27日の会見で岩田社長が今期の最終赤字の見通しを発表した。
「大きな時代の、終わりの始まり」
と、私は感慨深い。
同社の業績が最終赤字になるのは、業績開示の開始1981年来初めてのこと。
私が20代の半ば当時日本最大の玩具メーカーだったトミー(現タカラトミー社)に勤めた頃、任天堂はまだ花札メーカーで老舗ではあったが、トミーより遙かに格下の会社だった。
1992年に私が王氏港建(WKK)の日本法人の社長に就任したら、我が社の最大顧客がセガ(現セガサミー)で、製造受託させて貰ったのがTVゲーム。この分野でセガと任天堂が世界の市場を2分していた。
「潮目が変わった」
と感じたのは、ソニーがプレイステーションで参入した時。
「セガに勝ち目はない」
と判断した我々は、セガには極秘でソニー・コンピュータ・エンターテイメント社のくだらき副社長を訪ね、製造受託を懇請した。生憎なことにソニーはメーカーなので、受注には至らなかった(任天堂とセガはファブレスメーカーであることで有名)。
私がWKKを退職した後、セガはTVゲームから完全撤退してしまう。
今回、任天堂のような専用ゲーム機の時代は終わりはじめた、と思う。時代はスマートフォンでのゲーム提供となっていくだろう。
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