2012年3月31日土曜日

九段クラブ、3月の勉強会は強風をついて鎌倉へ

らい亭
30年来続いている勉強会、九段クラブの3月例会は久しぶりに東京を離れた。前回のout-of-town ミーティングは台湾・シンガポール、それと北京にも出かけた時がある。

3月31日は大変な強風が吹き荒れ、首都圏の電車は止まったり、遅れたり軒並み影響を受けた。
到着が遅れたメンバーもいたが、無事鎌倉駅から車で10分ほどの「らい亭」というそば懐石の豪壮なレストランで決行。A会員がメンバーとして参画している「プラチナ・シティ」構想について講義を受ける。

らい亭は、山門と玄関をとある古刹から、本館は戸塚にあった築400年の豪農の家を移設して開設したそば懐石のレストラン。広大な庭園には唐様のあずまや風の建物なども。高台にあり、庭の向こうに遠く鎌倉湾を望む。皆、願わくば桜開花した穏やかな春の日に再訪したい、と。

2012年3月29日木曜日

読売新聞 渡辺恒雄主筆 週刊新潮に説得力ある反論手記

読売新聞の渡辺恒雄主筆に反感を持っている人は多い。
ワンマンで傲岸不遜、酒酔い、上から目線で取材記者に無礼な対応、、、などである

大読売グループで資本家でもないのにオーナー経営者のごとき振る舞いや意思決定が報じられ、私も同主筆が「理の経営者」であるようには思えずに来た。

4月5日号の週刊新潮に4ページに渡って『「朝日新聞」と「清武君」に告ぐ!』を寄稿したのを読んで、しかし私の印象は大きく変わった。

プロ野球の高額年俸の上限額が決められたのが2007年だということ、今回朝日が問題とした巨人軍の選手との契約はすべてそれ以前だということ、それらのことを取材に来た朝日の記者たちに巨人軍側が書面を提示して説明したこと、などを整然と述べたうえで、今度の朝日報道がライバル誌である読売新聞グループに対して意図的に仕掛けられたものであるということを説得的に指摘している。

サッカーやゴルフなど、ほかのプロ競技における高額報償に比べて日本のプロ野球が飛びぬけて高いわけでもないし、本来規制や非難の対象になるべきでないことなども、「なるほど」と思わせる。

この独占手記がご本人の文章だとすると、大読売新聞で記者上がりで主筆であるという、「ペンの人」の資質はあなどれない。ナベツネに対する印象と認識が変わった。

経営者ブートキャンプ 第5期 残席2名

5月から始まる経営者ブートキャンプ第5期は後2名のみ残席となった。

(以下、経営者JP社のメルマガより転載)
経営者ブートキャンプとは

経営者・リーダー人材の育成と輩出を行う経営者JPと、海外MBAスクールから国内大学院まであらゆる形態のビジネススクールで学びながら6社の経営改革をなし遂げた山田修氏がともに構想したこれまでにない、経営理論と実践を融合させた、実務経営者が教える経営者講座、その名も「実践・経営者ブートキャンプ」

2010年4月経営者JP創業直後にスタートし「“実践に基づく理論”の実践」を軸に設計され、明日を担う経営者・幹部達の集う学びの場となりました。おかげさまで、ついに第5期を迎えます!

第1期開講から4期を重ね、その間、受講経営者・幹部各位は事業変革、新市場進出、新任事業リーダーとしての着任、起業、成長、海外展開等それぞれの経営テーマ、事業課題の解決を続々と成し遂げられています。

「“実践に基づく理論”の実践」を軸に設計された、まさに【ブートキャンプ】の名にふさわしい、現場実践活用型で筋肉質の経営体質を養う、他にはない自社戦略策定プログラムです。
http://www.keieisha.jp/seminar120512.html

どんな環境でも勝ち続ける成長戦略を策定したい!経営体質を改善したい!
など、 現状に危機感を抱き、変革・創造の意欲にあふれる経営者・幹部の方
は是非奮ってご参加ください。

2012年3月28日水曜日

「意志力革命」H.ブルックとS.ゴシャール 書評131(3)

ハイケ・ブルック
本書の第1部は個人としてのマネジャー(経営者)に焦点を当て、変革者たる要件を描出している。私は
「修羅場の経験の有無」
が決定的な要件だと信じている。
ゴシャール達は
「ルビコン側を渡る」
段階がそのマネジャーに来るかどうかで違いが出ると観察した。私の体験的な信条と実は異論が無く、整合したと思った(納得した)。

