三笠書房、2013年刊。帯に、
「ハワード先生から働く私たちへ、『人生の教科書』」
とある。
「ハーバードでもっとも影響力のある名物教授!!」
とも。
書評205で取り上げた本に続いて、けったいな書物だ。内容ではなく、まずその体裁である。ハワード・スティーブンスンはアカデミックな単著が見受けられない、と前に書いた。ところが、お弟子さん(本書の著者二人)が同教授の教えを、本人に代わって叙述するという、このような書物が出ている。
しかも訳者がライフネット生命保険社長の岩瀬大輔氏。同社の出口治明会長は経営者ブートキャンプで何度も特別講師をお願いしている。岩瀬氏は出口さんがかねがね自慢の共同創業経営者で、若手俊英の経営者だ。HBS留学時にスティーブンスン教授の薫陶を受けたので、本書の翻訳をなさったらしい。
自分はまともな本(学術書という意味だが)を書かないのに、かくも周囲からは持て囃されるスティーブンスンという人は、一体どういう人なのだろうか。
(この項 書評207へ続く)