2014年9月7日日曜日

ベネッセ流出事件、原田経営に追い風? (3)


●アップル社長として辣腕

 実は今年の年初、筆者が主宰する「経営者ブートキャンプ」で特別講義の依頼を原田氏にしていました。昨年8月に原田氏は日本マクドナルドHD傘下の事業会社、日本マクドナルド社長を退任していたため、時間的に余裕ができたのではないかと拝察したからです。その後、原田氏はベネッセに招聘されることが発表され、当面「99%のエネルギーはベネッセに費やす」と公言。その依頼は無期延期となってしまいました。

 原田氏はいうまでもなく、アップルコンピュータ社長から日本マクドナルドの社長へ華麗な転身を遂げ、「from Mac to Mac」といわれた名経営者です。アップルにはマーケティング部長として入社し(1990年)、97年に社長に就任しています。

 原田氏がアップル社長時代に辣腕を振るったのは、数百社に上っていた取引先を数社の代理店に集約させたこと、そしてiPodとiPadの拡販に成功したことが挙げられます。両方の施策とも、原田氏がマーケティング畑の経験により着目して実践したものです。筆者もマーケティング畑出身の経営者だったのでよく理解できるのですが、限られた人数の社員で多数の顧客(アカウント)と直接取引しようとすると無理が出るものです。

(この項 続く)

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