第2部では、そのような変革者マネジャーを輩出する企業要件を述べようとして、私は頁を進める前は、
「この分析は失敗するだろう」
と予想した。変革的経営者は属人的なもので、企業の方でその出現を招請は出来ない、というのが私の仮説だ。

ゴシャール達はしかし、ここでも
「退治すべき竜と、獲得すべき王女の設定」
でそれが可能だとし、ルフトハンザの回復時に企業全体で多数の中間マネジャーが変革創造型に変貌したという観察を示した。

ルフトハンザのような事例の再現性(つまり企業ぐるみでの経営文化の変容)については、私はやはり容易なことではないと思っている。とはいえ、「経営者の意志力」に焦点を当てた本書は、分析技法に頼りがちな殆ど全ての経営戦略セオリーとは一線を画する、素晴らしい視点とセオリー立てのモノである。

(この項 終わり、、 もっと書きたい)

2012年3月27日火曜日

「意志力革命」H.ブルックとS.ゴシャール 書評131(2)

スマントラ・ゴシャール
第1部では、飛躍的な結果を出す経営者の行動原理を解明しようとしている。

「エネルギー」と「集中」の2軸で、マネジャーの“状態”を4象限に分け、両軸が高い状態を「目的意識タイプ」と分類命名した。目的意識タイプにあるマネジャーは全体の10%に過ぎないと観察した。

ゴシャール達が秀逸なのは、マネジャーの4象限を固定的なモノではなく、変動的な”状態”だと解釈したことだ。その結果、他の3象限にある”眠れるマネジャー達”も条件が整えば「目的意識タイプ―戦うマネジャー」に変容する、とした。

「ルビコン川を渡る」というメタファーも的を射ている。大きな覚悟と決意を確立する何かの契機を経験することにより、経営者は不退転の意思を固め、変革と行動の王道を進み始めるのだ。

経営者を駆り立てる要因を掌に乗せたかのように描出して見せたゴシャールの手腕は素晴らしい。

(この項 もう1回だけ書く)

2012年3月25日日曜日

「意志力革命」H.ブルックとS.ゴシャール 書評131(1)

ランダムハウス講談社、2005年刊。訳者の野田智義氏が共著者のスマントラ・ゴシャールの研究仲間にして親しい友人で、ゴシャールを死の床で看取った(2004年)というようなドラマチックな経緯が「訳者あとがき」で明かされている。

野田氏は55才で夭折したゴシャールのことを、「ポーター、ミンツバーグと並ぶ経営戦略論のグルである」
としている。

原著は2004年に発行されているので、ゴシャールの遺稿であり、集大成のようなモノだ。共著者のハイケ・ブルックは野田氏の解説によれば行動心理学者で、本書の第1部(マネジャーや経営者が個人として意志力を向上させることとその駆使について)の部分での貢献が大きい、とのこと。つまりは全体としてはゴシャールの本なのだろう。

本書は第1部と第2部に分かれていて、第1部は個人が対企業貢献に当たっての意志力の価値とその動作メカニズムを説き明かし、第二部では組織(企業側)がいかに意志力に溢れたマネジャー達を涵養できるか、を説いている。

会社経営の成功について、「経営者・マネジャー達の意志力」という要素に注目してその重要性とメカニズムを研究・解説した書を他に知らない。

(この項 続く)

2012年3月24日土曜日

大和ハウス工業 樋口武男会長、 関与するオ-ナーとの協業(2)

石橋信夫創業オーナー
大和ハウス工業の創業オーナーは石橋信夫氏だった。樋口武男会長を抜擢し、薫陶叱責して大経営者に育て上げたのが石橋オーナーだ。樋口氏が社長に就任しても、病床にある石橋オーナーを度々訪れ、報告ばかりか親しく指示を受けていたという。

普通、権力の座に着いた経営者は、前社長による院政や資本家からの介入を忌み嫌うモノである。樋口氏のような名経営者にして自信家なら、一層オーナーとの確執が深まりがちなモノだ。

