジコン少年 (理系)

この三つの要素のどれかに傾きそして適当にブレンドされて、全ての人の男性格は形成される(山田説)。

山田修はそれではどうだったかと言うと、漫画少年だったろう。長じて成人後に至ってから野球少年に変節したか。

今では「弓手(ゆんでと読む:元国文科)にミステリー、射手(いて)にテニス・ラケット」と言う訳だ。「弓手と射手」は「お箸を持つ手とお茶碗を持つ手」と表現されることがある。

2010年5月16日日曜日

海外MBA経営者が払底する


70年代は、「MBAは2度転職してトップに躍り出る」と言われていた。日本に社会人経営大学院など無かった時代で、MBAといえば欧米のMBAのことだ。「トップ」とは外資企業の社長に、ということである。
当時はMBAホルダーとは、外資社会で水戸黄門の印籠を持って渡り歩くようなものだった。

90年代にMBA留学ブームがあり、いわば供給過剰状態が今に続いていた。現在も経営者レベルの年代として、海外MBA取得者は十分に数が足りているだろう。

ところが、、、。200年代になって、社会人経営大学院が雨後の筍のように設立された。在職のまま、1年百万に満たぬ経費で国内MBAが取得できる。欧米に2年間留学すれば、千万円の出費と、収入の中断を覚悟しなければならなくなった。私費留学はいかにも高価に見えるようになった。
そこへ来て、リーマンショックにより、企業派遣留学生の枠が息の根を止められる状況が出てきた。いまでは北米のトップB-スクールへの日本人留学生は、各学校学年一人とか二人とかいう状態を聞く。

チャンスではないか!断言するが、2020年代は海外MBAホルダーで40代は、グローバル企業により「鐘と太鼓」で求められる。

日本の社会人経営大学院との決定的な違いは、やはり語学力、そして異文化間マネジメントへの対応力だろう。2000年代と2010年代は、海外MBA取得者の世代ギャップとなってきている。現在は新卒の、エントリーレベルのマネージャーの問題だが、10-15年後には、在日外資トップの候補者の払底と言う形で事態が進む。
志がある若手ビジネスパーソンは今こそサンダーバードへ行け!

SMBCコンサル月刊誌「MiT」に巻頭記事 書評(24)


大手研修会社、SMBCコンサルティング社が月刊で発行している経営情報誌が「MiT」誌。

その6月号の巻頭特集記事が「転換期の視点」というもの。そこの頭に私の談話が1ページにわたって掲載された。要旨は「戦略策定にあたり、社長がいかに幹部とキャッチボールしながらそれを進めていくか」ということ。本日のブログのタイトル・クリックでリンク。

研修会社の大手としてはメガバンク系の4社が知られているわけだが、私は以前にもSquet誌(三菱UFJリサーチ&コンサルティング社発行)に巻頭論文を4ページ書いている。

いずれも、私のホームページサイトの「著書」ページに示しているので、興味のある向きは覗いてほしい。

2010年5月15日土曜日

経営者ブートキャンプ開講。志のある経営者たちを教える喜び。

本日から、いよいよ「経営者ブートキャンプ」が開講した。

月一回(土曜日)、6回にわたり10月まで。

本日はサプライズ・講習生として新将命(あたらしまさみ)さんが参加され、他の講習生は驚くやら、喜ぶやら。
新御大が演台側ではなく、参加者側に座るセミナーなど、ここ以外にないだろう。

これだけの経営者層を体系的に教えるプログラムはおそらく日本で初めて、唯一のものではないか。少なくとも私は知らない。私も思い入れあり、十全に準備したつもりだ。幸い、後の懇親会でも講習生の満足度はずいぶん、あるいは非常に高い。

「ネットワーキングの構築」も強調しているので、小グループを形成して、リーダーも選んでもらう。懇親会がなくとも結束ができ始めている。志の高い、向上意欲の高い経営者仲間を見出すことができて皆喜んでもらっているようだ。私も嬉しい。

今日のメイン・テーマは「成長戦略」。実践体験を基にした私の講義。そのほか、参加者社長の中から、4名が自社事例プレゼンを行い、盛んに質問が飛び交う。最終回に向けての「自社戦略立案演習」も開始。

課題図書を2冊持って帰ってもらい、そのうちの1冊については、3名が分担して次回報告。ここのところは大学のゼミと同じようなもの。

次回6月が楽しみ。

2010年5月12日水曜日

4大メガバンク研修会社全てで公開セミナーを行う

公開セミナーを実施している研修会社は多数あるが、メガバンク系のコンサルタント会社が良く知られているし、実施駒数が多い。いわゆる「業界大手」と呼ばれている。
それらは、次の四つだ。

SMBCコンサルティング
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
みずほ総研
りそな総研   (順不同)

研修や講演を実施する講師、コンサルタントにとってはこれらの「大手」で講座を持たせてもらうことが一つの認知であり、励みとなっている。

私はさいわい今年、これら4社に加えて、もうひとつの大手東京商工会議所本部などの全てで公開講座を持たせていただく。ありがたいことでもあり、参加者の皆さんに少しでもお役にたつ話をさせてもらうよう勉強したり工夫しなければならないと自戒する。

