2009年11月30日月曜日

そろそろ次の本を出そうか(1)

毎年1冊のペースで本を書いてきたが、昨年初に『ディープWebを浮上させろ!―』(木村幹夫、日刊工業新聞社)を企画編集の立場で上梓して以来、今年はついに筆を執らなかった。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%97Web%E3%82%92%E6%B5%AE%E4%B8%8A%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8D-%E2%80%95%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E6%95%B0%E3%82%9210%E5%80%8D%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8BWeb2-0%E3%81%AE%E6%AC%A1%E3%81%AE%E6%B3%A2-T%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E6%9C%A8%E6%9D%91-%E5%B9%B9%E5%A4%AB/dp/4526059994

というのは、2006年に小説『あなたの会社が買われる日』(PHP研究所)を書いてしまって、「書き手としての排泄欲」が昇華されてしまった。
http://senryaku.p1.bindsite.jp/pg70.html

ここへ来て、コンサル活動やら、研修・講演を通じて発言を重ねてきたので、充電が進んできた実感がある。新年は新著を出そうか。

2009年11月29日日曜日

経営者はどこで勉強(2)経営大学院のエグゼクティブ・コース

欧米のビジネススクール(経営大学院)が提供しているのがExecutive Education Programというコースである。
ハーバードのそれは、AMP(Advanced Management Program)と言って、
1.現役のExecutive
2.会社申し込み
3.3ヶ月間のキャンパス教育
4.特に学位は出さない。
などの特徴を有する。
もう一つの特徴と言えば、授業料がとてつもなく、3か月で800万円とのこと(宿泊はホテルのような専門寮)。
ついでに言えば、母校サンダーバード経営大学院はこの分野で長く世界ベスト1の評価をもらっていた。
ハーバードAMPについてはまた書くつもりだ。

2009年11月28日土曜日

経営者はどこで勉強すればよいのか(1)

すでに社長、経営者になってしまった人はどこで勉強すればよいのか。

社長さんはたくさんのビジネス書を読む人が多い。責任感から学習意欲が高い(そうでない人は社長を辞めた方が良い)。でもそれは体系的な「学習」ではなく、「断片的な情報集め」だろう。そして当たり外れが多く、つまり効率が悪い。

近頃おおはやりな社会人経営大学院も、あれは30歳前後の「これからエグゼクティブをねらう」層が大多数で、社長さんにはミスマッチで、そもそも激務の合間に2年間も通える環境もないのではないか。たとえば現役社長のまま経営学博士課程を修了した人を私は1人しか知らない。山田修という人だ。

それはともかく、このトピックについては明日も書く。

2009年11月27日金曜日

中期経営計画指導、戦略出しの段階に

三つの事業部で事業部戦略を作ってもらっている。今まで、
― 社長との目標合意
― 中期戦略課題の設定
とやってきて、今週は
― 課題への解決策の洗い出しとベストアンサーの確定
というステップをやってもらった。これを、各事業部で事業部長以下3名程度のグループワークで進めている。社長、専務も陪席し、1参加者として討議に加わる。1事業部、2時間のセッションで毎月1ステップ進んできて3回目。「戦略の言語化」が為されてきた。ナレッジ・マネージメントを実践して、communicatableな形で戦略手順を絞り込んできている。参加者も手法に慣れてきて、順調な進捗だ。

2009年11月26日木曜日

グローカル企業、スワニ―社の三好鋭郎会長と会食

「企業を大きくするもの、それは経営者の夢だ」と三好鋭郎(えつお)会長から伺う。
四国徳島のスワニ―社は絵にかいたようなGlocal(Global & Local)企業だ。アジアに製造拠点を有し、日米欧で販売を展開している。
同社を手袋の世界最大メーカーに育て上げた、2代目経営者である三好会長はまた、四国きっての文化人経営者でもある。小児麻痺で足が不自由というハンディをものともせず、世界中で手袋を売り歩いた。
「営業がいちばんおもしろい」とおっしゃる三好会長の破顔一笑の笑顔が素晴らしかった。

2009年11月25日水曜日

100人の部下から、外資社長が3人、1部上場役員1人が出た

フィリップスに61人、ミードに40名弱ほど社員がいたのですが、そのうち3人が外資社長になっています。今年の春の株主総会で1部上場企業にも取締役員が1人出ました。
自分個人のビジネス実績よりも、わずか数年で100人の部下から4人も社長や上場役員を輩出した実績の方が鼻が高いことだと思っています。