私の周りの経営者仲間でも、「雇われ社長」として業績を挙げた方ほど、オーナーとの軋轢に苦しんでいた。資本家であるオーナーが経営に参画していない方がまだよい。会長などの立場で非常勤でも役員会に出てくるような場合だと、下手をすると2頭体制、悪い場合にはオーナーが「男の嫉妬」をつのらせて、有能な社長を放てきするという結果になった。

樋口会長と石橋オーナーの関係は麗しいが、希有なものだと思う。

(この項 終わり)

2012年3月23日金曜日

大和ハウス工業 樋口武男会長、 関与するオ-ナーとの協業(1)

大和ハウス工業会長 樋口武男氏が日経に「私の履歴書」を連載している。

「熱湯経営者」と自称している豪腕ぶりで、大和ハウス工業社を兆円企業に育て上げ、追い上げてきた様が迫力ある筆致で語られている。

興味深く読んだのは、樋口会長を指名抜擢して育て上げてきた石橋信夫オーナーの存在と、会長との関係である。石橋オーナーは資本家として君臨して「統治しなかった」わけではなく、大いにその経営に関与した。樋口氏のキャリア全体を通じて具体的な目標を与え、時にはしかり飛ばしながら激励してきている。オーナーがCEO,樋口氏がCOOという分担、段取りでこの会社は急成長してきた。

樋口氏の、オーナーに対する尊敬、私淑ぶりも顕著で、このような大経営者にありがちな、オーナーとのバッティングが見られない、「健康な緊張感」を保持してきたことが読み取れ、大いに例外感を持つに至った。

(この項 続く)

2012年3月18日日曜日

経営戦略セミナーを大車輪で出講

みずほ総合研究所、SMBCコンサルティング、経営者JPと、今週は大手研修・セミナー実施会社で立て続けに講壇に立った。

内容はいずれも、「戦略カードとシナリオ・ライティング」による経営戦略立案セミナーだったが、それぞれで対象とする組織階層が異なった。

経営者JPでは経営者そのもの、みずほ総研では経営者から幹部、企画室など戦略立案中枢、SMBCコンサルティングでは部長レベル対象といった具合だ。

「戦略カードとシナリオ・ライティング」技法は、そのステップを踏めば、全社戦略はもとより部門戦略の立案にも使えるので、このような階層に利用してもらえる。

3ヶ所、いずれでも主催者が終了アンケートを取ってくれたが、幸い皆好評で責任を果たした思いだ。

2012年3月15日木曜日

『「雇われ社長」の』 早くも書評が

『「最高のゴール」を目指して!』(書評ブログ)が、発刊当日に早くも書評を載せてくれた。随分筆を割いてくれている。感謝!
http://yaokou.cocolog-nifty.com/yaotyan/2012/03/post-7f09.html

(一部引用)
 本書は、過去22年間、6社で社長として経営に携わり、それぞれの会社で業績を急回復してきた著者が、「伸ばす社長の経営セオリー」を解説した一冊です。
(略)
国内企業の大部分を占める中堅・中小企業にとっては、
・「大企業を想定」「企業環境の違う」欧米のフレームワークやセオリーよりも、
・著者の経営体験で体得、実践された「身の丈に合った『繁栄の黄金律』」の方が、より実践的であると感じました。

企業の経営者に限らず、特定部門の責任者、チームリーダーの方々にとって、本書の「繁栄の黄金律」を適用すれば、業績の改善・向上に役立つはずです。

(以下略)

『「雇われ社長」のプロの仕事術」』ぱる出版 本日発刊

 『「雇われ社長」のプロの仕事術」~社長は4つのことだけやればいい!~』 (山田修、ぱる出版)

業績を回復、伸張させる経営モデルである「繁栄の黄金律」をベースに、それを構成する経営行動の4つのグループを個別に解説。最終章では、「戦略カードとシナリオ・ライティング」技法を分かりやすく解説。 セオリーや学説に深入りしないで、経営を上手くやる秘訣を分かりやすく解き明かした書とした。

 いよいよ本日ぱる出版から刊行。http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

2012年3月14日水曜日

(株)エニグモ バイマ 須田将啓社長は経営者ブートキャンプ1期生

(株)エニグモ 須田将啓社長率いるバイマが、「ガイアの夜明け」(TV東京3月13日)で長時間取り上げられた。

須田将啓社長は、一昨年経営者ブートキャンプの第1期に参加して勉強してくれた。最終講でバイマの経営戦略を発表して、「これをほぼそのまま社内で発表します」と張り切っていた。

