2011年1月31日月曜日

「ダイナミック戦略論」河合忠彦(1) 書評64



しばらく書評のアップに時間が空いたのはこの本のせい。国際経営戦略研究学会に旧年末に入会したので、学会長のものを読んでおこうと思った。ペーパー(論文)ではなくブック(単行本)で最近のもの、ということだ。河合氏は中央大学ビジネススクールの教授。

本書は本格的な学術書なので、先行学説や文献が横溢していて、世に氾濫するビジネス書のように読み飛ばされることを拒否している。この1年で読んだものの中ではバーニーの「企業戦略論」(ダイヤモンド社)以来の手強さ。発行が有斐閣だし。

延々と先行セオリーの紹介と批判が続き、それに3分の2位を費やしている。学術書なのでそのバランスについては仕方のないことだ。

本書の白眉は、先行戦略セオリーを「静的戦略」という視点からとらえ、それへの限界を指摘することから「動的、つまりダイナミックな」戦略セオリーの構築を標榜していることだ。

本書についてはこの後数回に分けて触れることにする。

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