外資企業から「奪い取る」中国 巨額罰金、資産や技術を収奪…韓国へ工場進出は禁物(2)
尖閣諸島問題などで反日感情は高まっており、12年9月には中国全土100以上の都市で反日デモが起き、一部では暴徒化したデモ隊が日系スーパーや日本企業の工場を襲った。シチズンの工場閉鎖争議が現地で報道されたということは、この工場も一触即発の状態だったことが想像される。
中国で種々の問題が起こると、日本企業は糾弾されやすい。シチズンのようなケースの場合、まず地元で裁判を起こされるリスクがある。あるいは行政により罰金を課せられる事態も想定しなければならず、その場合は2カ月の賃金上乗せどころではすまなくなり、懲罰的に高額な金額となるだろう。さらに工場が保有している機器などの資産も差し押さえられたり、没収されることだろう。工場内の資産は日本に返ってこず、技術情報など特許関係の知的財産まで収用されてしまう恐れもある。
折しも今月、中国は米半導体大手クアルコムが独占禁止法に違反したとして、約1150億円もの巨額罰金を科したことが明らかとなった。中国に進出する企業の間では「独禁法が恣意的に使われている」との批判も強く、中国が政治的あるいはビジネス戦略的に同国へ進出した外資系企業に対して独禁法を適用しているという見方が有力だ。
(この項 続く)
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