須田さんは今年のダボス会議に日本の経営者を代表される立場で参加するとも報道されている。経営者ブートキャンプから大きく羽ばたいていく経営者を見ることが出来るのは、主任講師として至上の喜びだ。

経営承継が急務だ

経営指南という依頼が相次いで来るようになった。

例えば「従業員から昇格させた新任社長を」、例えば「子息である常務を社長に昇格させたい」など。いずれもオーナー企業の創業者からの依頼である。

通常の「経営指導やコンサルティング」ではなく、経営者教育(あるいは帝王学)や経営術の指導ということになる。

いずれの場合もその会社でお一人だけ、ということなので個別指導の形を取る。経営者ブートキャンプで培ったノウハウとプログラムで、個々にコース設計をして進行している。

このような事例では、通常のコンサルティング・ハウスでは対応できない。解決策を売るのではなく、経営者というヒトを育てなければならないからだ。それも早期に。育成型で社長を教えられるのは社長しか居ない、ということでもある。

2012年3月13日火曜日

3月11日が帰ってきた(3)

阪神大震災は1995年のことだったから、もう17年になろうとしている。あの時は私は最大顧客だったセガ(現セガサミー)の大新年会で都心のホテルにいた。
大前研一氏の講演がキャンセルされ、「関西の地震のために新幹線が、、」という説明があった。やがてあの大震災が報じられてきた。

阪神大震災の時に強く感じたのは「無常」だった。同じ大都会に働いていて、関東では大ホテルで大宴会に興じていた。神戸では地獄が起きていた。

昨年の東北大震災で感じたことは、それでは「生かされている」という思いだ。あれだけの広い範囲で起こった大震災、そこに住んでいなかった、訪れていなかったというただの偶然。追いかけてきた原発事故。今になって報じられてきた当日のメルトダウン、、。首都圏が崩壊しても不思議ではない成り行きがあった。

計画停電が要請されるなどしたあの2週間、身構えて過ごしたが、我が家の地域には幸い何もなかった。
しかし、東北や原発近隣で暮らしていた皆さんの状況と、あまりなその多数を見るに付け、自分の周りの人たちの無事は一重に幸運でしかない、僥倖なのだということを知った。
「生かされている」という認識、それは私を謙虚にした。慎むということを少し知ったと思う。この思いはたぶん続いていくのだろう。

(この項 終わり)

2012年3月12日月曜日

3月11日が帰ってきた(2)

3月11日は、携帯電話や固定電話も不通となった。
夜に入り、みずほ総研のご担当者のメールアドレスに妻からメールを貰い、ご担当者が私の無事を返信してくれた。自宅の家族のことは無事なような気がしていた。

夜中の11時過ぎになり、通りはまだ人がたくさん歩いていたが、夕刻過ぎほどのことはなくなった。外に出てみると、コンビニでは見事に商品が売り切れ。

足を伸ばし、新橋の居酒屋街へ行くと、驚くべき事にどこも大繁盛。帰宅途中に休むのか、ここで朝まで粘ろうとしているのか、とにかく満席で外では並んで待っている有様。「お一人様」ということでカウンターで夜食を済ませ、みずほに戻る。

そのまま朝まで爆睡。自分だけは無事な一夜を過ごした。

(この項 続く)

2012年3月11日日曜日

3月11日が帰ってきた(1)

3月11日は東京駅近くのみずほ総研で公開セミナーを朝から務めていた。2時46分は午後の休憩を取っていて、セミナー・ルームの後ろのイスに腰掛け、総研のご担当の方とお話ししていた。

経験したことの無いあの大きな揺れにおそわれ、教室が騒然となった。ご担当の方は視覚障害のある方で、体を石のようになさった。さぞご不安だろうと、前腕に手を添えてしっかりと握らせて貰った。私もすがらせて貰った、というのも本当だ。

主催者側と相談し、「教室出入り自由、電話は外で」として再開したが、3時半過ぎには中止と決定。
「交通機関は全て止まっています。待機、宿泊なさる方はどうぞ」との発表も。70名の内50名ほどが結局みずほ総研で夜を明かすことになる。

感心したのは、みずほ総研の危機管理と対応。さすがにそんなテーマのセミナーまで主宰していることもあり、あっというまに全員分の毛布、非常食、ミネラル・ウォーターが配られ、ロビーと教室が開放された。

