女性経営者が急増したといっても、やっと割合で2桁となった程度である。筆者が指導してきた多数の経営者の中でも、女性社長は2人しかいない。少数派の女性経営者の中でも、率いる会社の規模感から最大なのがテンプホールディングスの創業会長、篠原欣子氏だ。篠原氏には、光栄なことにスカウト面接をしてもらったことがある。1983年に筆者がMBA留学から帰国した際のことだった。
篠原氏を含めても、日本人女性経営者を多く存じ上げているわけではないが、経営者として成功してきた彼女たちには、やはり共通点があった。
まず、経営者として優秀なこと。それは男性社長と変わることはない。次に、家族からの理解や支援があるか、いっそ家族関係を作らない、つまり独身であること。最後に愛嬌があること、魅力的であると言い換えてもいい。日本のビジネス社会は、まだ男性多数で構成されている。冒頭の調査結果も、裏返せば社長の90%弱は男性ということを示している。その中に分け入ってコミュニケーションが取れ、ビジネスを開拓・獲得していく女性社長たちは魅力的な人柄の人が多いのだ。篠原氏も、お会いしたのは30年以上前のことだが、素敵な人だった。
こんなことを書き連ねてくると、今年の話題の女性社長、大塚家具の大塚久美子社長のことはどう評すればいいのだろうと思ってしまう。
(この項 終わり)
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