― まず、経営者になる覚悟というのは、どのように決められたのでしょうか?
もともと私は経営者になるつもりはなかったんですよね。社長になってくれと頼まれたからなりました。野心は強くないほうでした。20代に大病したこともあって、復帰して会社勤めをしていた頃は、勤め続けられないのではないかと思ったり、自分のベストライフとしてはマンションの管理人になって安逸な人生を送れればと思ったりしたこともありました。
ビジネスでトップになるつもりはなくて、ナンバー2、参謀的な立場が向いていると考えていました。経営者は大変ですよね、責任をとらなくてはいけないしプレッシャーもかかるので。ライフスタイル的にも望んでいませんでした。ただ、それぞれのポジションで「ベストパフォーマンスを出す」という美学はずっとありました。そのポジションをやるからには責任を果たす。果たすだけでなく、他の誰がやるよりも自分がやるのがいちばんであるくらいのパフォーマンスを、結果もそうだけれども仕組み作りの面も含めて出したいと思って、一生懸命やってきました。そうしたら、転職していたこともあってか次々と上のポジションになり、37歳の時に“社長をやってほしい”と言われて社長になりました。経営者になってからも、この「ベストパフォーマンスを出す」というこだわりは変わっていません。
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