日比谷通り(大通り)に面している窓から外を見ると、道はやがて帰宅をめざす人で朝の駅頭のような有様となった。そんな中に出ていく勇気はとても出ず、私もみずほ総研で一夜をお借りすることにした。

2012年3月9日金曜日

「最高のゴールを目指して!」(書評)誰にでもできる!オリジナルかつ具体的な方法。

「最高のゴールを目指して!」は経営コンサルタントの方が書かれているブログ。書評コラムも立てられていて、経営書・ビジネス書を頻繁に取り上げておられる。3/4書評で大きく取り上げてもらった。
http://yaokou.cocolog-nifty.com/yaotyan/2012/03/6-5df6.html

(冒頭の一節)
誰にでもできる!オリジナルかつ具体的な方法。

(結語)
私は経営戦略の立案と推進をご支援する立場で、多くの経営者や部門長と接していますが、本書で言及されている内容に賛成です。
ご支援の流れは、当ブログ「ご支援サービス概要の基本的なフレームワーク」でもご紹介していますが、昔は経営環境の分析論に終始していました。いわゆる、様々な分析手法を使って、企業の経営環境を分析しているだけで、
「真に経営課題を解決するための戦略立案」になっていなかった。これを、ある経営者から指摘を受け、気づきました。

その意味においては、本書で言及されている内容は、私自身の取り組みを改めて振り返るきっかけを与えてくださいました。


2012年3月8日木曜日

「プロフェッショナルリーダーの教科書」フィービー オーディオブックで2冠

経営者ブートキャンプの講師5名が1章ずつ担当して執筆した『プロフェッショナルリーダーの教科書』(東洋経済新報社)が、2月から音源をダウンロードできるオーディオブックとなった。
フィービーのオーディオブックがそれである。
http://www.febe.jp/product/109906

順調な滑り出しを見せていたが、本日「リーダーシップ」と「経営戦略」の2つのカテゴリーで売上げ1位となった。

フィービーでは「リーダーシップ分野の5つのお勧めアイテム」に組み込んでくれた。皆さんのご支持を有り難く感じている。

2012年3月7日水曜日

「顧客も社員も大満足と言ってくれる5つの原則」ジャック・ミッチェル 書評130

日本経済新聞出版社、2009年刊。 "Hug Your People"が原題。”Hug”は「抱きしめる」だから、「社員を大事にする」が原題の直訳。著者の前著は"Hug Your Custoemrs(お客を抱きしめよう)”2003でブレークした。

本著の方は、社員との社内コミュニケーションの大切さと、自社での実践事例を書いている。著者の「5つの原則」とは ― 誠意を尽くす ― 信頼する ― 誇りを持つ ― つながる ― 認めるということで、全く異論がないばかりか、その徹底と成功ぶりには驚くほどで、著者が北米であまたの大企業でスピーカーとして招かれているというのが納得できる。

天の邪鬼な私は「オーナー経営者が自分と自社のことを吠えているのでは?」と斜めに読んだが、著者とその会社Michells/Richards/marshallsが北米で幾つもの経営に関する賞を得ているので、本物と考えて良い。

 「普通の会社にここまで出来るのか?」という更なる、私の天の邪鬼な疑問の方は、しかし少し有効なようだ。
1.当社は完全なファミリー・ビジネスで企業規模60名ほど。そのうち同族が10名程度勤務。
2.高級テーラー(紳士服仕立て)業で、3つの店舗しか有していない。年商60億円ほど。

 つまり、テーラー業界の「ザ・カールリッツトン」だと思うとその企業文化に理解が行く。そして、その限界にも気がつく。当社は成長を希求していない、少なくとも大規模チェーンなどは目指していない。働く少数の人たち(学校の1学年にも満たない)と所有ファミリーの最大幸福を願っていられる。そして、富裕層顧客(少数でよい)との長期でとても良好な関係の確立がこの会社の成功の方程式な訳である。

 この環境に当てはまらない会社が、この会社の企業文化をここまで追い求めることは出来ない。追い求めることが出来ず、実現できないので、本著書の提言に魅了される。「顧客満足度はある水準を超えた時点から売上げ高への影響が殆どなくなる」(日経ビジネス2012.3.5)という指摘もある。

2012年3月6日火曜日

ITmediaエグゼクティブ「雇われ社長のプロの仕事術」アクセス数が第1位に!

