イメルト会長が金融事業を縮小する方針に転換したのは、08年のリーマンショックによる金融危機が契機とされる。それまで米スタンダード&プアーズ信用格付けにおいてGEは最高格付けAAAだったのが、GEキャピタルが保有していた金融資産などの評価により、AAへとグレード・ダウンしてしまった。
格下げにより、目指していたM&Aなどの資金手当計画が狂い、戦略遂行に遅滞が生じたという。収益性は高いものの業績変動リスクの大きい金融部門は縮小しようということで、今後手がける金融業務は本業の産業機器の販促を支援するリースや融資機能などに絞るという。
昨年1~3月期決算は29億9900万ドルの黒字だったものを、今期は大きな赤字を計上してまで方針転換する格好となり、イメルト会長乾坤一擲の戦略的判断である。前任のジャック・ウェルチ氏から受け継いだ「選択と集中」戦略という伝家の宝刀を抜いた格好だ。
(この項 続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