2014年8月29日金曜日

ミラノの思い出 (4)

ミラノ駅で私たちが乗り込んだのは先頭車両だった。11号車だ。指定席だったのでそこを探し、荷物をあげて席に落ち着こうとしていた。

慌ただしく女性3人組がやって来て頭上の座席番号を指し、まだ通路に立っていた私にイタリア語でまくし立てて来た。そこは彼女たちの席だという。右側の女性が私に話しかけ、左側に立った方が彼女たちの切符を私に示した。

(ダブル・ブッキングか?)
そう思い、私は自分の鞄(書類鞄を持ち出してきていた)を開け、私たちの切符を出し、右側の女性に示した。女性はしかしまたイタリア語でまくし立てている。私は左手に切符を掲げ、右手でそこにある座席番号を指し示して、一生懸命見せようとしていた。右側の女性の顔に向かい、しっかり説明しようとしたわけである。

その時、、、下げていた鞄に何やら違和感を感じた。

(この項 続く)