りそな総研で7・13「必勝の経営戦略」公開セミナー決定

7月13日(火) 10:00-16:45
「必勝の経営戦略はこう立てる」
社長として6社で業績を上げてきた山田の生きた経営戦略!
戦略立案・実践の方法論とプロセスを、演習を盛り込んでわかりやすく解説します。
戦略課題の設定から、販売・マーケティング・組織・オペレーションなどの、自社自部門で使える手法を体得できます。
東陽町 りそな総研 本社セミナールーム
対象:経営者、幹部、経営企画室など

2010年5月8日土曜日

「あなたの会社は」(33)アマゾン総合40位を回復


いやはや、土井英司さんのビジネスブック・マラソンの影響力は大したものだ。

土井さんに「本日の一冊」でとりあげてもらい「是非読むべし」と結んでもらったら、その日のうちにアマゾンでの売上総合ランキングが40位まで回復した。

皆さんに読んでもらえるとうれしい。

「あなたの会社は」(32)ビジネスブックマラソン書評

ビジネス書評家、土井英司氏のメルマガ「ビジネスブックマラソン5月8日」に書評が。

「本日の1冊」全文

こんにちは、土井英司です。

よく、アマゾンのカスタマーレビューなどを見ていると、「自分が
常々思っていたことが書かれていた」などと言いつつ、5つ星をつ
けている人がいますが、ビジネスにおいて本当に役立つ本というの
は、自分の考え方を否定してくれる本ではないかと思います。

本日ご紹介する一冊は、中小企業の社長であれば、おそらくほとん
どの方がやってしまっているマネジメントの間違いを、徹底的に指
摘した一冊。

著者は、MBA経営者の先駆けとして、これまでに6社の外資系企
業の社長を務め、それらの会社をことごとく改善に導いてきた山田修氏。

背中を見せることで部下を導こうとする、面談の予定を組むとき、
思いつきで対象を決める、飲みニケーションに頼るなどといった中
小企業にありがちな慣行をバッサリと切り捨て、やるべきことを淡
々とやる、シンプルなマネジメントを推奨しています。

考え方はシンプルですが、「ゼロベース査定」や、「最低レベルの
5パーセントを毎年切り続ける」「プレイングマネジャーを作らな
い」など、やることは大胆。

「何となく」これまでの慣行や情に流されて決断してしまいがちな
経営者に、明確な指針を示してくれる、そんなマネジメント本です。

ぜひご参考までに、読んでみてください。


土井さんの「ビジネスブックマラソン」メルマガ受信の申し込み先:
http://www.mag2.com/m/0000135008.html

2010年5月7日金曜日

「時頭力を鍛える」(細谷巧)書評(23)


東洋経済新報社、2007年発刊。ロジカルシンキング・ブームの時の著書群の中の一書。

とある書き物をする要があり、類書を読破していたところに、ビジネス読書家の井上和幸氏(経営者JP社長)が薦めてくれた。
私は文学書以外の読み物をするときは、マーカーと附箋、赤ペンを手に、随分本を汚す。本書は類書の中で私による汚され方が一番となった。

アマゾンの読者書評を見ると、賛否両論だが、経営の現場で戦略を短時間に組み立ててきた私にとっては、自分の思考立案プロセスを解説してもらったような書だった。
本書は使えるし、本書による手続き論に異論を唱えている向きは、所詮頭でっかちの「賢しら者」というのが私の感想だ。

週刊現代より取材、「課長、部長、役員」

週刊現代が大型特集をするそうでインタビューを受ける。
「課長、部長、役員」の能力、人格、昇進、抜擢について聞かれる。

「声だし課長」と「沈着課長」のコンセプトで説明。5月17日週発行の号に掲載とのこと。

2010年5月6日木曜日

「会社は部長につぶされる!」IT Mediaエグゼクティブに寄稿

最初にやらなければいけないのに、誰もやっていないこと
 『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)を2月末に上梓しました。お陰さまで好評で、3月に入りアマゾン売上で総合ベスト1を達成しました。第2位となったのが、村上春樹の言わずと知れた『1Q84』だったのでそれも結構な話題となりました。

 これを読んでいる方の多くは、会社の経営者か部長、課長といった管理職の方だと思います。もしそうであれば、本書は必ず役に立つはずです(もちろん、これから経営者や管理職を目指す人にも役立ちます)。

(以下、今日のブログタイトルをクリックするとリンクが)

2010年5月5日水曜日

上海万博と言えば、、 書評(22)


「華僑最強の家業経営」(旧著、1996年日本実業出版社)だろう!

上海万博の開会式が華やかに行われた。TV報道を見ていて、上海への訪問を思い出した。仕事でも何度も行っているが、研究調査旅行で訪れた19996年春の訪問のことだ。上海国際経済相談所の呉寄南教授をお訪ねしたり、上海市の経済発展局の局長や、(財)海外技術者研修協会の上海事務所などを歴訪して、中国の企業が勃興しているさまをフィールド調査したものだ。この夏は、これらの資料により何本も経営学論文を発表した。
嚆矢は、その秋に上梓した表掲書だろう。その時日本法人の社長を務めていた、香港華人系の大手企業、王氏(ウォンズ)のケースを中心に、華僑華人系の経営モデルを日本のそれと比較して解説した。

あれから15年、、。今日のこのブログを書くにあたり、「日華国際経営比較論」の研究の現状をネットで概観してみた。旧著の学術的な価値はまだ失われていないとみた。「わが子可愛さ」かな?

