「ブルー・オーシャン戦略は多くの場合、10年から15年もの間大きな挑戦を受けずに持ちこたえる」と、著者達は豪語しているのだが、どうか。
本書でたぶん一番筆が割かれている事例である、Yellow Tailを検証しよう。この豪州ワインは2001年にアメリカで発売され、2004年には輸入ワインNo.1となる成功を収めていた。本書の原書の発刊は2005年だったので、好事例として取り上げられたのであろう。
実情は、2004年には早くも、カンガルー、ワニやらペンギンなどのラベルの豪州ワインが出回った(Yellow Tailのラベルはワラビー)。
2008年のアメリカにおけるマーケット・シェアは2.9%(ワイン全体)。しかし輸入ワインマーケットは、アルゼンチンが前年比30%伸び、チリや南アフリカ産に押され、廉価ワインでの豪州の優位は無くなったと専門家はしている(2009年の記事)。
「競合相手を遙かに引き離す」ブルー・オーシャン状態とは見えないけれど、10年近く持った、とも言えるのかな。
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