日本経済新聞社2007年刊。
著者の「経営戦略の論理」(日本経済出版社)を経営者ブートキャンプ第1期の最初の課題図書で使った(本日のブログタイトルから、同書への拙書評にリンクする)。経営戦略理論の学術書として先駆け的なものでもあり、構成もすっきりしていた。加えて著書は、経営学者として高名な方である。
そんな教授が著された「経営者論」なので期待して開いた。
しかし、違和感が強い。重要なテーマなのに、異様に早く読めてしまう。分析が、把握が上滑りしているので、ページも飛んで行ってしまうのだと気がついた。
各章の章立て、つまり構成は無難だし、章題、つまり個別テーマも興味あるものを押さえている。そして各章の内容も流麗に流れている。美辞麗句を上手くに並べて下手をすると感心してしまうだろう。
しかし、
「やはり現場を見て来ていないのだな」
ということに尽きると気づいた。だから私のような実際の実務家に対しては説得感がないのだ。学者先生が経営の外から「お話」を聞き集めて、それに対して感想を述べている、上質なエッセーに過ぎない。
各個別テーマ(各章)で感想を書き述べているのだが、注意深く読んで各章での著者の感想を付き合わせると齟齬を来す。つまり矛盾したり、相互同時成立が不可能なこと(簡単な言葉で言うと「無い物ねだり」)などに気づく。
それらについて一々例証する字数をこのブログは持たないので指摘しない。
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