講談社、2010年刊。柳井正へのインタビューを1冊とした。
柳井正が饒舌で明晰なことに改めて驚く。大会社の社長でこんなに自ら露出、発言を厭わない経営者は珍しい、というか他に知らない。
でも、大したものだよね。松下幸之助亡き後、発信力と影響力をふるっているのは柳井正だ。系譜としては、本田宗一郎、盛田昭夫、中内功に連なる。つまり、小企業を一代で日本を代表する大企業に育てた創業経営者だ。正確に言えば、柳井は2代目だが、まあ実質的に創業者と言ってよいだろう。
オーナー経営者なので、自分が好きなようにリーダーシップをふるうことが出来るわけだが、これから先、ポスト柳井の体制を取れるのだろうか。中内功は何度も経営復帰をしてしまって晩節を汚してしまった。柳井は玉塚氏を社長にしてまもなく解任してしまっている。
しかし、柳井の経営信条には学ぶべきところがとても多い。その合理主義経営や自己否定哲学などである。一読の価値があるビジネス書だ。
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