東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(3)
今回の粉飾事件で、世界の株主はどれだけ損害を受けたか。試算のひとつの方法として、株価の推移で考えてみよう。
粉飾が報道され問題となったのが今年5月8日だった。5月1日の東芝の株価は482.50円が終値だった。11月18日は287.60円であり、この日の時価総額は1.22兆円とされる。株価から逆算すると5月1日には2.02兆円の時価総額があり、その日から0.8兆円が失われた。「他の要素もある」という論もあろうが、私は大きなものとしては粉飾決算だと考える。
さて、兆円規模に上る経済毀損額に対して70億円だけの課徴金? それは一体、どれほどの懲罰的な意味を持つというのか。
また、東芝は11月7日に田中久雄前社長ら歴代社長3人を含む旧経営陣5人を相手取り、計3億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。しかし、本来は現旧役員28人に対し総額10億円の損害賠償を求める訴訟を起こすように、ある個人株主が東芝に求めたという経緯がある。
(この項 続く)
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