できるリーダーは3年戦略をきちんと創って進む!(2)
差を出すのは戦略策定力
ところが……残念ながら事業部長などの経営幹部や役員などを目指すためには、この2つの能力だけでは足りないのです。というのは、「リーダーシップ」と「コミュニケーション」の重要性には管理職みんなが気づいて日常業務の中での能力開発や精度の向上に努めてしまっているからです。「リーダーシップ」と「コミュニケーション能力」だけでは差が付かない、どころか同じコトをしていてるだけでは置いて行かれてしまうことがある、と思わなければなりません。
そこで、「第3の経営能力」という話です。多くのマネジャーがその重要性に気が付いていない、しかし社長は皆さんに強く望んでいる「第3の経営能力」とは一体何なのでしょうか。それが実は「戦略策定能力」なのです。
経営者は――社長自身は、全社を率いて全力で走っています。全体の方向やスピードなどを差配し、できれば最大効率で進んで行こうとしているわけです。そんな経営者にとって、「できれば部門の戦略策定は部門責任者がやってくれれば、できてくれれば……」と望むのは不思議なことではありません。神ならぬ身の社長ですから、それぞれの部門の細部まで全てお見通しの上で会社を経営しているというわけではないのです。
読者の皆さんも、初任管理職なったときに「マネジャーが部門戦略も考えて率いていってくれたら」という、言わば「自立型マネジャー」像を求められた感覚はありませんか? もし今になってもそんな感覚が無いとしたら、それは問題かと思います。そもそも、トップや他人様から求められないにしても、自分がそれを求めて行かないでどうしますか。
(この項 続く)