ファミリービジネス企業の業績が、一般企業に比べて優れている、というのは「常識の嘘」的な事実だ。しかしこれは日本だけでなく、欧米いや世界中での傾向だし、世界の経済やビジネス、雇用の大部分はファミリービジネスが担っている。それらのことを本書は詳しい資料で物語っている。
著者は、その優越性を「ファミリネスス」という言葉で説明し、それこそがファミリービジネスを形作っている経営資源だとした。これは、新見だった。
多くのファミリービジネスが現在悩んでいるのが経営承継の問題だろう。子息経営者に対して
「ファミリーとビジネスの板挟みになったときは、親孝行や墓参りをした後で意思決定をすることをお勧めします」
などとしているのは、同じコンサルタントしての私に
「すごい!」
と思わせたさりげない助言だ。
私が指導しているいくつかの同族会社のファミリーメンバー経営者に、本書を課題図書として読んで貰うこととした。好適。
(この項 終わり)
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