それから、巻末に示されているのがお約束のようなデシジョン・ツリー。選択を無限に場合分けして得意がる技法だ。結果、選択肢は一つの事象について50以上も出現し、それぞれについての採択率は1%を切る割合の中での選択を迫る手法だ。
デシジョン・ツリーの技法は数学の領域理論の範疇のものであって、つまり人文学の世界の話しではない。経営は言うまでもなく、不整合な人間が行う行動である。
およそ自然人の意思決定にはなじまない技法がデシジョン・ツリーである。その効能というと、経営コンサルがクライアントにいたずらに圧倒感を与えるに適しているものである。
楠木建や星野佳路なら「コンセプトから思い付け」と言う。実はそれも常人にはなかなかうまく出来ないのだが、まだその方が可能性がある。
(この項 終わり)
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