2009年11月24日火曜日

経営コンサルタントの方からもお褒めの言葉をいただく

「実際に企業再生をされている方のお話は、こんなにも説得力があるのかと感じました。
理論と実践は非常に大切ではあるけれど、理論とは所詮、過去の事実をまとめたものであるため、
実践する上では自分の頭で考え行動することが大切ということを再認識しました」

先週の公開セミナーに何人か、現役の経営コンサルタントの方たちが出席されていた。
お一人からいただいた感想メールの一部。

2009年11月23日月曜日

三連休はテニス三昧

先週は三連日出講で、しかもそれぞれが全日セミナーだったので疲れ果てた。

今週末はリフレッシュのため、毎日テニス。というか、23日が雨という天気予報だったため、22日に慌てて予定外のテニスを入れたところ、23日が快晴。結局、毎日テニスということになった。

今週コンサル指導が入っている分のシラバスを作成する。これは、中期経営計画のための事業部戦略出しのためのグループ指導(三事業部を2時間ごと、5回に渡って)。
地方の会社だが、世界中で展開している、Glocal(グローカル)な企業だ。幹部の皆さんたちの意識、能力も非常に高い。

2009年11月22日日曜日

MBAって何ですか?

昨日は九段クラブの月例勉強会。某大手会社で原子力発電関連の責任者をなさっているH会員が日本のエネルギー事情をまとめてきてくれて、活発な討論となる。
終わって懇親会で、初めて来てくれた女性の方とご挨拶。私の名刺を見て「MBAって何ですか?」と尋ねられる。
「Married, But Availableの略です」と答えるとキョトンとされた。ご職業は英語の先生と伺う。

2009年11月21日土曜日

「眼から鱗が落ちた」、戦略セミナーへの参加者

先週、名古屋・東京と続けて「変革期における経営戦略の立て方」というタイトルで公開セミナーを行った。何人の方から感想のメールをいただく。
ある社長さんからは「眼から鱗が落ちた気分だ」とまで言っていただいた。
別の会社の、経営企画室の責任者と言う受講生は

「もともと、先生のご著書「実践!企業再生52週間プログラム」を読ませて頂き

 ましたのが受講のきっかけでしたが、リストラのお話しなど書籍からでは知りえ

 ない、リアルな行間のお話しを聞けまして、非常に有意義でした」
などと。励みとなる。

2009年11月20日金曜日

退職勧奨、受諾は慎重に

とある外資に勤務している後輩から、「退職勧奨を受けてしまって」と相談を受けた。
私は外資の社長の方の立場から、ずいぶん退任を実行してきた。会社側からの立場からは、退職は強制できない。ひたすらお願いするだけだ。下手に強圧的に出たりすると、労務裁判に持ち込まれれば必ず会社側が負ける。わかっている社員は「嫌がらせを受けた」と提訴する。和解条件となると、最初の退職条件よりずいぶん良くなってしまう。
裁判までの段階でのいくつかの段階のオプションをアドバイスしてあげたが、「私はそこまでは」ということで、当初の条件を受諾する意向だ。
実は退職日が近くなると、「これはひどい、あれはもっと良くならないか」と思い始めるものだ。しかし、このボタンだけはかけ始めに対応しなければ後では治せないことなのだ。

2009年11月19日木曜日

今日は東京で三菱UFJ公開セミナー

昨日の名古屋での三菱UFJリサーチ殿主催の公開セミナーに続き、東京品川で同社主催、同名「変革期の経営戦略の立て方」で1日セミナー実施。
1日セミナーだと、戦略立案の実習ドリルを展開できるので、具体的な方法論を実体験してもらえる。まあ、さわりだけのようなところはあるが。
しかし、いわゆる「戦略フレームワーク」を使っての上すべり的な分析でない、自社・自部門における実戦略を作ってもらうので、参加者の満足度が高い。「戦略カード」や「シナリオ・ライティング」などの独自メソッドも「実際に使える」などと。アンケート結果に高い評点が残り、来年も出講するなりゆきに。

