10月5日(水)朝日朝刊に、伊東社長のインタビューが載った。矛盾と混乱に満ちた発言を辿ってみよう。
「もはや日本は製造・輸出拠点としては世界の中心ではない。(略)輸出は続けるが、国内生産の一-二割までだ」
はい、それは貴社のご方針ですから。
「国内で100万台生産する今の体制は維持する」
? 実はその前に「今は国内生産の三-四割を輸出している」とおっしゃっている。輸出を激減させるのなら、国内生産はそれに伴って大幅減、となるのではないでしょうか。算数が合わない。
「軽自動車の販売を今の倍以上に増やす」
とおっしゃっているのですが
「国内の販売も限界があるから食い合いになる。大変な競争になる」
と、今から目標未達の言い訳を言っているような。
「日本での生産は残さなければならない。(略)ホンダの二輪車の国内生産は世界生産の1%程度だが、必死に国内を残している」
伊東社長の、四輪車の国内生産に関する見通しは限りなく低くなる、というのが本音なのではないか。1%という数字を挙げているということは、そこまでの低落を意識しているということだろう。
だとすれば、このインタビューはまず
1.率直でない、真意を述べていない、不誠意な発言という印象が残る。
次に、「あれを止めるのだが、これも残したい」というのは、
2.経営戦略の「トレード・オフ」(あちら立てればこちらが立たず)という「選択の思想」に反している。
いわゆる「虻蜂取らず選択」であり、全く妙手ではない。
1.と2.を結びつけると、伊東社長は経営戦略を上手く組み立てられないヒトであるか、あるいは考えていることを率直に述べないヒトであるかということになるのだろうが、どうだろうか。伊東社長に近しいヒトのコメントを待ちたい。
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