プレジデント社、2009年刊。国文科出身の私はこの人が使う言葉や、その組み立てにどうもついていけない。タイトルにある「フロンティア」がまずその一だ。この単語は私の使用では「突破して到達すべき地平」というものだったが、著者の使用は「それ自体が突破すべきもの」となっている。それなら「フロント(前線)」では無いのか?危うさを感じさせる単語の使用法なら、その定義やら説明がしっかりあるかと思ったが、見当たらない。
論理の展開も初めから危うい。「前書き」で「得意技の次元での解決策の効果は低減する」と指摘している。そうなのかもしれないが、「どうして?」はおろか「どのように」などの簡単なサポート(説明)がない。
「人と組織が動き出さない」という「この壁は情報と思考の力だけでは突破できないのではないだろうか」などと言っているが、そんなことは経営者なら百も承知である。驚いているのは著者のよなコンサルタントだけだろう。
初めのあたりから「危うい著者だ」と思っていたら、第1章で提出したケースがまた信じられない。「タスクフォースが始動して早や三週間」でトップへ中間報告?それは早いだろう。その三週間の間にこのチームは海外市場でサンプル調査を複数回行ってきていた、だと。「どんな調査をすれば良いのか」の段階だろう。
本書で素晴らしいところがある。それは豪華推薦者陣だ。やはり応援団が必要な本だったと分かる。
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