国際経営戦略研究学会長の河合忠彦教授の手強い著書の続き。
ご持論を展開する前に、先行理論の主要なものを紹介して批判・評価している。
それらの先人たちの学問的貢献は端倪おくべ刈らざるものがあるが、一方この分野での学者先生たちの気の毒な様がよく読み取れる。
「経営環境の変化の激しい時代となって」と言って、どの時代でも(つまり過去50年間ほども)新しい戦略論が生まれては、次の戦略論にとって替わられた。
つまり、各時代のそれ以前のセオリーで説明できないようなビジネスの状況が次々と発生して、セオリーはそれを統一的に説明できないのだ。
そのような激しい変遷があった戦略論の中にあって、実務家の間ではいまだにマイケル・ポーターの競争戦略が神のように崇められているのはどういうわけか。彼のセオリーは80年代の初めのもので、30年前の今となっては古色蒼然たるもののはずだ。あるいは不滅のスタンダードに昇華したか。
ちなみに「実務家」とは「学者」に対する概念。「ビジネス」と「アカデミー」と私は使ったりする。
この項まだ続く。
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