その原田氏ですが、マクドナルドの2012~13年のスランプを勘案したとしても、アップル社長を退職後、外食というまったく異なる業界の外資系企業の日本法人トップとして、顕著な業績回復を果たしたことは紛れもない事実です。
原田氏が経営力を見事に発揮できた要因を考えてみると、両社は業界、業態こそ異なるが、ともに世界的外資、米国系のグローバル企業という共通点にあると思います。筆者もかつてフォーチュン500企業(米誌「フォーチュン」が毎年優れた企業として選出する500社)に選ばれた米系企業の日本法人社長を5年間ほど務めていたので、それがよくわかります。企業文化的な面で共通している点があるのです。
というのは外資、特に米国系の企業では、意思決定のプロセスが比較的理解しやすい。米国は多民族が短期間に大量移民して形成された国なので、みんながうまくやっていくために「フェアにいこう」「フェアにやれ」という社会的な大原則、大規範が醸成されています。そこで、企業でも、オーナー企業でなければ、その意思決定は「ディベート(議論)」で決せられることになりました。
(この項 続く)
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