2010年5月2日日曜日

ホテル Chateau de l'Aubriere 人生の達成(2)


パリはドゴール空港でレンタカーを借り、オルレアンの南100km程のミードヨーロッパで所用を果たした。その後バカンスとしゃれこんで、ロレーヌ河畔の古城めぐりにまわったわけだ。

シャトー・オブリエールというそのホテルは何しろ昔の貴族の城なので、石造り3階建て、エレベーターなど無い。小ぶりで居住性は良くない建物だ。その代わり日比谷公園ほどの広大な庭園の中にある。

この庭園がとても手入れが良く、野生の鹿やらハチ鳥、鴨などが目の前を通ったり池で遊んでいたりする。フランスの6月の昼下がりはとても気持ちが良く、庭のベンチで日光浴をしていると、私の他は誰もゲストが通らない。お城を一人占めにした感覚で小一時間座っていた。

55歳の夏、単身のフランス行だった。その贅沢な時間を楽しみながら、私はそんな休暇をビジネスの一環として実行したこと、一人で異国でレンタカーを駆って旅行していること、ツアーでもなくガイドもいない旅程を異国の言葉で不自由なくこなしていること、ミシュランの一つ星がつくそのホテルのレストランを「そんなにはおいしくはないな」などと思ったことを覚えている。

その庭に座って、私は自分のそれまでの30年間が、自分をこのホテルのこのベンチに連れてきたことをしみじみと思い起こした。連れは誰もいなかったが、思い出のホテルとなった。

ホテル Chateau de l'Aubriere 人生の達成(1)



明日からGWの旅行に出かける。出かければホテル、旅館に世話になるわけだ。
「今までのベストホテルはどこだったろう?」
と考えた。海外渡航は100回以上となっている。

ミード社長時代に仕事で訪れたトゥールのキャッスルホテル(昔ながらの城や邸宅をホテルに転用している)に一度だけ泊まった。ここだろう。ミードヨーロッパの工場がトゥールの南にあり、何度も出張した。秘書のHさんが、昔ヨーロッパで料理留学したことがある人だった。
「山田さん、一度はキャッスルホテルに泊まりなさい」
と強く勧められ、
「駅から遠いけど、どおせレンタカーだし」
ということで、そこに行くことにした。  (この項続く)

2010年5月1日土曜日

「段取りのつけ方・仕事のすすめ方」(神谷一博) 書評(21)


「仕事の進め方」というキーワードでアマゾンを検索すると、50冊以上がヒットする。売れ行き1位は、2010年3月、つまり先月発売なので「さもありなん」ということだ。

興味深かったのは、表掲書(日本実業出版)が2003年第1刷にもかかわらず、現在の売れ行き第2位と言うことでロングセラーを続けているということだった。早速、取り寄せて一読。「ロングセラーには理由がある」と分かった。要領良くまとまっていて、読みやすく構成されている。20代のまだ経験の浅いビジネスパーソンにはよいマニュアルだということだろう。
5月の「係長研修」で「推薦図書」に掲げることとした。

社長さんから係長まで教える

連休で、5月に出講する資料やら教材を準備している。

最大のものはもちろん「経営者ブートキャンプ」で、社長さん達を教えるという野心的なプログラムだ。
一方、とある特殊法人では係長職を対象に「仕事の進め方」なる1日セミナーが予定されている。

「あなたの会社は部長がつぶす!」(フォレスト出版)が最近著なので、部長や幹部職を対象にしたセミナー企画、出講の依頼がいくつもある。まことに「係長から社長さんまで」、私はどの層でも教える便利な講師なのだろう。

自身、平社員から経営者までやってきてその数14社、些少の経験だが(これは謙遜です)現役の皆さんのお役に立ててもらったり、参考にしてもらえればそれに越したことは無い(引退仕事としても勝るものがあるだろうか)。

「経営者ブートキャンプ」の教材準備

今週は、5月出講のいくつかのセミナーや研修の教材準備に専念できた。
中でも、5月15日開始の「経営者ブートキャンプ」(6回、6月:今日のブログのタイトルクリックでリンクが)には力が入る。

「経営者(山田)が経営者を教える」「経営者同士(参加者)が教えあう」「豪華4大講師(こんな面子が!)」などの惹句でいろどられる、「本邦初の」プログラムだ。

また参加者の社長さん達には面白い経営者が集まってくれた。海外MBA取得者も何人もいて、このクラスのレベルの経営者をまとめて教えられるのは、社会人経営大学院でもないだろう。教授たちが裸足で逃げ出してしまうのではないか。私にしても大きなチャレンジで、また大きな楽しみだ。

連休は、鬼怒川に出かけてゆっくり鋭気をやしなうことになっている。これも楽しみ。