ラジオに金田一秀穂氏が出演していて、日本語学研究の経緯など話していた。
「歌舞伎のように家系として期待されているところもあったのか」
などと、コメントしていて、大いに違和感を持った。初代(?)金田一京助はアイヌ語学の擡頭、かくれもない大国語学者だった。2代目(?)春彦は辞書の編纂などして、これも「国語学者」と敬することにやぶさかではない。
金田一秀穂、who? まともな国語、国文学者ならこんな感想となるだろう。秀穂氏は杏林大学の教授だが、所属は外国語学部であり、ご専攻は日本語教育、つまり外国人に日本語を教えるというものだ。どんな商売も卑下されるべきではないが、日本語教育は技術であって、それ自体が学問と言えるものなのか。
そもそも学問に家業や家督承継などありえない。環境論的にその道に入る人はいることだろう。しかし、学的達成と真理の追究は遠い話である。
「私はタレントなんですよ」
とは言えないのだろうが、爺さん・オヤジの学的七光り的なひけらかし(類縁を語り、現在の自分の専攻を語ればそうなってしまう)は慎んだ方がよい。
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