ITmediaエグゼクティブ3月1日配信分で、「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」というコラムに寄稿。
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1203/01/news019.html


タイトルは
「雇われ社長」のプロの仕事術――社長は4つのことだけやればよい! 」


パル出版から3月15日に刊行される新著のタイトルからもじった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

ITmediaエグゼクティブは、発信メルマガ数が5万を超えていて、ネットでのこの種サイトとしての歴史から、他のニュースサイトなどでの紹介がとても多い。つまり、ネット世界での影響力が大きいサイトだ。

本日、同メディアでの私の寄稿記事へのアクセスがNo.1となった。

2012年3月4日日曜日

ミヨシ油脂 山田修社長 退任



 ミヨシ油脂の山田修社長が退任となった(2/13同社プレス・リリース)。会長も同時に退任するという騒ぎは、

「東ソーから重金属固定化処理剤の特許侵害で訴えられていた件で、敗訴が決まり、経営責任を明確化する。」
(日本経済新聞2012年2月14日付け朝刊・第13面)
ということで、支払金額は18億円にも上るという。営業利益が10億円にも満たない同社にとっては痛恨の敗訴で、引責退任という形もむしろ当然という報道だ。

同社は大正10年に設立され、私の誕生年である昭和24年には東証1部上場を果たしたという名門企業である。特許侵害など残念な出来事だ。

私がブログで取り上げるのは、同姓同名である社長さんに親近感を覚えていたことと、もう一つ。ウィキペディアに「山田修」の項目が立っていなくて、私が自分の経歴を書き込んでその項目を立てた。すると、いつの間にか、ミヨシ油脂の山田修社長の記事に丸ごと書き換えられていた。再度私の情報に直すこともしないままとしている。

社長がしたことでなく、腹心の賢しらで誰かがやったことなのかもしれない。
しかし私は、もしかして同社は順法精神に欠けているのではないかという思いを持っていた。


「プロフェッショナル・リーダー」は「超勉強法」を越えていく

『プロフェッショナルリーダーの教科書』(経営者ブートキャンプ講師6名の共著、東洋経済新報社)がフィービーのオーディオブックに収載されたのが2月5日のことだった。

http://www.febe.jp/product/109906

新著というのは普通リリースされた瞬間が販売ランクとしては最高で、それ以降下がっていくモノである。
本著は、フィービーでの販売ランクを順調に上げ、「リーダーシップ」と「経営戦略・組織論」2つの分野で2位に躍り出た。

両方のカテゴリーで本著に抜き去られて3位となったのは、『超勉強法』(野口悠紀雄、幻冬舎)だという。

ちなみに「経営戦略・組織論」カテゴリーでの1位は、『ランチェスター思考』(福田秀人、東洋経済新報社)で、福田氏は『プロ・リーダー』の共著者でもいらっしゃる。1位と2位を同じ著者が独占した。

経営者ブートキャンプ、戦略発表会

経営者ブートキャンプ第4期の戦略発表会が終了した。

今回の最優秀発表は、2つ。
1.町の小売りサービスの多店舗展開戦略。
ランチェスター戦略的な発想と、集中と選択による地域ドミナント展開。そしてサービス的には顧客への最大便宜供与点を集中してアピールする策が練り上げられた。企業家経営者に敬服。

2.ホテルの企画・設計・運営会社の近未来展開戦略。既に専門誌などで近年最高評価を得ている会社だが、社員と組織、さらには企業文化を強化していく方策を発表。
第4期クラスを通じて、講師や他参加者が示した好施策をその都度俊敏に自社に取り入れた意欲と実践力が高く評価され、king of PAKURIという尊称をもらった。

次の第5期は5月から。残席僅少となってきた。
詳細は
http://www.keieisha.jp/seminar120512.html

2012年3月2日金曜日

エルピーダメモリ社 坂本幸雄社長 「為替に破れた」

エルピーダメモリ社の坂本幸雄社長が記者会見で声を振り絞っていた
「為替が、、、」。

2000年に私がNEC関連の会社の再生を打診されたとき、話を持ってきてくれたコンサルタントが
「相模原の同じ工場キャンパスには、昨年からあの坂本社長が着任していて、闊歩なさっている。同社だけでなく、敷地内の関連会社の社員皆が勇気づけられている」
だから山田さんも、、ということだった。
同じ敷地内で働くご縁とはならなかったけれど坂本氏は、
「半導体産業界で経営難にあえぐ数社の再建を成功させ、その手腕から「半導体業界の救世主」とあだ名される人物である」(IT企業家列伝)
とまで評された経営者だった。