2009年11月18日水曜日

11/18(水)三菱UFJリサーチ名古屋で公開セミナー終わる

前日名古屋に入り前泊した時は結構な雨で、傘持参。朝になったら寒いが快晴。傘が荷物となり邪魔。

例によって経営者の参加も多い。トヨタ自動車の売り上げが戻ってきて、中京地区は笑顔が出てきているかと思ったが、社長さん達の景況実感はまだ。「下請けへ注文を減らすと告げたら、倒産してしまうと泣きつかれている」などと相談されたり。
セミナーのタイトルは「変革期の経営戦略の立て方」。1日セミナーなので、演習をしっかり2回入れることができ、PSRメソッドによる戦略のシナリオ・ライティング展開の方法のさわりを体験してもらえた。

2009年11月16日月曜日

――次期経営者層の育成方法はありますか。

私は、MBA取得後に帰国してシアーズ・ワールド・トレードに入り、飯島さんという大社長に薫陶を受けました。私が33歳で社長が63歳くらいでした。手抜きなく細かく親切にいろいろなことを教えてもらう中で、こうやって丁寧に教えてもらうのがいいのだなということを学びましたね。
余談ですが、私は上司との関係がいつも非常に悪いんです。私より仕事ができる人はいないので(笑)。デキすぎる部下は上司に嫌われるんです。コンピュータランドのときとシアーズのとき以外で、上司にかわいがってもらった記憶がありません(笑)。

2009年11月15日日曜日

社員のモチベーションを上げるにはどうしたらよいのでしょう。

 1つ目は“コミュニケーション”。2つ目は“報酬や仕事環境”。3つ目はこの人について行けばよくなるだろうという“期待感”です。

 たとえば、フィリップスライティングに着任早々

2009年11月14日土曜日

重要なのは、1対1でよく話すこと。

自分の部屋に呼んで短くて10分、長くて1時間半ですが、時間ではなく頻度が大切ですね。
経営判断は素質もありますが、訓練で身に付くものなので、部下の話をよく聞き、一生懸命訓練してきたつもりです。
成果としては、フィリップスに61人、ミードに40名弱ほど社員がいたのですが、そのうち3人が外資社長になっています。1部上場企業にも取締役員が1人出ました。自分個人のビジネス実績よりも、わずか数年で100人の部下から4人も社長を輩出した実績の方が鼻が高いことだと思っています。

2009年11月13日金曜日

経営陣に全社的構造問題を指摘する

次世代幹部養成研修を行っている会社。参加管理職8名への個別指導の2回目が終了した段階。
一人ひとりに課題設定(Problem Definition)を行わせたわけだが、絞り込む前の段階で各自10程度の「自部門課題」を戦略カードで書き出した。全員で計約80もの「その会社の実際の重要問題」が指摘、提出されたわけだ。
これを私が整理して、経営陣と2時間のミーティングを持った。全社的な構造問題を経営分野別に指摘してあげる。レポートも提出。サービス業務。
「わずか2回で」と感心、感謝される。(戦略系コンサル会社に頼めば千万円単位のプロジェクトだ)などと当方は独り思う。

2009年11月12日木曜日

“小隊長”を幹部にしてはいけません。“参謀”から育てるべきです(東洋経済5回目)

私は社員を2つの座標軸で分類しています。縦軸は、よく働くか働かないか。横軸は頭の良しあしで、ビジネス判断や経営判断ができるかどうかです。
 多くの会社で、小隊長が幹部になってしまいます。小隊長は声が大きいし人間関係も非常にいい。よく働きます。ところが、この小隊長たちの経営判断が悪いと、“八甲田山死の彷徨”になってしまいます。

外資営業部長への営業戦略策定指導が佳境に

個別指導で進めてきた4回目。いよいよ各自が自分の新営業戦略をスライドに取りまとめてきて、それをリハーサルとして私にプレゼン・デモ。発表用の書き込みブランク(テンプレート・スライド)ファイルを前月渡した。それに書き込んでもらったものをメールで私に送ってもらって、添削を繰り返してきた。
だいたい第3稿まで進んだもので今週リハーサルとなったわけだ。
最初のリハーサルでは一人10分程度で終わってしまった。私がコメントを付け、指導をして、2回目のリハーサルでは20分近くに広がる。いよいよ次回はこの会社の社長に向けての発表大会を行う。社長の感想が楽しみだ。

