ついでにいえば、伸び続けてきたカルビーの営業利益率も16年3月期に11.4%を記録したが17年3月もほぼ同様な率となり、足踏みの季節を迎えている。
海外勝負が残された成長への隘路
数年来の業績好調を受けて、次の段階の飛躍のために松本会長が力を入れてきた2つのプロジェクトがある。
ひとつは、通称「フルグラ」、フルーツグラノーラだ。朝食で食べられることの多いシリアルの一種だ。1991年に発売、2000年代の10年間、年間売上高は30億円程度で推移していたが、それが今や約300億円と10倍もの規模になっている。
カルビーはこの商品の海外投入を広げていく。フルグラの中国内販売といえば、国内で業者や個人が買い付けて中国に持ち込む、輸出するという状況から、昨年ようやく中国の電子商取引最大手のアリババ・グループと提携して、アリババが運営するECサイト「天猫国際(Tmall Global)」で発売を開始した。今年は実際に中国の小売店での販売を始め、3月末までにはアジア諸国に販売先を広げるとしている。20年度にはフルグラの海外売上高300億円を目指すそうだ。
また製造に関しては国内生産を続ける、ということだ。中国市場では日本製でアピールできるから、ということだ。主要な原料がオーツ麦と玄米ということで、調達の問題は大きくはならないだろう。しかし、総売上高が約2,500億円のカルビーにとって、フルグラだけでは救世主にはなりそうもないビジネス・ボリュームだ。
(この項 続く)
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