確かにここ数年間の円・ドルを振り替えれば、グローバル商品である半導体生産が立ちゆかなくなったのは致し方ない。
問題は、「国策会社」という位置づけで、生産を国内に限定してきたことに尽きるかと思う。
半導体は労働集約産業の対極にあるような高付加価値、高技術産業なのだから、開発拠点は国内に置くにしても生産拠点は世界最適としなければならない。

私がフィリップスの日本子会社の社長時代、フィリップの半導体事業はオランダとは関係なく世界展開していた。挙げ句の果てはこの事業全体を売却してしまった。フィリップスもその規模、歴史からすればオランダにとっての国策会社のようなモノである。植民地経営に長けたお国柄は、海外展開も上手だった。再生エルピーダメモリ社も経済合理性に徹することが出来るか、それが分かれ目となろう。

大王製紙と創業家側の対立、出口は見えている

井川高雄 元顧問
大王製紙と創業家側との対立が強まってきた。
従来大王製紙の連結子会社とされてきた会社群の内、創業家側による役員の入れ替えなどが実行された結果、その数は37社から19社に減ったという。

さらに創業家側は、大王製紙の工場の近隣に工場を建築するなど、直接競合を辞さない方向に進んでいる。大王製紙側も創業家の影響力を減殺するために株の買い取りを申し出ているが、井川高雄氏は応じる構えはなく非難のトーンを強め、両者は訴訟ごとへと一直線のように見える。
 
例えば朝日新聞では「大王製紙 出口見えず」(本日朝刊)と見出しを打っている。出口は見えている。大王製紙グループは、井川家側と現上場会社側に分かれて、争いを続けていくのだ。結果、王子製紙グループと対抗する唯一の独立系製紙会社グループを形成してきた大王製紙は弱体化し、外部との競合どころではなくなる。5年を出ずして見る影もなくなるだろう。経営戦略的な解はない。その争いは、近親憎悪に似て、井川高雄氏が他界するまでやむことはないだろう。


2012年3月1日木曜日

ITmediaエグゼクティブ「雇われ社長」のプロの仕事術」寄稿

ITmediaエグゼクティブ3月1日配信分で、「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」というコラムに寄稿。
http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1203/01/news019.html


タイトルは
「雇われ社長」のプロの仕事術――社長は4つのことだけやればよい! 」


パル出版から3月15日に刊行される新著のタイトルからもじった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

本書は、本日付でのアマゾン「経営戦略」、「経営理論」の2つのカテゴリーで売上げ2位、「経営学」では3位ととなっている。
発売は3月15日だが、予約段階でこの好ランキングは、ITmediaエグゼクティブでの発信のおかげだろう。感謝。

新刊出版記念セミナー 決定

2012年3月14日(水)、4月11日(水)開催

<新刊出版記念講座!>

参加者の皆様にもれなく、山田修先生直筆サイン入りの新刊
『「雇われ社長」のプロの仕事術』をプレゼント!!

社長は4つのことだけをやればいい!
「伸ばす社長」のプロの仕事術講座

www.keieisha.jp/seminar120314.html

ご不明な点がありましたら、担当者までお気軽にお問い合わせください。
セミナー担当:中村 問い合わせ先:info@keieisha.jp
(経営者JP社よりのメルマガを転載)

同書は3月15日発刊予定。
経営者ブートキャンプ第5期(5月から開講)の説明会も併催。

プロ・リーダーは女子高野球マネジャーより役に立つか?

『プロフェッショナルリーダーの教科書』(経営者ブートキャンプ講師6名の共著、東洋経済新報社)がフィービーのオーディオブックに収載されたのが2月5日のことだった。
http://www.febe.jp/product/109906

新著というのは普通リリースされた瞬間が販売ランクとしては最高で、それ以降下がっていくモノである。
本著は、フィービーでの販売ランクを順調にランクを上げ、「リーダーシップ」と「経営戦略・組織論」2つの分野で3位に躍り出た。

両方のカテゴリーで本著に抜き去られて4位となったのは、『もしドラ』(岩崎夏海、ダイヤモンド社)だという。