2009年11月10日火曜日

脳虚血発作から生還5周年を祝う

5年前の10月10日に倒れた。意識はあるが口はきけず、体の左側が動かなくなった。救急車で運ばれ、
一過性脳虚血発作と診断された。通常1-2週間の安静入院だが、その日は土曜日。月曜日から出社して執務。秘書の福沢さんにだけ事情を話す。結局社員には知らせず。キッチンハウス社長時代。ファンドからの企業再生委託中で「休むわけにはいかない」という思いが。ヒトはこんなことで死んで行くのだろう。
5年間で重篤な発作の発生率35%ということを聞き、「まず生存」と思った。幸い、健康で5周年を迎えた。倒れた時に在宅していてくれた妻と娘と会食。かかりつけ医の先生に花束。

2009年11月8日日曜日

新将命(あたらしまさみ)氏と女子プロレスを観戦

「伝説の外資カリスマ経営者」新(あたらし)さんと、後楽園ホールに出かける。「息吹(いぶき)」という女子プロレスを観戦。新さんはこの団体の経営改善に助言をなさっているという縁。私はプロレスファン歴半世紀という「根っから」。力道山とオルテガ戦などに熱狂していた口だ。
息吹はメジャーな団体ではないが、出場選手たちのアスリートぶりに感心。最前列で観戦したので、膝の上に選手が降ってきた。

2009年11月7日土曜日

大阪で「戦略」セミナー、承継の悩みが

SMBCコンサル大阪で公開セミナー出講。「半日でわかる経営戦略の再構築と徹底実践策」という今秋の定番。
参加経営者に出席の動機などうかがったら、「経営承継」の段階での参考というオーナー社長がいらした。団塊の世代のオーナー経営者が、数年から10年程度での承継問題を感じ始めている。私が一昨年論文を書いたら、地方銀行の法人顧客向け雑誌五つにも転載された。「承継の時代」が始まっている。私の主張は、「資本承継より先に経営承継に筋道をつけろ」というものだ。下記参照。
http://senryaku.p1.bindsite.jp/cn14/pg170.html

2009年11月6日金曜日

ブックマラソン土井英司氏5周年パーティに感心

エリエス・ブック・コンサルティング社の創業5周年パーティに招待されて出席。代表の土井氏はアマゾンのビジネス書の書評担当エディターだった。
私が2001年に「タフ・ネゴシエーターの人を見抜く技術」(講談社)を上梓した時、土井さんがいち早くアマゾンの書評で取り上げてくれた。おかげで、同書はアマゾンのビジネス書部門でベストセラー第1位を5週間も張った。
土井さんが主宰している「ビジネス・ブック・マラソン」は5万人近くへの配信があるという。ビジネス出版界への絶大な影響力を示すかのように、多数の業界人が出席していた。

2009年11月5日木曜日

 いちばん重要なことは、結果を出すこと。

トップの給料は当たり前だけど他の誰よりも高い。いちばん高い給料をもらっているだけのことはしなければいけないという美学は持っています。他の人がやるよりも私がやったほうがうまくやれるでしょう、というところを見せたい気持ちもありますね。

2009年11月4日水曜日

仮に経営幹部が8人いたら、まずは2人を(東洋経済4回目)

新任の社長としては上から順番にしっかり掌握しなければいけません。仮に経営会議のメンバーが8人いたとします。まず2人をクビか降格にするんですね。みんな優秀でも差はあります。次に1人か2人、心を許し、腹を割って話すことができる「同士幹部」を見つけます。「権威」と「信頼」の同時確立をするわけです。

2009年11月1日日曜日

オリジナルで勝負(2)と言えばエニグモ須田CEOだろう

エニグモ社の須田将啓CEOは、この秋私の公開セミナーに2度も参加していただき、知り合いとなった。私の著書の読者だということだった。
ご本社を訪問した時、Company Valuesとよぶ5つの経営理念が掲げられていた。これが実にユニーク。特に5つのうち、最初と最後。
最初は、「楽しく働き、楽しく生きる」。このことを社是として掲げている会社を初めて知った。「働くことを通じて幸せになる」ということを提唱してきた私としては「わが意を得たり」。
最後のそれは、「 世界初に挑戦する 」である。同社が主宰するBuyMaは、「欧米にもなかったネットビジネス」ということでそのユニークさから、日本を超えて海外展開を開始しているという。
博報堂から独立し徒手空拳で社業を発展させてきた、まだお若い須田さんの今後の経営手腕に大いに注目していこう。